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過去の転移者

リュウさんが言うには、過去にもこの世界には"ムコウ"の世界から人間がやって来たらしい。

前に来たのが、自分が来る三年位前で、二年程いたらしい。


彼は、かなり問題があり、死ぬ事をまったく恐れていなかったそうだ。

その為、リュウさんは先ず、彼に命の尊さや、生きる事の素晴らしさを教えなければならなかったが、まったく響かなかったらしい。

それどころか、彼は農具の鎌を持ち出し、警察に戦いを挑んだという。

警察が放つ矢は、実は毒矢で、かすっただけで死に至るらしい。

それでも彼は恐れる事なく、警察の何人かに重症を負わせた。

困り果てた警察は、吹き矢による毒針で、暗殺を計ったらしい。

毒針は、腕をかすめたが、あらかじめ解毒薬を用意していたリュウさんが、助けたそうだ。

その事が、彼を徐々に変えていったという。

「後にも先にも、あれほど骨を折った者は、おらんかったですじゃ」

とリュウさんは、しみじみと語っていた。

正に、生きて戻れたのは、奇跡だと言っていた。


そもそも"コッチ"の世界に来る人間が、無事に生還する確率は、30%位らしい。

そのほとんどが、コッチに来て、すぐに間引かれるそうだ。

何故ならば、リュウさんの様に永世名誉特級職に付いていない人に保護された時、初めの暴言で間引かれるからだ。

そう考えると、自分は凄く運が良かったと言わざるを得ない。


それにしても、そんな極悪人みたいな人間が

生還出来たのに、自分はどうやったら戻れるんだろう?

「簡単な事…この世界で普通に生きていける様になった時…ワシの経験上、そういう事ですかの?」


この世界で普通に…

本当にそんな風に変われるんだろうか?

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