βテスター達の地獄の1時間
2XXX年 ついにとあるゲーム会社がVRMMOのゲーム機を完成させた。そして、そのゲーム機はたちまちネットで話題になりゲーマー達は今か今かとソフトが出来上がるのを待っていた。
そしてついに完成したソフトのβテスターを公式ホームページで募集すると、わずか1週間で定員1000人のところに10万人もの人が応募した。ゲーム会社はすぐさま応募を締め切り学生や社会人、ニートなど10万人の中からいろんな職業の人を1000人選んだ。そのゲームは『自由なファンタジー』をテーマにしていてジョブやスキル、魔法などありとあらゆるものをつぎ込んだ。しかも、テスターが気になることを運営に報告するとすぐさま修正されてこれまでにないほどの大作ゲームになっていた。
幹夫はそのVRMMOの1000人に社会人枠で選ばれたβテスターだった。ゲーマーな彼は会社を朝早くから出社して早く帰宅して、すぐにゲームを始めるという毎日を暮らしていた。元々幹夫には友達が居ないのでゲームにのめり込んでいた。そんな彼も今はβテストが終わったので公式ホームページのPR動画を見ていた。
その動画はβテストが終わる一週間前に3日間で行われたPvPの公式大会のシーンがたくさん使われていた。
βテスターに選ばれなかった人はその動画を見てほとんどの人は期待に胸をふくらませ掲示板でテスター達を質問攻めにしたりしていた。
「ふざけんなよ!」
しかし幹夫は動画を見てイライラしていた。公式ホームページのPR動画にはPvP大会の上位メンバー達がスキルや魔法を使って戦っているシーンが多い。
だがその中に自分がいない。
実は幹夫はその大会で優勝していた。しかも準優勝者に圧倒的な力で。
幹夫はすぐさま運営に質問をした。なんで自分がPR動画に出ていないのかと。すると返信は長々と書いてあったが要約すると『見た目が地味だから。』だった。
確かに幹夫は地味だった。PvP上位陣となれば特別な職業に付き性能がいい派手な装備をしていた。
しかし幹夫は暗殺者という簡単になれる職業で装備も性能はいいが鎧などではなく黒っぽい服のような装備をしておりスキルも派手ではない。
だから幹夫はキレた。自分の圧倒的な力を他のプレイヤーに見せつけると心に誓った。
そして幹夫が心に誓ってから3ヶ月後、ついにゲームが配信された。βテスター達は特典として他のプレイヤーより1時間早くプレイすることができる。
幹夫はログインしたらすぐさま初期の武器を買いに走り始まりの街の一つしかない門の外のフィールドで待ち構えた。
幹夫がやっているゲームはPKをやってもレベルが上がることになっている。なのでPKやる人はそれなりにいる。
「俺が最強なんだよ」
しばらくすると最初のプレイヤーがフィールドに出てきた。それはβテストのPvPの大会の準優勝者のいる6人パーティーだった。幹夫はすぐさま不意打ちでそのパーティーに一人でPKを仕掛けた。不意打ちだったので簡単に準優勝者パーティーを死に戻りさせた幹夫はレベルが上がったのでステータスを振ってまた街の外に出てきたプレイヤーを狩っていく。
幹夫が二十人ぐらいPKしてレベルが5になった頃に上位陣だけで組まれたパーティーが出てきた。なにか罵倒してきているがそれのすべてを無視して上位陣パーティーと死闘を繰り広げた。他のプレイヤーはまだレベルが一だったことが幸いして幹夫は上位陣パーティーに勝利した。
その後、幹夫は自分のHPがなくなるまで戦いつづけた。
その日ネットではβテスターのPvP優勝者が街を出たところでPKをやってるということでネットが荒れたとさ