ソルジャーミッション
こんばんは。
「……お……おい!おい起きろ。緊急招集だ起きろ!」
ライが俺を体を揺らし起こしてくれる。艦内は特殊なアラームが鳴り響いている。
このアラーム、俺は聞いたことがないのだが、何故か一度聞くと何の緊急音は、全ての緊急アラームを把握している。
俺達、約四十名程の隊となってるいるのだが、実際動く時は一人一人が自分の考えで動き、上官の指示のもとで隊なのか、単体で動くモノなのかケースによっても違う。
「今緊急一報が入った!キュウナナ星付近で、民間機が海賊に襲われている。宇宙警察で対処していたのだが、海賊は独自に開発した化物……通称スライムが暴れ回っているらしい!」
「よって、警察はお手上げ状態だ!」
(え?スライムだってぇ??)
「野郎共!!キュウナナ星から臨時給料が出るぞぉぉ!!弾丸のように突っ走るのだぁぁ!!」
俺を含めた戦士が『うおぉぉ!』と叫んでしまう。やはり、提督が演説および解説すると何故かテンション上げなきゃ……場を盛り上げなきゃって、たぶんインプットされている。
「では……お前達は個人艦に乗り込み特攻するがいい!」
提督の粋なはからい?……本当に喜んで良いのか不明だが、俺も含めた奴等が『ヒャッホーイ!』と子供の様にはしゃいでいた。
因みに[個人艦]というのは、名前の通り一人が乗り込み操縦し銃器も撃てるしワープだって出来る。何が出来ないかと言うと、[帰り]の燃料が無いのだ。
[帰り]の燃料が無いのに何故こんなにもハイテンションなのか?……そんなん知りません!それが、ソルジャーだと私は信じたい。
彼等の中の[帰り]は、奴等の指揮権を奪い奴等の海賊艦を拿捕・制圧下に置いて、奴等の艦で通信をするというのが[普通]として組み込まれているからである。
「イチ!俺は先に出るぞ。臨時給料は俺の物だぁ。」
「やけに嬉しそうだなライ。もう、買うものが決まっているのかな?」
「おう!聞いてくれ。」
「俺には、あの時から猛烈にパンツとブラジャーを手に取りたい願望が何故か出てしまった。だから、臨時給料で全てをパンツとブラジャーに注ぎ込んでやる!……
そして、カプセルに詰め込んで寝るんだぁ。きっと良い夢が見れるに違いないと核心しているぅ」
(ああ。お前様がパンブラなのかい。)
艦からは小さな個人艦が『ドシュッ』と音が次々へと出て行かれる。
見守る者が。
「……行ったか。」
「ハ!」
「で、今回の収集はどれくらいになる?」
「帰還ゼロですと。……二千万ペニーです。」
少し溜息をしてから間を開けて
「もっと量産して、極悪でもナンデモ良いから安く作って、星の緊急に命を投げ出した戦士として謝礼金が出るからなぁ。……
では、最初の奴が到着してから一時間後、小型スターブレイク砲を発射させろ。」
「ハ!」
……
「イチ?何があるのか楽しみだな!」
ライの音声からは、はしゃいでいるのからかパッと見で分かる様に、小さな艦がガタガタと揺れている。
「そんな暴れていると、目的地に着けなくなってしまうぞ?必要としない燃費が重なったり、何かの拍子でワープ中に銃器を使うと事故に繋がるそ。」
「御忠告どうも!……そうだな。」
「ライ?聞きたい事が有るんだが。」
「何だ?!」
「……スライムとは何だ?」
「なあぁぁんだ!!スライムかよぉぉ」
「俺はテッキリ!民間機に入ったら、女性の下着狙っているから[横取りするなよ!]って言われるのかと思ったよ。」
「そんなモン!いるかぁ!」
ライの音声からは、俺の怒りは伝わらず『あー良かった。お前には勝てる気しないからなぁ』と聞こえている。
「ってか!お前から何に勝てるんだよ俺は!?」
「……って!勝とうとも思って無いからな!」
長い間ワープを皆さんしている。皆さんは、自分の今回の生き死によりも『任務を与えてくれた!』という気持ちが一杯みたいで嬉しそうに話すのだ。
ただ、やはりというべきか少数ではあるが
「俺は自由だぁ!……皆、俺は抜けるじゃあ。」
コイツはカプセルのコードをいじっていた奴である。名前はラライで由来は、ライの隣だからという意味だそうだ。もちろん、ラライの隣はララライと言う。
……適当な名前なのだが、皆誇り気に自慢している奴もいた。
一人抜けた事で、数人が次々と抜けて行った。そんなの気にもせず、俺達は民間機救助へと特攻していった。
『ガゴッ』と海賊艦に体当りをしている俺達
「よお。出てくるのが遅かったなぁ」
「いや。お前先に出たんだから当然だろ。」
いきなりライが走り出す!慌てて俺も着いて行くのがやっとだ!……それほどに奴の走りは早い!奴もソルジャーなのだと気付いたイチだった。
(早い!……まさか!?)
「お前、まさか!?スライムを避けて敵の操舵手に向かっているのか!」
「へん!俺に着いて来なぁ。俺の鼻はピカイチ何だ……絶対に間違いは無いぜ。」
何と頼りになる奴!そう思って懸命に走るライを追いかけていると、ライはある扉の前で止まり『ここから匂いがプンプンするぜ!』と漢らしい声を出している。
そして、開かれた
「ここは?……ロッカー。まさか!?武器庫か」
「ああ。武器だぁ……最強になれる武器がスヤスヤと眠っているんだ。」
このロッカーは鍵付きだった。『くそ!鍵が掛かっている!』の答に『急ぐなイチ!急いだら負けだそ?』とカッコイイ大人の雰囲気をかもし出しているライ。
ライは、電子ナイフと取り出して『待ってなぁ……』と話ながらナイフの先を鍵穴にグリグリしている。
さながら、時間は目一杯あるのだが限られた範囲の中でやる仕草はそう!時限爆弾の様に慎重でライにはツブツブの汗が見えるのだ。
そして……
「開いた!開いたぞ!……フゥ。」
『カチャッ』と音と共に、俺が大きな声で歓喜を上げると『ハハハ。敵艦の中だというのに』とキラッと輝くような仕草をする。
イヤ!汗と共に白い歯もキラッとなったんだ!
そして、ロッカーに手を入れ武器を取り……
パンツが出てきた。
「いやいやいやいや。武器を出せよ!」
「慌てるな。お前には言って無かったんだが……俺はコレを被ると、戦闘能力五十三万になるのだよ。」
「……へえ」
ライはピンクのパンツを被り『俺の力を見よ!』と言い出すと、『とわぁー!』と言いロッカーを殴った。当然ロッカーひしゃげる。
というか、俺等に対したらロッカーを殴ったらパンツ被って無くてもロッカーをひしゃげる力くらいは十分にある!なんたってソルジャーなのだから。
ロッカーがひしゃげる音は凄まじく五月蝿かった。
そして、来てしまった
「銀河宇宙軍第十一軍艦隊の諸君!加勢に来た!安心してくれ。私達は宇宙警察だ協力して……」
しばしの時間が流れた感じがあった。
そして、宇宙警察に捕縛されました。
(ライよ……俺達はいったい何をしに来たんだろうかな。ライよ……パンツを剥がしてもお前の戦闘能力は五十三万だよ。ライよ……パンツ剥がされたくらいで足腰立てないのか。)
銀河宇宙へ連れ込まれる時
「スマン!」
「別に……いいさ。」
「本当にスマン……俺だけ被ってしまいすまなかった。」
「お前はパンツを被って無いが……泥棒の仲間なのか?」
イチは、身の潔白をする為に首を横に振る。
「本当にすまなかった。ロッカーには一枚しか無かったんだ!……俺と間接キスは嫌だろうから」
「ああ。嫌だね!」
俺の言葉が[確定]になったのかどうなのかは分からないが、突如『確保!』と聞こえて来た。
……
俺達はアレヨアレヨと、宇宙警察艦内で牢屋に入っている。全ての武器、全ての武器になり得る服も没収となってしまった。
更に言えば、俺達の最終兵器の連鎖型小型爆弾も検問に引っ掛かってしまい抜き取られた。
俺達の[最終兵器]とは、もし敵に落ちてしまった時自ら命を落とし情報を隠蔽する役目もあるし、敵をも抹殺することも出来る威力の高いカプセル型爆弾と聞いている。
「はぁー。まさか、あのぶっとい注射で体内のカプセルと取り出すなんてぇ……たまんない。」
「お前、雰囲気変わったな。」
「そうなの!恐らくあのパンツは、オネエのパンツよぉ。私ったら、繊細だから影響受けちゃって。もぉ……ヤダァ。」
「お前……ちょっといっぺん死んでこい。」
「怖い。ねぇ?私寝るけど、襲わないでね。」
ありがとうございました。明日もよろしくです。