ギリギリアウト!でもセーフ
こんばんわ。
イチが浴槽に入り、イチの泡を洗い落とす所を眺めるイチ。
「もう泡が無くなったな。俺、先に上がるから朝の汗でも流したらどうだ?」
イチが浴槽から、上がろうとしているところに『ちょっと待って!』と呼び止め……咄嗟に声を出してしまうユウナ。
「ん?」
「わわわわ私ももも!ソコに入るわ。……ハァ」
なんだ?そのタメ息!と突っ込まないのがイチの良いところでも有り悪いところでも有る。
イチは論理的に反論する。
「入れるわけ無いだろ。狭すぎる。」
そんな事で、引き下がれないユウナ。押し倒す心が折れたものの、イチの目の前で泡……もとい身体を洗い落とすシーンは本人でも『堕ちたな!』と思い込んでいる。
そして『実は』から始まり
「私の風習で初めてのお風呂を入る人と一緒に入らなければならない!という決まりがあるの。」
「だから、狭いカモ知れないけど……」
『シカタナイから入るわ』と言い、出ようとするイチを片手で押し戻してから薄着を脱ぎ出した。
「……」
「……ふぅー。」
「ひゃあ!」
「なっ!?……どうかしたか?」
「突然、うなじに鼻息かけないでよ。」
『だって』と言うイチの状態は、底辺にイチが足を伸ばしてくつろいでいる。イチの足の上にユウナがチョンと乗っている。
簡単に言うと、ユウナの背中をイチに預けている。
「風呂は気持ち良いから、タメ息は出るモノだろ……やっぱ近いぞ。」
「シカタナイでしょ。浴槽、小さいんだもん。」
「なあ?手がしんどいから、乗せて良いかな?……ん!?」
「う!ふぅぅっ!」
「何か、殺気を持った奴らが近付いてくるぞ!」
イチは咄嗟に守る騎士風に抱き寄せる。
「ユウナ!分かったぞ。男が二人・女が二人……ユウナの部屋の前で止まったぞ!」
「……」
「ユウナ!返事しろよ。のぼせたのか?」
「もう!!」
いてもたっても居られず、ユウナの細い腰に手を伸ばし力を入れて、脱衣場へ行くと『風よ!我らの身体から水を遠ざけろ!ヒュードライ』
ユウナの長い髪の毛と水滴が一瞬で乾く。
「よし!」
「……」
実は、イチが『手がしんどい』と言ってから『ん!?』と何かに気付いた時にイチの両手はユウナのお尻をガッシリ掴んでいた。
更に浴槽から出るときは、右手で細い腰に左手を胸の上からガッシリ掴み、滑らない様に浴槽から出たのだ。
で
現在、ナニか……動かないユウナに耳を近付けるとボソボソと聞こえて来る。
「誰にも触られたこと無いのに。両手で、コネコネコネコネコネコネコネコネ……。」
「……コネコネされ、されて胸もコネコネ?」
「いや!胸は片手でコネラレたのかな?」
ボソボソがほぼ言っている内容は『コネコネ』であった。
とりあえず、此方へ戻って来て欲しいので服を着て『サンダースネイク』と唱える。
「おい!おい!!」
「なぁにアナタ……あっ、あああぁぁぁ!!」
「もう一発強いの行くか。アサシンライトニング・エボル・ドラゴンクロー」
アサシンライトニング・エボル・ドラゴンクローとは、人の三倍程の大きさのドラゴンが出てくる。人の三倍のドラゴンは極めて小さい。
遠距離から仕様するのが普通。出現時は、クラウチィングスタート姿勢をして飛び出して行く。
……小さくて良い!なんせ、人一人殺る為の指定魔法。
死ぬ率百%の稲妻が、ナイフの様に相手の身体を貫く!人の三倍……チリ一つ残さない。
振り向いたらバチバチ!と青い雷が鳴り、青く鱗光る竜が目の前に……しゃがみ込んで
「!!」
「せぇっ!!」
『フッ。避けれると思ったよ』と爽やかに言うのだが、一気に臨戦態勢に入ったユウナからドッ!と汗が流れ落ちている。
ユウナは甘い想いから、命のやり取りへとぶっ飛んだ。
「あんたバカぁ?!死にそうだったじゃ無い!」
「物凄い音がしましたが。ユウナ様!大丈夫ですか?」
「だから、言ってるだろ……ナニかが近付いてくるって。」
「それに、ギリギリ当たる様に命令したから当たらないよ。」
「でも、当たるんだよね?」
「致命傷では無い!って言ってる!」
「怒ってるの!?」
「怒りたいのは私だから!だいたい、この私が全裸対応していて何もしないって、アンタそれでも男なの!?」
「分かった。」
「え?……ちょっ!ちょっ!」
……
「はぁー。」
俺は今、女子寮の周りの草むしりをしている。なんでも女子寮は男子禁制だそうだ。
更に言えば、研修中は男女の交際は一切が禁止である。
今回は、ユウナが
「実は、貧血を起こしまい運んで来て頂いた事。そして、私が浴槽で転けそうになって支えてくれました。」
そんな必死さが伝わったのか。女子寮周囲の草むしりで罰は終わった。
朝から晩まで、丸三日間草むしりだ。丸三日間と言ったが理事長が三日間もあれば出来るダロウとの予想。
更に『たった三ヶ月。ですが、子供も三ヶ月で判明しますよ……お気を付けてくださいね』と笑って言われた。
草むしりを黙々とする。
「きりがないな。」
(むう!大地を焼いて、草を根絶やしにすれば草なんぞに苦労しないのに……)
明日もよろしく




