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第七五羽 首輪をつけた三毛猫編


 キセキレイは待ちくたびれたという表情を隠しもせずに校舎の白壁にもたれて待っていた。


 カッコウは座り込んで髪の毛を指先に絡めて暇を潰している。


 タンチョウはそんな2人の姿を認めると近づくのが少しだけ怖くなった。



「よお。待ったか?」


「待ったねー。カッコウ、待ちくたびれたねー?」


「そだねえ、ちょっとだけね。待ったかなあ」


「リレーの時は猛ダッシュするのに今はしないんだね。どうせ、女の子たちからキャーキャー言われたかったんでしょ? 分かってるよー。ごめんね、観客がこんなので」


「辛らつじゃないか。来る時にキセキレイと同じ格好で座っている男子生徒を見た」


「だからなに?」


「そいつを午前中の聞き込みの時にも見たんだ」


 タンチョウの報告にキセキレイとカッコウは耳を貸し始めた。少しだけ興味が湧いた様子だった。



「聞き込みの時にはミソサザイの報告通りの事を言っていたから嘘はついていない様子だったが猫アレルギーだとも言っていたな。直感では依頼主がその男子生徒だと睨んでいる」


「なるほどねえ」


「ちょっと顔だけでも見ておこうよ」


「俺は覚えたからここにいる」


「じゃあ、カッコウ、行こうか」


「うん」



 キセキレイとカッコウは立ち上がるとその男子生徒の顔を見に行った。


 少し経ってから帰ってくるとカッコウはなにやら考えていてキセキレイは嬉しそうだった。



「嬉しそうじゃないか」


「まあねー。わたしも覗きは彼じゃないと思うな」


「うん、あたしもそれには同感。でも、協力者かもしれないよ」


「協力者?」


「そう。見張りみたいな感じ。それか猫がその場を通るかを見てるのかも」


「なるほど。じゃあ、依頼主ではないのか?」


「いや、そうとも限らないよ。依頼主かもしれない」


「おかしくないか? 協力していて止める事を依頼するのは」


「もしその協力が望んだものじゃなくって強制だったら隠れて依頼するかもしれないよ」


「なるほどな。従わざるを得なかったか」


「しょうがないね。でも、黒幕がいるって事は分かったし、これまで手掛かりが猫だけだったのが一つでも新しい事が把握できたのは前進だよ」


「だね」


「じゃあ、これからはどうする? 接触は厳禁だぞ」



 タンチョウが2人に尋ねるとキセキレイとカッコウは合わせたかのように悪い顔をしてヒヒヒヒと笑った。


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