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第一六羽 蔵書編

≪任務完了≫


≪お疲れさまー。私も頑張ったよー≫


≪いぇーい、私も大活躍だったよね!≫


≪そうだな、アオゲラ助かったよ。今回は助けられたな≫


≪あれ、なんか腑に落ちないなー≫


≪キセキレイ、あの眼鏡はなんだったんだ?≫


≪ああ、あれはタンチョウが見えてるものが私にも見えてたの。

ワイヤレスでアオゲラちゃんのスマホと繋げてその画面を共有してたの。これも凄い苦労したんだから。

まあ、その時からパソコンの操作が無理そうだったら早めにタンチョウに報告しなよーって言ってたんだけどね≫


≪えへへー、出来なかったねえ≫


≪お菓子の事ばかり考えすぎだよ、アオゲラちゃん!≫


≪そうか、ハイテクってわけだな≫


≪まあ、それでいいよ。あとそのグラスはしっかり返してよ。私のなんだからねー≫


≪ヤマセミたちは成功したのか?≫


≪難なくな。余裕だったぜ≫


≪まさか上首尾に行くとは思わなかった≫


≪ははは、俺の計画に狂いはない≫


≪本はどんな物にすり替えたんだ?≫


≪俺が厳選した名著に変えておいた。

施設に贈られる物なんて実際にはもう使われなくなった物や、年代に合った物が贈られる。

それを分かった上で厳選したから何も問題はないはずだ≫


≪そういえば昔からヤマセミは本が好きだったな≫


≪まあな。あとタンチョウ、職員室に鍵が無かった時に驚きのあまり固まってただろう。

止めろよな、怪しまれるだろう。一発レッドだぞ≫


≪済まなかったな、てっきりあそこにあると思ってたんだ≫


≪まあ、なんにせよお疲れさまだな≫


≪ああ、またな≫


≪ところで、タンチョウ。最後に図書室を出て行こうとしなかったのはどうしてなの?≫


≪ああ、それは確認しなくちゃいけなかったからな。

俺は蔵書管理のソフトを閉じずにその場を離れた。あの時に友紀ちゃんが操作してたのは文書作成ソフトだった。

彼女がデスクから離れた時とディスプレイの位置も画面の内容も変わっていたが監査の2人が動かしたと言ってくれた。

受け止め方によっては監査の2人が操作したとも受け取れる。

彼女がその蔵書管理のソフトが立ち上がっているのをどう処理するのか確認する必要があったんだ。ただそれだけだよ≫


≪なるほどねー。監査が作業内容を確認するのにケチをつける子じゃなかったんだね≫


≪そうなるな。とにかくお疲れさまだ≫


≪まったねー≫


≪バイバイ≫


≪じゃあな≫


≪お疲れ様≫




 後日、近藤さんが図書室で熱心に本を読む姿をタンチョウが見た。


 彼が購入を希望した本が入荷されたのでそれを借りに行った時の事だった。

どうやらもうすぐ読み終わるらしい。タンチョウは彼女のちょうど真後ろの席に座って何度も読んでいる本の冒頭を読み始めた。



「ねー、由佳が図書室で本を読むなんて珍しいじゃん。どうしたの?」


「これね、私のお爺ちゃんも借りてる本なんだ。ほら、この貸し出しカードのここ見てよ」


「近藤武雄。これがお爺ちゃんなの?」


「うん、この前に亡くなってね。日記が出て来たから読んだらこの本がとても面白いって、退屈な学校での唯一の楽しみになったんだって」


「へー」


「本当に神さまありがとうって感じ」


「変なの、由佳が神さまに感謝しだした」



 2人は笑っていた。


 背後で話を盗み聞きしていたタンチョウも微笑んでしまった。きっと、読んでいる本が楽しかったからだろう。


 


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