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第四五羽 古びたランタン編

 鳥の巣に依頼が投稿されてからこれだけ実行に関して賛意が得られないのは初めての事だった。


 タンチョウはほとんど弁解するかのように後ろめたい気持ちで言った。



≪なぜ、必要なのかは当然、尋ねなかった。いつもしないからな≫


≪なるほどねー。でも、きっかけってあるでしょう?≫


≪きっかけか?≫


≪うん、悩んでるって事しか知らないって言ったよねー。相談されたの?≫


≪された≫


≪うんうん、どんな?≫


≪ピッキングの道具を貸して欲しいと言われた≫


≪どっかをこじ開けるつもりだったんだねー≫


≪あたしが予想するにきっと、『ああ、心の扉もこの道具でこじ開けられたならどんなにいいか』なんてぼやいたに違いないね≫


≪分かるー、あと『でも、そんな事は望んじゃいない』なんて自己完結してそう≫


≪タンチョウが促したの?≫


≪いや、そんな事はしていない。ただ尋ねただけだ。オオルリとしてか、それとも大友幸大としてピッキングの道具を貸して欲しいのか? って≫


≪本当かなあ?≫


≪ねー、怪しいよね。オオルリが悩んでるのって私たちがロマンスを止めるように言ったからでしょ。

原因は『このメンバーにある、だからここで決着を付けさせよう』なんて促したんじゃないのー?≫


≪してない≫


≪いまいち信じられないなー。タンチョウ、良くないぞー≫


≪2人はオオルリの事が嫌いなの?≫


≪べつに嫌いって程じゃないけど≫


≪うん、別に嫌いって程じゃないかなー≫


≪でも、素直に協力するのは嫌なんでしょ?≫


≪違うんだってアオゲラちゃん! これには深い事情があるんだよ≫


≪深い? どんな?≫


≪まず第一にコマドリちゃんとオオルリが除外されているという点に違和感を覚えて欲しい≫


≪そうだね、2人がいないね≫


≪そしてオオルリはコマドリちゃんの事が好き≫


≪え、そうなの?≫


≪そうだよー。もう見てれば分かる≫


≪えー、コマちゃん、モテモテだなあ≫


≪え、なになにどういう事? アオちゃんは何か知ってるの?≫


≪コマちゃんは高校生になってから5回も告白されてるんだよ≫


≪新しい情報だねえ、ワクワクするなあ。でも、協力はしたくない!≫


≪わたしもー!≫


≪俺もパスだ。呼び出して小細工なしに告白しろって伝えておけ≫


≪つまり?≫


≪うん、わたしたちの依頼が告白の準備に使われると思うと失敗しろーって思っちゃう。

そしてヤマセミが言うように小細工なしで告白しろって事! 以上です!≫


≪なるほど。ありがとうございました≫


≪タンチョウ?≫


≪でも、依頼があったからには仕事にかからなくちゃいけないと思ってる≫


≪頑固だなー≫


≪私は協力してもいいと思う≫


≪えー≫


≪タンチョウ、今日もおにぎり持って来てる?≫


≪ああ、持って来てるよ≫


≪今日は鮭の日だよね?≫


≪ああ、今日は鮭の日だ≫


≪くれる? 私、お腹すいちゃったんだ≫


≪ああ、やるよ≫


≪じゃあ、協力する≫


≪餌付けだー。良くないぞー≫


≪アオちゃん、こっちにはクリームパンがあるよ!≫


≪パンより米が好き。鮭と米の組み合わせなら比べる必要もない。

海苔が上手く巻いてあるなら完ぺき。そしてタンチョウのお母さんが作ってくれるおにぎりはいつも完ぺき≫


≪ええー、いつももらってるの?≫


≪たまにね。鮭と梅と明太子の日があるんだよ。タンチョウとタンチョウのお母さんには感謝だよー≫


≪反対派と賛成派が3対3だねー。どうする?≫


≪反対派は実行に移さなくてもいいでしょう。いつもの実行組が賛成派にいるんだから。止められる事もないわ≫


≪鮭が欲しいー≫


≪授業が終わったら渡すよ≫


≪待ってるね≫



そして3時限目の授業が終わった。



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