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第三〇羽 ペットボトルロケット編

 タンチョウが職員室前の掲示板を見るとコンテストの張り紙が張ってあった。


 そこにはしっかりと詳細が書かれていて彼が知りたい事の全てが記されていた。



「タンチョウ」



 呼ばれた方を向くとキセキレイが隣に立っていた。



「キセキレイか」


「なーに、してんの?」


「コンテストの詳細を見ていた」


「ほー、それで?」


「どうやら土曜日の9時から開催するようだ。行かないか?」


「お断り。休日は10時ごろまでぐっすり寝てるの」


「不健康な奴だな」


「いいの」



 キセキレイは笑ってタンチョウの尻を平手で叩いた。パシンと小気味よい音が鳴った。


 タンチョウが尻を手で押さえる前にキセキレイは走り去っていた。


 後ろ姿を追う事も出来ないので笑って済ませるとタンチョウは独り言ちた。



「さて、決行の時間を決めなくちゃな」




≪決行は金曜日の放課後が妥当だな≫


≪理由を聞かせてくれ、ヤマセミ≫


≪ターゲットは今、ゲーム部の部室に保管されていてまだ調整中らしい。

 つまり今日、処分してしまうと最悪、また作られてしまうかもしれない。

 完全にゲーム部員の手を離れた時が狙い目だ。それが金曜日の放課後なんだよ≫


≪なるほどな。手を離れるという事は一時的に保管される場所があるんだな?≫


≪第2会議室らしい≫


≪なるほど。じゃあ、決行は金曜日の放課後にしよう。決まりだ≫


≪まあ、いくつか心配な点があるが決行までに調べておく≫


≪よろしくな≫


≪また私が行ってもいいの?≫


≪そうだな。第2会議室は慣れたものだろう?≫


≪そんな事はないわ。油断大敵ね≫


≪肝に銘じておくよ≫




 木曜日はこうして何事もなく過ぎていった。日常風景的な学校の営みの影には鳥たちが校内を飛び回っている。


 金曜日になった。


 決行の時は着々と近づいている。


 教室に入ったタンチョウは変わらない雰囲気に安堵を覚えるがすぐに気を引き締めた。


 木曜日の放課後に美化委員と親衛隊が校内を見回っていたのを部活終わりの下校時に目にした。総勢60名の警戒網をくぐるのは簡単ではない。


 目下、タンチョウの頭を悩ませていたのはこの問題だった。


 一晩、学校の見取り図を見ながら穴を探していたがどうにも見つからない。

 半ば投げやりにベッドに横になると吸い込まれるように眠りに就いてしまった。起床の時には後悔して頭を抱え込んだのは彼しか知らない。


 鐘が鳴った。授業がいつも通りに始まる。


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