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これからのこと

 次の日、俺は朝からハローワークにいた。もちろん、就職活動のためだ。

 検索機に希望を入力して、出てきた企業を入念にチェックしていく。ただ、どれも給料が安かったり、土日休みじゃなかったりと、いまいちピンとこない。


 相談コーナーの職員さんにも相談してみたが、今はシーズン的にも求人自体が少ないらしい。

 人気企業は、既に新卒採用を終えて、来シーズンの準備に追われているのだろう。


 俺自身の希望は、それなりにメジャーな企業がいいと思っている。理由は単に彼女に見栄を張りたいだけ。

 不純な動機だけど、働きたいと思えているのだから、問題ないとのではないだろうか。


 ただ俺の学力じゃあな……

 ふと、鈴木の顔がよぎった。あいつに頼めば、簡単に就職できる。もう少しくらい、余命を使っても大丈夫じゃないか?


 俺は頭を振って、危ない思考を追い出した。一昨日、あれだけ後悔したばかりじゃないか。

 それでも、現実という高い壁の前で、俺も気持ちは、激しく揺れていた。


 ハローワークを後にして、俺は『Blue Note』へ向かった。時刻は、お昼過ぎ。ランチのお客さんで混んでいないことを祈りながら、足早に歩いていった。


 店に入ると、3組のランチ客が席を占拠していた。ただ、壁際の席は空いていたので、俺はそこに座って、彼女の姿を探した。


 しかし、残念なことに、この日、彼女は店にいなかった。カウンターの中で、動き回っているのは、40代くらいの女性。おそらく、彼女のお母さんなのだろう。


 髪は短く、キツイ印象を与える顔立ちは、あまり彼女とは似ていない。女手1つで娘2人を育てる大変さが、全身から滲み出ているのだろう。


 俺はコーヒーだけを頼んで、自分の今後について考えてみることにした。


 まずは就職。これは、鈴木の力を借りるかどうか、悩む。もし、彼女と付き合えるなら、彼女を幸せにするために、鈴木の力を借りてもいい。

 だけど、彼女と付き合える保証はない。だから、今の段階では決められない。


 当面の課題は、バイト探しの方だ。これは、早めになんとかしないと、彼女にも会えなくなる。

 彼女に会う時間を確保するためには、夕方以後のバイトがいいだろう。できれば、土日が休めれば最高だ。


 スマホで、バイト探しのサイトにアクセスする。条件を入力すると、該当するバイトが何件も表示された。

 時間帯的に、コンビニやカラオケボックス、ファミレスのバイトが多い。そんな中、俺の目を引いたのは、ビル清掃のバイトだった。


 以前、コンビニのバイトに応募した時に作成した履歴書を添付して、俺はビル清掃のバイトに申し込んだ。

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