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第一四羽 蔵書編

「実は、キセキちゃんと連絡を取りながらやってたんだけど操作が分からなくって。私じゃ無理だったんだよ。だから、交代!」


 アオゲラは唖然とするタンチョウにかけていた眼鏡とワイヤレスイヤホンを渡した。


「それでキセキちゃんと連絡を取ってたの。まだ繋がってるからね。私が友紀ちゃんをおびき出すから」



 そしてアオゲラはすぐに図書室へ駈け込んだ。



「友紀ちゃん、たいへん!」


 タンチョウはため息をついてから受付のデスクから離れる友紀を確認して再び中に入った。



「キセキレイか?」


「うん、そうだよ。もー、私は金輪際、アオゲラちゃんにパソコン操作の説明はしないと誓いました」


「まあ、不安ではあったが。これはどうやって繋がってるんだ?」


「それはどうでもいいでしょ。まずは作業から」


 タンチョウは一度だけ図書室の奥へと行った二人を確認した。タンチョウからは姿は見えない。アオゲラの声だけが聞こえて来ていた。


「もう図書室の蔵書管理のソフトは開いてあるから。そこのデータを書き換えるだけ。一括では出来ないから一冊ずつやるしかないよー」


 15冊の本がそれぞれ贈られる場所の名称が入力されている。これの所在を学校の図書室へ書き換えるのだ。


 タンチョウが3冊目の本のデータを書き換えている時に出入り口の方から足音が聞こえて来た。



「キセキレイ、図書室へ近づいてくる足音が聞こえる」


「えー、それはマズいね。早く作業しなよ。てか、タイピング遅すぎ!」



 奥からはまだアオゲラが喋っている声が聞こえてくる。それとは反対側から確かに足音が聞こえていた。


「誰だ? 他の図書委員の生徒か?」


「分からないね。そこまで把握できないよ。早くー」



 7冊目が終わった。

 足音が近づいて来る。2人いるのがタンチョウに分かった。


 ヤマセミとオオルリが様子を見に来たのかもと思ったがあまりに楽観的な考えだった。



 9冊目を書き換えた。



「キセキレイならもっと早いのか?」


「当たり前じゃん。鈍い。これだから運動しか出来ない人は困るんだよねー。まあ、今の私には応援しか出来ないかな」


 足音は最悪な事に図書室の前で止まった。


「図書室の明かりがまだついてますね。中原先輩」


「ああ、まだ活動してるのか」


「中に入って確認しましょう」


「そうだな」


 中原という生徒にはタンチョウには心当たりがある。生徒会の監査だ。監査の2人が見回りに加わっていたのだ。


「足音の正体が分かった。生徒会の監査の2人だ」

「マズいねー。口よりも手を動かして」


 キセキレイがタンチョウに言う間に12冊目の入力を終えた。あと3冊だった。


 

 時間は残されていない。もうすでに足音はすぐ近くまで迫っている。

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