国王
全員の疲労が回復した昼頃、ジール共和国に向けて行軍を再開した。
全回復しており、行軍スピードは早くジール共和国の本陣へは2時間程度で到着できた。
すぐに総司令官の下へ行き戦争報告をする。
「なんだと?!それは真か?!敵の中核、145師団大量虐殺部隊10万を皆殺しにしただと?」
「はい。大量虐殺部隊はこの世から消滅いたしました。生き残りもほぼ皆無でしょう。」
「なるほど…。開戦当初は全面戦争だったが、途中からドラゴン大帝国の方が撤退し始めてな。どういうことかと思ったがこういうことだったか…。おかげで自軍の戦死者も700名程度に抑えられている。此度の遊撃隊としての活躍、心から感謝する。」
「当初の予定通り遊撃隊としての責任も果たしましたし、このまま戦争を離脱しサンマリノの町へ戻ろうと考えております。」
「そうか…。もう少しだけ共に戦ってもらいたいのだがだめか?勿論、それ相応の褒美を出すが…。」
「必要としていただき感謝しますが、失礼を承知で言います、我らの目的は安全に戦争参戦することです。これ以上の戦いは危険と判断し撤退します。」
「そうか、残念だな…。しかし145師団を殲滅したことは我が国の勲章に値する活躍、この戦争が終われば必ず褒美を出す。」
「感謝するのはこちらもです。ジール共和国の軍隊を隠れ蓑にしながら、敵を奇襲し莫大な経験値を得ることができました。」
「そうか。気が向いたらいつでも戦争参加してくれ。心より歓迎する。」
「はい!!」
そうして俺たちはサンマリノの町を目指し帰還する準備をする。
準備中ルシファーが話しかけてくる
「魔王様よ、もう戦争は終わりかい?俺は暴れ足りねーぜ。」
「あぁ、終わりだ。俺達の目的は戦争勝利ではなく冒険者組合の依頼の達成と経験値取得が目的だからな。どうしても戦いたいならユリルとでも戦ってくれ」
「いやいや、ユリルって…。進化前ならともかく今のユリルに勝てるわけないだろ…。てか魔王様と俺の二人でやっても勝てるか微妙だぞ…。今回は我慢するが、次の戦闘はサポート役は勘弁してくれよー。」
我慢してもらうしかないな…。
いや…味方の前線に混じってルシファーの広範囲魔法「流星」打ち込んで即撤退くらいなら別にいいか…。
人間を殺すのは気が引けるが、ここは戦場だ。俺が殺さなかったら、ジール共和国の誰かが殺されるだけだしな…。
俺は決意し、ルシファーに提案する。
「約束を必ず守るなら一発だけ敵陣に攻撃していいぞ?」
「さすが魔王様!!そうこなくっちゃ!!約束って何?」
「味方の前線に混じって敵陣に広範囲魔法流星を放ったらすぐに撤退すること!!守れるか?」
「余裕だぜ!!それと流星を放つとき人化を解いて悪魔の姿にならなきゃいけないけどいいか?」
「そうなのか…、まぁやむ得ないだろう。」
…少し心配だな。俺もついていこう。
☆
総司令官の所に再度向かい強力魔法を使用後、即戦線離脱することを説明する。
「これは願ってもない話だ。つい先ほど、最前線で大規模な衝突が始まったという情報が入った。そして流星?という魔法は聞いたことないが、敵の中核を殲滅した者が放つ魔法はさぞかし強力なんだろうな。」
うわぁ…目がキラキラしてる…。総司令官の期待値は半端ない。俺が用件を終え帰ろうとすると総司令官に呼び止められる。
「貴殿には言わなければならないことがある。」
「はい。なんでしょう?」
「私は総司令官ではあるが、ジール共和国の国王でもある。すべての権限は私にある。この戦争が終われば伯爵の地位と金銀財宝を貴殿に与えることを約束しよう。」
なんと国王だったか!貴族上がりの司令官と思いきや国王か。戦う国王…かっこいいじゃないか!
報酬か…、伯爵の地位も金も今のところいらないな。
そもそもジール共和国の中で欲しいものはないな。しいて言うなら剣聖ぐらいだ…。
いや、剣聖はいらないか…。メンヘラは魔王軍には不要である。
「国王様とは知らず数々のご無礼お許しください。報酬の件ですが今は欲しいものが思い浮かびません。とりあえずは不要ということにしておきます。」
「そうか…。だがいつでも何か欲しいものがあれば言うがよい。出来る限り叶えよう。」
「ありがとうございます。それでは早速、仲間と共に前線に向かいます。」
そして魔王軍はジール共和国がドラゴン大帝国と衝突している最前線に向け出発する。




