1話 冒険しよう
俺の名は、二階堂未来、28歳、独身
自分で企画し、開発したゲーム【トリップワールド】の[剣と魔法の世界]の中に家出している。
このゲームは、押しピンの様な機器を直接頭に刺すだけでスタートでき、実際に自分がゲームの世界に入って体験しているかの様に五感に感じるシステムが取り付けられている。
「たかがゲームで、斬られたら痛いとか 酷いんじゃねえ?」
いやいや、だから面白い
「命は、大切。だから、真剣にゲームしょう」
そう、つまり、リアルな感覚になり、ゲームの中に入って実際に動いているって感じ。
でも、めちゃ痛いのは、勘弁!
だから、魔法のスキル、魔道具、ポーション等で痛みを軽減出来そうだし、其れらをゲットするのもゲームの醍醐味だし。
それに一回だけは、安全な場所で生き返る事が、出来る。
さすが、ゲーム!
2回目以降は、転生させられるから赤ちゃんからスタート、おまけにチートも無い。
「[おまけ]なのにチート無いんかい!」
スルー、スルー
其れに、ゲーム内に使われるお金は、現実の世界でも使われている仮想通貨で、身分証明が出来る[ギルドカード]で預金と支払いが出来るシステムも組み込まれている。
つまり、ゲーム内で稼いだお金が現実世界でも使える。その逆も然り。
其れを利用して、今回は、期間無制限の家出を決行したので本体(身体)は、提携している医療機関のカプセルの中で冬眠中だ。
因みに支払日を気にしないでも良い自動払いも可だ。
グダグダ言って無いで始めるか!
俺の面白い日常を… いや、冒険を。
冒険するなら、まず、自分のステータスを知らないと… という訳で、
「ステータス、オープン!」
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ミライ バレンタイン (男) 15歳
HP: 450 / 500
MP: 無限
ジョブ: 未だ
スキル: 毒体制 (1)
所持品: アイテムボックス (亜空間)
・武器: ショートソード
・水袋 x2
・食料品 (パンx5)
・ギルドカード (未登録)
武具: 無
所持金: 5000 キープ
参照: 没落貴族の5男で家出中
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初回特典の無料6回ガチャで貰ったが…
中々、悪く無い。
でも、[没落貴族ですが、何か?]みたいな設定要らないんだけど…
あゝ、書いたよ。[希望欄]に農民以外って。平民で良くね。何でバレンタインなの。家名要らないんだけど…
ああああゝ、分かったから正直に言うよ。
「バレンタインデーにトラウマ有るんだよー!」
フッ… 処で、俺、何で草原にいるの?
さっきから、歩いてるけど、村も街も見えないんですけど… もしかして、初参加者に塩対応ですか?
ラノベなら、此処でSS級の魔物が襲って来そうですが… 大丈夫だよなぁ
そうだ! あれ、あれ、
「アイテムボックス、オープン!」
おっ、すげっ。マス目の中に絵が描いてある。
まあ、追々、試すとして…
ショートソードを取り出してと、
「おっ、良い感じ。まず、練習だな」
トヤッ、トヤッ
初めて握る剣、短いけど…カッコいいかも!
トッ、トッ、トヤッ
段々慣れてきて、色んな切り方を真似て、エアー魔物を切ったりして、ちょとオーバーアクション披露したりして、
「なんか、めちゃ楽しい! 俺、中身28歳だけど」
調子に乗って、めちゃくちゃ動いて、叫んでみたり、
ポーズまでとちゃたよー。超カッコいいかも。
「そこの君、何してるのー?」
「ホエー… 」
俺は、すぐに声のする方を向いた。
美人のお姉さんが、ニコニコしながら駆け寄って来てるよ。
「ねえねえ、何やってたの? ププッ」
「あっ、いえ、その… 俺、何やってましたぁ?」
「あははー、それ、聞くんだぁー」
見られた、見られた、めちゃくちゃ 笑ってるし、
今、俺の身体は、沸騰状態。
「恥ずか死ぬーー!」
勿論、顔は、両手の中です。
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