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始まり

ふわり、花の匂いで目を開けた。

目を開けた先は、もうあの白い空間ではなくて、大きな西洋風な建物に桜並木。制服に身を包んだ人、人、人ーーー。



んんん?ここはどこかな?!どこもかしこも見覚えのないものだらけ!

あ、もしかしてここが神様の言ってた乙女ゲームの世界なのかな!

わぁ~!大きな建物。立派な校門を見るに、ここは『私立花咲学園高等部』って言うんだね!

凄い立派な学校だね。私が通ってた公立高校の何十倍なのかな…。


うん!ここに通えるなんて楽しみ!!ーーーー










な、わけないよね!!!


え、え?本当に私来ちゃったの?!まだ、現実を受け止めきれないよ?!

あ!ほっぺをひっぱたいてみようかな?


……痛いね!あれー、可笑しいなぁ。

それじゃあ、やっぱり現実?!いやぁ、人生何があるかわからないもんだねっ!

まさか、自分が乙女ゲームの世界に入るなんて、入るなんて…。入る、なんて…。


いや、無理でしょ。

私、前世ではずーーーっと会話らしい会話はお父さんとしかしていないんだけど…。

あれだよね?乙女ゲームって、女の子がイケメンをあの手この手で落とすゲーム…。

私の記憶が正しければ、なんか『友人役』とか言ってたけど…。


これ、神様にクレームって入れられるのかな?

入れられるものなら入れるべきだよね?私、被害者だよね?おかしくないよね!

なんか、手掛かりないかな…。


制服のポケットを探ってみる。すると、スカートのポケットに水色のスマートフォンが入っていた。

というか、今まで気にしてなかったけど何時の間に制服着てるし…。

ちなみに、制服のデザインはというと、白いYシャツに黒みが入った紅と藍色のストライプ柄のネクタイに指定らしき胸元に白いラインが入っている黒色のセーターにグレーのブレザー、黒地にネクタイと同じ色のチェックのスカートだ。


うん、そういえば未央ちゃんに一回だけ見せられたゲームのパッケージに着ているイケメン達もこんな感じの制服着ていた気がする。

ところがどっこい。制服は何となく覚えてる癖して肝心のキャラクター達の顔は何一つ一ミクロンも覚えてないのだ。

なにしてんだ自分…。


と、話を戻して、スマートフォンに何か手掛かりはないか調べてみる。

電源を入れてみると、ロックを掛けてないのか何事もなく開いた。危険だよね!?後で掛けよう…。


肝心の中身はというと、開いてすぐ目のつくところに気になるアプリケーションが2つ入っていた。


鏡と『神様』というものだ。

や、『神様』って何?!これ開けばあの人にあえるってこと?!クレームも受け付けてる感じ?


よし、開けよう。すぐ開けよう。 

そして、何かボーナス的なものを貰わなければ私の気がすまないよ! 


ーーポチッと、そのアプリを押すと軽やかなメロディーと共にあの神様のイラストとそれに矢印で『押してね!』などが表示される。

ーーが、よく見るとその文字の下に『都合上毎日17時から30分だけしかご使用できません』って書いてある!なにそれっ?!神様も忙しいとでも言いたいのかなぁ…?!

それに反論するように、押しても押しても何もなし。

諦めて、アプリを閉じる。


次に、鏡を起動させる。

周りに反射できるものがないため、今の自分の顔が分からないのだ。

分かることといえば、茶髪で肩ぐらいの髪の毛をサイドテールにしていて眼鏡をしていないこたぐらい。


…前世ではフツメンだったから美少女だと良いなぁ。  

いや、でも友人役ならそんなに期待できないかな?でも、ヒロインの友達ならある程度は…?!


鏡を見ると、美少女ではないがそこそこ可愛い女の子が写っていた。

丸い二重の蒼目に若干癖っ毛な髪の毛。髪の毛の色も髪型も思った通りで自分で言うのもあれだが、明るくて良い子そうな感じだ。



蒼い目って外国人ぽくって格好いい…!

やっぱり、ゲームの世界だと皆カラフルなのかなぁ?!

ふと、周りを見渡す。

そこで、考え事に夢中だったためにあることに今更ながら気がついた。


……だれも、いないじゃんっ!

時計を見ると、いつのまにか20分たっていた。

やばい、校門に立て掛けられている『入学式』という文字を見るに今日はそういう日だ。

それでもって、神様の言葉を思い出せば私は新入生。

入学式そうそう遅刻って印象最悪じゃないかな!?

あぁ!校門が締まりそう! 

急がなきゃ!!

もう、学校広すぎないかな!門が見えているにも関わらず全然たどりつかないんだけど!!!

先生も、おじいちゃんっぽいので私のこと見えてないのかな!  


ちょっとまってーーー!!! 




 




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