2話 ボンボン村
俺、二階堂未来15歳(精神年齢28歳)は、エアー魔物をショートソードでカッコつけながら練習しているのを案内のお姉さんに盗み見られた。
俺は、『恥ずか死ぬ』思いだった。
「あはは、ごめん、ごめん」
「笑い過ぎです、おばさん。グホッ」
「ん? 何か言った?」
「いらいれふ (痛いです)」
笑われた仕返しに、ちょっと意地悪したら、力強い溝打ちが帰って来た。
10倍返しって、酷い!
「もしかして、ミライ バレンタイン君」
「いえ、ミライです」
「バレンタイン君よね」
「いえ、ミライです」
「はいはい、分かったはよ。ミライ君ね」
「はい、そうです」
この綺麗なお姉さん系の女性は、冒険者のミオでギルドの依頼仕事で初心者の俺を迎えに来てくれた。ギルド迄の案内人だと言う。
「結構、探したよ」
「あっ、悪い。歩いてた。ただ、歩き回ってた」
俺は、2度言ったぞー。
「はいはい。歩いてたのね」
「はい」
よし、無理矢理、黒歴史を抹殺したぞ!
多分…
「じゃ、行きましょうか」
「街まで 遠いのか?」
「えっと、此処からだと街までは、かなりあるよ。歩いて行けないし… あれ、今から行く所を聞いてるのかなー」
「えっ、そうですが、何か?」
此処でこの言葉を言えるとは…
「そうだよね。あはは、今から行くのは、街じゃなくて村よ。ボンボン村って言うの」
「へー、ボッ、ボンボン?」
俺とミオは、この世界の名前についてあれこれ話している間に村が見えて来た。村の入り口で持っていたギルドカードを見せたら、門番に驚かれた。
「えっ、初心者じゃん! 此処からスタートってあんたが初めてだぞ」
「えっ、どう言う事? 」
「そうだよね。私も思ったわ。普通は、王都の街の広場だから」
そう聞いた俺は『何か可笑しい』と考えるべきだった。でも、村の情景を見て、ゲーム内のリアルさにワクついてた俺は、この事を気に留めなかった事を後々後悔する事になる。
「もしかして、入れないとか?」
「いやいや、そうじゃない。珍しいってだけじゃん。ほれ、カード」
「はい。どうも」
ミオから門番も冒険者だと聞いて、俺は、早速ギルドの仕事依頼について聞いてみが、俺の仕事の事を逆に聞かれてしまった。
だが、俺はまだジョブは無い… が、俺の希望として『[隠蔽スキル]が欲しい』って事で、それが使えそうな『【忍者】とか良いかも』とミオに言ってしまった。
「ええー、羨ましい! 何よー【隠蔽スキル】持ちって、凄いじゃないの!」
「いやいや。それは… あの、その… 」
やらかしたぁ… やらかしてしまったあああぁ。
持ってもいないスキルを… さも持っている様に、言っちゃってくれちゃったよー。
お姉さんが!
軽く希望的な願望を言っただけで…
どうして、どうしてこうなったあああぁぁ!
俺の顔、真っ青だよね、きっと。
めちゃくちゃ可愛い笑顔見せて、羨ましそうにしている美人のお姉さんには『[隠蔽スキル]は持ってません』何て… 今更、言えないんだよ!
俺は、ガチャで何が何でも[隠蔽スキル]を取らなければ… そう、結果良ければってね。
この世界では、神殿か教会でガチャを引くとジョブもスキルも得られる。教会は、初ジョブの無料ガチャが1回できるけが、ガチャでジョブを貰ったり変えたりは、神殿でないとできなかった。
スキルの方は、神殿と教会の何方でも1日に3回迄ならガチャができる。但し、人気のスキルは、神殿ガチャに有ると都市伝説の様に噂されているが…
取り敢えず、俺は、教会に行って無料1回ガチャでジョブと有料ガチャで沢山スキルを得る事にしたよ。
余震場[隠蔽スキル]を得るという下心満載だけど。
「あっ、あのお姉さん、教会は何処でしょう」
「えっ、ギルドじゃ無く、教会に行きたいの?」
「はい、俺、先にジョブ得たいんで」
「そうね。その方が、直ぐ仕事出来るものね」
「はい」
「教会は、この道の突き当たりよ。ギルドは、この道を右ね。じゃ、またギルドで」
はあ? おいおい、手を振ってにこやかに行っちまったよ。
お姉さんは、ギルド迄の案内役だったよ、ね。
まぁ、道も分かったし良しとしますか。
俺は、精神年齢大人だし、見た目15歳ですが… うんうん。怒りませんよ。
あっ、あれか? あれが… 教会… マジですか?
「えっと、この建物は、教会ですか?」
「うん」
「そうだぜ」
「おお、ちびっ子有難う。普通の家見たいだね」
「ちびっ子じゃね!」
「知らない奴は、な。 オッさん!」
「オッ、オッさん? あ は は、じゃね」
何だよー、オッさんって… 今は15歳だよ
現実でオッさんだから傷つくんだよ!!
ガタガタッ
「誰か、居ますか?」
「はーい。此処でーす」
「うおー。ビックリした」
「ごめんなさい。突然、後ろから現れて」
俺は、ガチャを引きに来た事を女の子に伝えると元気に『はーい』と言ってガチャ部屋に案内してくれた。
「ジョブは、こっちで、スキルは、横の大きい方でーす」
「あっ、有難う。っで、君は誰かな?」
「ごめんなさい。 私、シスター林檎です」
「えっ、り、りんご、林檎?」
「ふふふ、はい、シスター林檎です」
「どうもー。俺は、ミライです」
シスター林檎は、りんごのような真っ赤なほっぺをしてたからビックリだわ!
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