捕虜奪還作戦
まず、ウィンディーネを召喚し仲間全体とジール共和国の精鋭特殊部隊1万人にステータスアップを行う。
「水を統べし女帝ウィンディーネ!!戦争だ。俺の仲間を祝福をしてくれ!!」
ウィンディーネが現れる…。
「また呼び出したと思ったら、兵士1万人にも魔法かけるの?MP消費がすごいことになるけど、いいのー?」
やっぱりそうだよな。人数分のMPはいるよな。潜入中に戦闘になったら終わりだけど、作戦成功可能性を上げるためにはステータスアップは必須だ。
ジール共和国のB・Cランクで構成された1万人の精鋭部隊をステータスアップすればかなりの戦力アップが見込める。剣聖や賢者、バトルマスター、大魔導士、魔法戦士、大神官といったジール共和国が誇る精鋭がまだ無傷で残っている。これを使わないという選択肢はない、ウィンディーネの強化魔法でステータス1.3倍になれば、剣聖あたりならAランク下位でも相手ができるようになるだろう。
「ウィンディーネ。勿論、俺がMPが激減するということも覚悟の上だ!!祝福をお願いする!!」
「あらー覚悟はできているわけね。リスクテイクする男はかっこいいわ…。それじゃいくね!!」
「世界創造をする魔力の結晶を、慈悲の光として与えん汝に捧げる己が生命!Soul reinforcement!!(生魂強化)」
俺の仲間全員と、ジール共和国の精鋭特殊部隊が黄金の光につつまれる…。
脳内から機械音が流れる。
「一定時間ステータス1.3倍となりました。」
俺はMPの大量消費により立ち眩みとなりながらも、ドラゴン大帝国の兵士の服を着用後、魔王軍に指示をする。
「ふぅ…、よし準備は整った。ただいまより作戦を開始する!!」
「「「おおおおおおおおおお!!」」」
直後、ユリルとルシファーの詠唱が始まる。
「極寒の伊吹で卑劣な作戦をとる敵本陣を光なき世界に閉じ込めよ!!氷系最上級魔法ブリニクル!」
「我、魔界の帝王が命じる。この広大なる宇宙の星々よ!!我の命に従いドラゴン大帝国に星を落としたまえ!!【流星!!】」
戦場が氷の世界になった後、宇宙より隕石が地上に降り注ぐ…。
「「「ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!」」」
隕石が降り注いだ先がクレーターとなり、敵本陣の兵士を消滅させていく…。
俺は捕虜奪還に向けて高速移動し始めたが、ルシファーの【流星】の威力に唖然とする。
おいおい何この星落とし…。次元が違いすぎるんだけど…。
前にルシファーとタイマンしたときに、この【流星】使われたら余裕で負けてたな…。ユリルに続いてルシファー、本当に味方デヨカッタネ…。
敵がユリルとルシファーの攻撃に混乱する中、俺はさらに敵本陣の中に入り込み、捕虜がいる場所へと到着する。
意外と余裕だったな…。【ブリニクル】と【流星】のおかげだな。そして前世における敵陣潜入のカリスマ、スネイク先生の動きを見ていてよかったぜ!!
そして檻の中に捕虜として捕らえられている、ルフェの近くに行き、小声でささやく。
「ルフェ助けに来たぞ…」
「……!!!!まさか…!!先生?!」
「よう!!助けに来たぞ!!まぁ詳しい話は、救出成功後に話そう!!」
俺は高速で捕虜がとらわれている檻を破壊し、ルフェと共に離脱を開始する。
他の捕虜については自力で撤退してくれ。まぁこの混乱状態の戦場ならなんとかなるだろう。
俺一人なら、すぐにこの戦場から離脱できるが、ルフェと共に離脱しているため、時間がかかっている。
ユリルの氷系最上級魔法【ブリニクル】は継続して、攻撃を行っているが、ルシファーの【流星】は止まっている。おそらくMP切れだろう。こんな異次元の破壊力をもつ魔法など連発できないのだ。
ぐずぐずしていたら、追ってが来てしまうな…。離脱ペースを速めよう。
「先生、もし危なくなったら俺を捨てて離脱してくださいね。」
「おいおい。お前を助けに来たんだから最後まで面倒は見るぞ。お前を捨てて撤退など選択肢としてない」
「せ…先生」
そして戦線離脱が残りわずかというところで、俺の存在に気が付いた「強者」がいるようだ。
「ルフェ。俺の存在に気付いた奴がいるようだ…。お前は先に離脱しておいてくれ」
「いや、俺も戦います。先生の訓練で俺も強くなりました。そんじょそこらの兵士には負けませんよ!!」
「いや、俺の気配を察知した奴は、そんなレベルの奴ではないんだ。間違いなくAランク級の敵。残念だがルフェがいると完全に足手まといになる」
「Aランク!!…そうですか。わかりました、先に離脱します。先生ご武運を!!」
俺はルフェを逃がすため立ち止まり敵と対峙する。
爽やかな好青年風の男が剣を抜き話しかけてくる。
「ウチの軍服着た奴が、敵国の捕虜を連れて戦線離脱しようとしているので、確かめにきたら、これは収穫だったな…。そして、あなたは人間ではなさそうだ。ヴァンパイア?ジール共和国の最高戦力であることには違いないな。データにはなかったようだけど。」
「お前は誰だ?」
「それはこっちのセリフでしょう。ウチの軍服着てるんだからさ。…というか、なんだこの感覚は?!この殺したい衝動は…。」
相手は人間である。しかし何だろうこの感覚は、こいつの言う通り「こいつだけは殺さなくてはいけない」という気持ちになっている。遥か昔から敵同士として死闘を宿命づけられていたような感覚…。
「魔王か…。」
「なるほどそういうことか。お前は勇者なんだな。」
「あぁ、俺は勇者だ。こうなったら生かしてはおけない。ここで死んでもらう。」
その直後、勇者のパーティーらしき者も到着する。
「おい!!お前らこいつは魔王だ!!直ちに討伐を開始する!!」
そして魔王VS勇者一行との戦いが始まった。




