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ハロウィーンの夜

作者: 己奴 春惡
掲載日:2018/11/09

ハロウィーンのその週末に、都心では祭とは程遠いお祭り騒ぎが催された。人々は奇態な衣装を身に纏い、我先にとその衆合へと駆けつける。

群衆は装飾され、踊り出すように、蠢く百足のように、あるいはのた打つ龍のように、ずるずると街路に流線を形作る。用意は出来ていた。


まず監視カメラというものがいかに無力か、私は喧騒の中をホラー映画に出てくるキャラクターマスクを被りながらつくづく感じる。皆が異様なのだから私も正常なのだ。

ポケットにダイナマイトの形を模した爆竹を忍び込ませ、雑居ビルの中へと私は吸い込まれてゆく。事前に監視網の薄そうな死角は把握しておいた。それに今の私はマスクマンなのだ。醜い顔を隠す必要のないマスクマン。

蛍光灯がぼんやりと照らす薄暗い階段を登り、誰ともすれ違うことなくビルの屋上を目指す。鍵など壊してしまえ!えいっ!

そして私は屋上へ出た。爆竹は全部で十本ある。これらに一斉に点火して屋上から群衆へと撒き散らす。私は逃げる必要などない。


投擲された爆竹は、触れただけなら軽度の火傷で済むはずだ。さて、様子を見てみようか。


バチバチバチ!キャーキャーキャー!

何だ?!何だ?!何だ?!


人々が騒動から逃れきれずに薙ぎ倒される、ドミノのようにガタガタと。

私は十分楽しんだ。上から見下ろして、そして堂々とビルから出て行く。テロルの祭囃の中へと。

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― 新着の感想 ―
[一言] お久しぶりです。年明けということで(←?)、読みにまいりました。 桃太郎がおもしろかったのに、なぜかこちらに感想を ―― ……せめて、青果店で購入した安全な不審物を書店のアングルの画集の…
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