魔王VS剣聖
決闘と同時に女剣士が斬りかかってくる。
「俺は反撃しないからしばらく攻撃どうぞー」
「泣いて詫びても許さないぞ!!疾風剣!!」
「遅いなぁ…。これが疾風剣?!心地よい風じゃないか。風圧いいねー。」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!五月雨斬!!」
「それが五月雨斬?!そんな弱い攻撃ではヒットしてもかすり傷すらつかないよ?」
「くそっ!!不動散華剣!!」
女剣士の連続攻撃を余裕で回避し、さらに挑発する。
「こんなものか?!遅い…遅い…遅すぎるぞ!!」
「殺す!!」
女剣士が俺から距離を取り必殺技を放つようだ…。ついに来るか!!そう俺はこれが見たかった。
「先祖代々より受け継いだ秘技今こそ見せよう!!すべてを斬り裂け塵と化せ!!天華百剣!!」
女剣士のステータスを遥かに越える攻撃力・スピードが産み出される。
「おぉ!!これはすごい!!」
これだけのステータス差があるにも関わらず俺の鋼の身体が切り裂かれていく…。
…だが残念。女剣士の元々の攻撃力が低すぎるのか、俺の防御力が高すぎるのか…、致命傷にはならない。
大型怪獣牛鬼の強烈な右ストレートに比べれば蚊に刺されたレベルである…。
「うっ嘘!!私の必殺技を受けてまだ戦えるだと?!」
俺は「少し硬そうな木」を握りしめ、今見た天華百剣を再現しようと試みる。
「俺が、天華百剣の手本を見せてやる。いくぞ天華百剣(仮)!!」
凄まじい速度で天華百剣を放つ。
「これは天華百剣!!しかも私のより数段上!!そ…そんな馬鹿な!!ぐあああああああああああああああああああああ!!」
女剣士の血で綺麗な血の華が咲く…。
女剣士を両手を切り落とし、身体全身を切り刻み致命傷を与える。
俺は、天華百剣のあまりのダメージにドン引きする。そして脳内より経験値取得のお知らせが流れる…。
ヤバイ!!女剣士が死んでしまう!!
「ユリル!!女剣士にパーフェクトヒールを!!」
「分かりました!!生命の雫よ、この者を全快させたまえパーフェクトヒール!!」
女剣士の身体が全回復していく…。
「これ、木じゃなかったら死んでただろ…。すごい技だ。」
そしてその直後
「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」
会場から凄まじい大歓声が起こる。
「剣聖相手に何て奴だ。圧倒的じゃないか!!」
「木だぞ?!木で我が軍最強の剣士に勝ったんだ!!」
「このような者が味方で戦ってくれるのか!!」
「この戦争は勝ちじゃ!!」
「ドラゴン大帝国恐れるに足りず!!」
「最後の魔法、パーフェクトヒール?!そんな最高魔法使える奴がいるのか?!」
「もしかして、あいつは勇者か?!」
「その取り巻き含め勇者一行?!」
「勇者に違いない!!」
勇者の大合唱が始まる…
「「「勇者!!勇者!!勇者!!勇者!!勇者!!勇者!!勇者!!勇者!!勇者!!勇者!!勇者!!勇者!!勇者!!勇者!!勇者!!」」」
勇者じゃなくて、その真逆の魔王なんだけどね…。見習い勇者のミランも苦笑い。
まぁいいか。
総司令官が会場に来て話始める。
「この勇者一行を見よ!!我が軍最強の剣聖を一瞬で蹴散らした実力!!そして瀕死の剣聖を全回復したスキル!!この者たちが今回の戦争で味方として参戦する!!ドラゴン帝国など恐れるに足りず、勝利は我が軍にあり!!」
会場より怒号に近い歓声が上がる。
「勇者一行万歳!!」
「勝てる!!この戦争は勝てるぞ!!」
「ドラゴン帝国を蹂躙しろ!!」
「ドラゴン帝国の兵士は俺が皆殺しにしてやる!!」
「この戦争が終わったら俺は結婚するんだ!!」
「勇者様!!俺を抱いてくれ!!」
あれだけ低かった士気が最高潮だ。
人的・戦力的に不利でもこれだけ士気が高ければ一方的に蹂躙されることもないだろう。




