第五六羽 校門の植木鉢編
3時限目の授業中にそれぞれが報告を行った。
≪体育のついでに植木鉢を見てきた。ひとつの植木鉢には3つの花が植えられている。見た限りでは普通の植木鉢にしか見えない≫
≪花町は図書委員だった。コジュケイの報告では図書委員が調査しているらしいじゃないか。これはもしかしたら罠かもしれないぞ≫
≪なるほどね、確かに罠も考えられるわ≫
≪いや、あいつはそんな頭がいい奴じゃない。たぶん無関係だろう≫
≪警戒はしておいていいだろう。俺は監視されているみたいだから下手に動けない。実行の計画を立てる事に専念する。情報収集は任せたぞ≫
≪了解≫
最も恐ろしい可能性が浮上してきた。タンチョウはちらりと同じクラスの岩畑の方に目をやった。
彼女は真っすぐに正した姿勢でノートを取っていた。
3時限目が終わるとタンチョウはノートを机の中に片付けてトイレへ行くために教室の外に出た。
監視しているなら尾行もしてくるだろうと踏んで事だったが追跡されているような気配はなかった。
タンチョウがトイレから出ると教室の扉の傍で岩畑は談笑していた。タンチョウに目をやる素振りも見せない。
監視すらも疑わしくなってくるほど岩畑の尾行は完璧に思われた。
コジュケイと目を合わせると小さく頷くので尾行は間違いなく行われている。
≪監視されているような、見られているような感覚はあるが尾行されているのは分からない≫
≪相当なやり手だわ。1回や2回のものじゃない。慣れてるもの≫
≪やっかいだ。が、それはそれでやりようがあるか≫
≪任せるわ。実行と決めたのならやり切るしかない≫
≪ああ、分かってる。色々と考えるよ≫
そして全く動きを見せない三宅はアオゲラと同じクラスだった。
アオゲラは今回の依頼には参加していない。タンチョウはそれで心配する必要もないと考えて頭から追い出してしまった。
4時限目になった。
≪目的は分かったのか?≫
≪いや、分かっていない≫
≪ある程度は分かった気がする。ずっと考えてたんだ≫
≪教えてくれ≫
≪あいつは確か携帯ゲーム機を持って来て2度没収されて部活動に参加させてもらえない期間があった。
これっきりにするという文と小さな容器の依頼と考えると携帯ゲーム機をあの植木鉢に隠したんじゃないだろうかと結論を出した≫
≪なるほど。でも隠すのにそんな場所を選ぶだろうか?≫
≪うん、それだ。体育館からは校門が近い。いつでも回収できるつもりでいたんだろう。だが、昨日は風紀委員会の委員長と副委員長が下校の時間に校門に立っていたからな≫
≪それで俺たちに依頼したってわけか≫
≪まあ、頭は良くない≫
≪分かった。今日の放課後にオシドリの所へ行って相談してみようと思う≫
≪道具を借りるつもりなんだな。任せた。俺はあいつは苦手なんだ≫
≪キセキレイは好きそうだけどな≫
昼休みになった。
仕事に必要な道具を借りるにはオシドリを頼るのが通例だった。キセキレイはよくオシドリの家を訪れていて彼と話をしていた。
ほとんどが彼女が道具を借りて来ていたが今回は彼女はいなかった。




