冒険者組合
次の日、魔王軍の歩く知恵袋ことルシファーを呼び出し、ここ数日間の出来事について報告する。
「ちょ!!マジかよ!!妖怪総大将ぬらりひょんと遭遇したか!!そして序列四位の牛鬼とも戦ったのかよ!!マジでよく無事に帰ってこれたな…」
ルシファーの表情が驚愕に染まっている。
おいおい、序列四位って牛鬼より強い奴が三体もいるのか…。
「無事じゃないけどね。今は自動回復で無傷だけど牛鬼にいいのもらってさ、危うく死にかけたぜ…」
「いや、それにしてもだ。その妖怪軍団と魔界は昔戦争をしたことがあってだな、数の上では妖怪軍団10万VS魔界軍団2500万と魔界軍団が圧倒的に優位であったにも関わらず、敗北し滅ぼされかけたんだ。」
「それだけ戦力差があっても勝てないのかよ。どんたけ妖怪軍団は強いんだ?!」
「まず、妖怪軍団は総大将のぬらりひょん。こいつはスキルもそうだが、ステータスもずば抜けていて、まず勝てない。神の領域の強さであり、魔界でも暴れまわっていた。他には妖怪軍団四天王だ。序列一位の大蜘蛛、序列二位の酒呑童子、序列三位の天逆毎、序列四位の牛鬼どいつもこいつも次元が違う強さだ。この四天王以下は強いやつも中にはいるが、広範囲魔法で殲滅できる程度であり大したことはねぇ。」
「へーさすが詳しいな。ぬらりひょんはともかく四天王の一人でも引き抜きできないもんか……。」
「いや、仲間にするのは無理だろ。大蜘蛛は戦闘狂の超大型怪獣。牛鬼はそもそも会話すらできない猛獣。天逆毎はぬらりひょんに陶酔している。酒呑童子は見た目は人間と同じだが、冷徹非道すぎて仲間というのは不可能だな。」
「ふーん。そうかそうか…。戦うメリットがなさすぎるな…」
「妖怪軍団は基本的に中立だ。まぁ遭遇しても逃げに徹していれば、戦うことはないから、その点については安心しろ。」
本気になれば魔王軍で妖怪軍団四天王なら倒せそうだが、間違いなく途中で最強のぬらりひょんが出てくるだろう…。
こいつらとは一生戦うことはなさそうだ。
☆
ルシファーとの雑談が終わった後、俺は冒険者組合に行く。目的は勿論依頼報告だ。
「えっと受付、受付と…」
あれ窓口がユキチじゃないぞ?!この初々しさ新人か?!
「冒険者の方ですね!!ご用件をお伺いします!!」
「今日は依頼達成の報告に来たんだ。この報告書を確認してくれ」
俺は報告書を提出する。
「かしこまりました只今、精査して来るので少々お待ちください。」
俺は嘗め回すように新人の身体を上から下までチェックする。
顔は少し可愛い程度であるが、なかなかいいじゃないか!特に恥じらいと初々しさがある、これは高評価だぞ!
まずは、ご飯にでも誘うか。Aランクの冒険者様が「冒険者」とは何たるかを教えてやろう。
しばらく、待っていると奥から、見慣れた受付嬢が来る。
「Aランク冒険者様の担当に粗相があってはいけないので、私ユキチが対応します。」
「えぇ?!あぁ。そう…。」
くっ…でやがったか。妹をオオカミの手から守るお姉ちゃんと言うべきか、新人の代わりをする年増のババアお局様というか…。
歌舞伎役者も顔負けの睨みを俺に向けてくる…。ナニコレ威圧効果スキルでもあるの?!
俺は威圧されている!!
「精査がおわりましたので報告いたします、報酬は100G(1,000千円)です。」
安い…、安い…、安すぎる…。大学の教官の月収より少ない…。
いや、金じゃない…。召喚獣も得たんだ。決して無駄ではなかった。
そして帰ろうとすると、冒険者組合支店長から呼び止められる。
「おう!!来てたか、ちょっと話がある!!ドラゴン帝国との戦闘準備で忙しいと思うが、ちょっと来てくれ」
俺は支店長室に入りいつものソファーに腰を掛ける。
で、話と言うのは?!
「話と言うのは大学の教官についてなんだが、お前の働きについては教職員一同、非常に高い評価を得ている。そして学生からも非常に支持されている。まだ教官を続けてくれないか?!」
やっぱりか…。まぁ他の教官とも仲いいし、学生とも上手くやれている。大学の教官をすることに不満はないが…
「過分なお言葉どうもありがとうございます。大学の教官は非常に楽しく、私自身勉強になる部分も多かったです。大学の教官を続けたいのはやまやまですが、私はドラゴン帝国との戦争後はこの町を離れるつもりです。そのため大学の教官を引き受けることはできません。」
「そうか…、それは残念だ。まぁAランクの冒険者がこの町に留まり続けるというのもおかしな話だもんな。まぁお前の夢を追いかけて頑張ってくれ!!」
「はい、ありがとうございます。支店長をはじめとした町人の方々は私を優しく受け入れてくれました。この恩は決して忘れません。それと俺の後任の教官に推薦したい人物がいるのですが…。」
「ほう。推薦か?!それは誰かね?!」
「俺の銀行のサンマリノ支店長をしているメグです。メグは個人のステータスも高いですが、統率力も非常に高いです。トップクラスの学生から下位クラスの学生までどのクラスでも担当できるでしょう。そしてメグの教育を受けた学生は優秀に育ち将来活躍していくことは間違いありません。」
メグならいい教官になれるであろう。
俺は女性活躍推進が好きなのだ。男が多い教官の中で活躍して欲しい。
「エクレアーヌ=メグか…。確かステータスはEランク以下だったはずだが、いやお前が言うんなら間違いないんだろうな。」
「はい、今のメグはステータスはC+でこの町では支店長と並び最強です。個人としても高い能力を持っております。」
「くっくく…、規格外の近くにいると周りまで規格外になるんだな…。分かった!!お前の後任はエクレアーヌ=メグで進めよう!!それと、旅に出て寂しくなったら、いつでも帰ってこい。この町は常にお前を歓迎する。」
そうして俺は支店長室を後にした。
次はドラゴン大帝国との戦争だな…




