第二八羽 ペットボトルロケット編
3時限目を終えるとタンチョウはゆっくりと息を吐いて立ち上がった。
するとポケットに入れていたスマホが振動してメッセージを受け取った事を報せて来た。
≪コジュケイよ。生徒会がまた動いてる。今度は美化委員が動く。気を付けて≫
≪そうか、美化委員は厄介だな≫
≪まあね、仕方がないわ≫
≪ありがとう、助かった≫
≪ねえ、図書室のタンチョウが購入希望した怪盗の小説って続きはあるの?≫
≪あるよ。読んだのか?≫
≪ええ、なかなか楽しめた。なんだか私たちに似てる。だから、きっと最後まで読めたんだろうな≫
≪ああ、ちょっとだけ似てる。続きを読むなら貸そうか?≫
≪ええ、お願いしようかな。朝の読書時間に読む本が尽きてきたところなの≫
≪そうか。今度、持ってくるよ≫
≪それじゃあ、またね。くれぐれも気を付けて≫
美化委員会が活動を始める。それは生徒会長が直接、命じたという事に他ならない。
タンチョウのクラスにも美化委員会所属の生徒が男女合わせて2人いる。
彼らの様子を探ってみるべきかタンチョウは迷っていた。特に親しくはなかった。
そうこうして迷っている内に4時限目の始まりを告げる鐘が響いた。
≪どうやら美化委員が動き始めたようだ≫
≪美化委員?≫
≪そうだ≫
≪間違いないの?≫
≪確かな情報だ≫
≪困ったねー≫
≪困ったねー。まいったねー≫
≪真似するなよー、カッコウ≫
≪えー、いいじゃーん。キセキちゃん、好き!≫
≪ど、どうしよう、私、今、告白された!≫
≪生まれて初めて?≫
≪え、えええ、いやあ、まあ、その、うん≫
≪わーい、愛してるぞ!≫
≪文字だけじゃ信用できない≫
≪じゃあ、ボイチャ送るわ≫
≪電子を介する告白もイヤ!≫
≪もー、わがままだなあ。そんなキセキでもあたしは許しちゃうぞ!≫
≪もう止めろ。終わらないだろう、これ≫
≪ライバルの存在! さてはタンチョウもキセキが好きなのか?≫
≪えー、困っちゃうなー≫
≪困りっぱなしね≫
≪馬鹿ばっかりだ≫
≪やっぱり女の子への告白は言葉の方がいいんだろうか?≫
≪うーん、まあ、そうだね。
でも人によりけりかなあ。オオルリの場合は文でアポを取った方がいいんじゃない?≫
≪そうか?≫
≪うん、だってロマンチックな文句を言うの好きじゃん≫
≪べつに好きで言ってるんじゃない。自然と出るんだ≫
≪それは違うでしょ。
言うと気持ちがいいから自然と出るんだよ。いい? 聞いて、オオルリはロマンチックな文句が好きなの。
だからゆっくりと考える時間がある手紙での告白はロマンチックな文句ばっかりで一定数には振られるね。
特にキセキちゃんとコマちゃんとあたしは無理≫
≪分かった≫
≪話を本題に戻してもいいか?≫
≪ええ、タンチョウ。好きに話して≫
≪美化委員の行動がどんなものかをまず調べようと思う。分かったら報告するから各自でも調べた事は報告してくれ≫
≪了解≫
≪ラジャー≫
≪ラジャー≫




