遺伝子組み換え鶴の恩返し
遺伝子組み換えおとぎ話の第二弾です。
しいたけ先生、Kei.ThaWest先生、ごめんなさい。
昔々、山奥におじいさんとおばあさんが住んでいました。
二人は貧しいながらも家に研究室を構え、仲良く暮らしておりました。
ある日、おじいさんが道を歩いていると、一羽の鶴を見つけました。どことなく弱っているようでした。そこで、おじいさんはたまたま持っていたCRISPR/Cas9のタンパク質とsgRNAのmRNAの複合体と相同組み換え用のノックインドナーDNAプラスミドを鶴に腹腔内注射してあげました。
おじいさんは、鶴に、筋肉の力を増強するための遺伝子を導入したのです。
しばらくすると、鶴は元気になり、嬉しそうに飛んで行きました。
その日の夜、おじいさんとおばあさんの家に、すごく美人でどことなくガタイのいい娘(20代前半)が訪ねて来ました。娘は、一晩泊めて欲しいと言いました。
おじいさんはその娘の美人な顔立ちに惹かれ、一方で、おばあさんはその娘の肩から二の腕に至る隆々とした筋肉に恐れをなし、一晩だけならばと、その娘を泊めてあげることにしました。
夕食を終えた後に、その娘は突然、遺伝子組み換え実験がしたいと言い出しました。
おじいさんは、奥の実験室を貸してあげました。
「絶対に襖の奥を見てはなりませぬ」
そう言い残し娘は、襖の奥の実験室に入って行きました。
しばらくすると。
『ヴィィィィン。ヴイィィィン。ヴィィイイイィィン。ああっつ。カチャ』
襖の奥から何やら音が聞こえて来ます。
そして。
『ウィィィィン。カチャ』
そして、さらに。
『ヴィィィィィィィィン。ヴイィィィイイイイン。ヴィィイイイィィィィン。ヴィィイイイィィィィン。ヴイィィィイイイイイィィィィン』
と、音が聞こえて来るのです。
「あの娘は一体何をしとるんじゃろ?」
おじいさんは、少しだけならばと、ドキドキしながら襖を開けました。
そこには一羽の鶴がいて、ボルテックス(試薬を振動で混ぜる道具。大きなバ○ブみたいなのものと考えていただいて差し支えありません)を使って試薬を混ぜていました。
鶴は普通に実験をしていただけでした。
「あぁ」
おじいさんは、そっと襖を閉じました。
めでたしめでたし。
色々な意味で、二番煎じ感が拭えないです。
遺伝子組み換え桃太郎(https://ncode.syosetu.com/n4196gg/)もぜひご覧ください。