第72話 これはっ……『鶫エスペランサ』?
決戦の夜が明けて、報告やら諸々の仕事から解放された鶫は種咲の“社”に設置してある治療部屋へと足を向けていた。
公浩が戦闘で比較的大きな怪我を負って昨夜ここに運ばれたと聞いたからだ。ただ、どれ程の怪我をしたのかは具体的には伝えられていない。鶫の心配を必要以上に誘わないための梓の配慮だった。
怪我の治療という一点において“社”の治療施設は下手な病院などより優秀だ。なにしろ現代の医療の常識に当てはまらない通力というものがあるのだから。
公浩の命に別状は無いと聞いているが、それでも鶫の歩みは心なしか速まり、内心はそわそわと落ち着かない。
意識して平静を取り繕ってはいるが、その顔には僅かな焦りと不安が浮かんでいた。
「………! あそこ」
公浩がいる病室。それを見つけてさらに歩速が上がる。すぐ目の前だというのにかなりの時間がかかったかのように感じた。
そして漸くたどり着いた部屋、扉の前で鶫は一旦立ち止まり呼吸を整える。こんな事でいちいち汗だくの自分なんて見せたくない。
すぅ~~~………はぁ~~~……………よしっ
仕事柄と言うべきか、素早く息を整える能力が備わっていた鶫は、それを無駄に駆使して常態を装った。ついでに括ってあるポニーテールが曲がっていないかを確認する。表情も少し笑顔を足しておこう。
手土産の果物を見てから、いよいよドアをノックする。
コンコン
返事はすぐに返ってきた。
どうぞと促す普段通りの公浩の声を聞いて安堵を覚え、少しだけ穏やかになった気持ちでドアを開ける。
「せんぱ――――へぶっ!?」
突然、何かに真横から顔を押し退けられ、その衝撃で倒れこんだ。
籠に入った果物がコロコロと転がり出る。
視界に一瞬だけ映った公浩の笑顔は鶫を見つけると気まずそうに笑みを若干曇らせたが、それは鶫を囮のように使った事への罪悪感から来るものだと分かっていたので、それ自体はむしろ愛情すら感じられるので嬉しい。問題は今の自分がどれほど無様かだ。
幸い、部屋の中からは死角になっているし、それほどあられもない格好にもなっていない。いつも通りスパッツをスカートの下にはいていて良かった。
正にその時、その瞬間を遠目に目撃していた者がいたのだから。
「? 鶫ちゃん?」
慌てて立ち上がって果物を拾い、すぐさま病室へと入る鶫を遠目に見付けて追い掛けようと動き出すが、こちらも横から入り込んできた仕事の話に足止めをされた。
その時、幸円光は自分を呼び止めた五行一樹を僅かに鬱陶しそうに見やるが、逡巡の末、その場は仕事の話を優先させる。
幸円は一樹の話もそこそこに、久しぶりに見た幼馴染みの背中を追い掛けた。
★
「うーーーん………うん、よしよし。完璧にくっついたね。さすが私。無いとは思うけど、違和感やらを確認してみて」
五行家においては極めて珍しい、治癒系顕術の才能に秀でた五行葉。その治療は確かなようで、公浩はベッドで上半身を起こした状態で左腕の、特に二の腕から先の感覚を確かめつつ動かし、全く問題が無い事を伝える。
時おり肩を回して調子を見るが、違和感どころか、むしろ軽くなったようにすら思える。強いて言うなら右腕より軽やかに動いてしまい上半身のがバランスが取りにくいことだろうか。
「『天癒』の効果で今のところ回復持続と治癒力上昇が付いてるから、しばらくは調子良く感じるだろうけど、長くは持たないからね。そこはしっかり頭に入れとくこと」
「はい。ありがとうございます。流石、素晴らしい腕ですね」
「ええ、腕だけにね」
クスッと笑い合う公浩と葉の横で治療を終始見守っていた梓も安堵の息を吐く。
表情に出すことはないが、梓の心内では間違いなく笑顔が浮かんでいた。
「にしても、梓ちゃんも意外と心配性ね。ほんとなら治療の場には居させられないんだけど、けっこう無理矢理に押し入って来るんだもの」
「……………ウチの生徒だから。それに、もし何かあれば鶫に会わす顔が無い」
梓の言葉に普段よりも詰まる気配があったが、単に心配性と言われた事に照れているのだろう。愛想が無いと思われがちな梓のそういった一面は実に可愛げがあると、公浩も微笑ましく思っていた。
「会長のそういうところ、可愛いと思いますよ」
「っ!!??」
笑顔で恥ずかしげも無く言ってのける公浩。もちろんそこに他意は無い。悪気も無い。
梓はかぁっと顔を赤らめていく。
それは明らかな照れ隠し。手近にあった果物ナイフを手に強く握りこみ、プルプルと震えながら構えた。
公浩は両手を挙げて降参の意を示し、されどニヤニヤと笑みは崩さない。
「まぁまぁ会長、落ち着いて。よく見てください。僕は果物じゃありませんよ? むしろ今の会長の方がリンゴのようです」
「~~~~っ!!」
梓は公浩のSっ気に触れる機会は少なかった。久しぶりに発揮された公浩のからかいスキルに耐性の無い梓は振り回される形となり、どうしていいか分からず、手近にあった果物ナイフやら果物やらを投げつけ始めた。
公浩は肩慣らしと言わんばかりに全てを左手だけでキャッチしていく。
やがて投げる物が無くなった梓は息を乱しながら公浩を睨んでいた。
「速い動きには少し過剰な反応がありますね。しばらくはリハビリしないと」
体よく利用された梓は座っていた椅子を持ち上げて公浩を殴ろうとしたが、さすがに洒落にならない目付きだったので葉も止めに入った。
と、そこにコンコンとドアをノックする音が響く。
天の助けとばかりにタイミングの良い訪問者に、公浩はすぐさま「どうぞ」と入室を促す。梓も納得いかない顔だが、一応は自重して椅子に座り直した。
そして、開いたドアから覗いた顔を見た瞬間、公浩は胸に疼きを覚えた。
現れたのは鶫だ。居たたまれないというか……その顔を見ただけで、強く責められる自分の姿を幻視する。
いったい、自分はどうしてしまったのだろう。責められるくらいどうという事はないはずなのに、鶫が自分に幻滅し、罵倒し、あまつさえ愛想を尽かす事を想像すると………ツライ。
無意識に笑みが翳るが、次の瞬間には別の意味で頬が引き攣った。
「せんぱ――――」
「黒沼くん!!」 へぶっ!?
鶫など眼中にないかのような―――実際に見えていなかったのだが―――雑な扱いで押し退けて部屋に飛び込んできたのは佐東市花だった。
あまりの勢いに葉が「わわっ!?」と仰け反りながら公浩のベッドの横から飛び退き、そこに市花がバッと駆け寄る。
ベッドにすがり付くようにしがみつき、公浩の腕を取るとニギニギと触りだした。
「大丈夫なの!? ごめん……ごめんなさい……私のために、あんな危ない事させて」
はらはらと流れる涙、くしゃくしゃに歪んだ顔と悲痛な鼻声、学校の制服の首もとから覗く包帯など、見ている側が反射的に謝ってしまいそうになる姿だ。
公浩はどこから取り出したのかハンカチで市花の涙を拭った………ほんとにどこから出した?
「僕はなんともないよ。ほらこの通り」
公浩は腕をぐるぐる回して快調をアピールしながら市花に優しく語りかける。市花は公浩の顔を嗚咽混じりに見上げて、濡れた瞳で公浩を射抜いた。
謝られている本人からしたら、本当に自分が謝られているのか疑わしくなる程の罪悪感だ。
事実、市花に謝る理由など無いと士緒は考えている。ただそうすると、自分は謂れもなく罰を受けている気がしてならない。
市花への想いはある意味、鶫に対するそれとは真逆のものだった。
「それより佐東さんこそ、怪我は平気?」
公浩が心配そうに市花に尋ねる。
昨夜の市花は背中に大きな傷を負っていたし、体力の消耗も著しかった。それは焔から聞いた話からも明らかだ。
公浩の真っ直ぐな心配を受けて、心配する立場である筈の市花としては嬉しいような悔しいような気持ちになる。
しかし………やはり嬉しい。
涙で濡れた顔に、極自然に笑みが浮かんだ。
「うん………うんっ………黒沼くんのおかげだよ」
(……うわぁ)
黒沼公浩という人物について梓と未来夜から少しだけ話を聞いていたが、確かにこれは………あまりにもタチが悪い。
何が悪いって、無自覚に、無意識に女の子を惚れさせる事だろう。
葉と市花は知らない仲ではない。ちょっとくらいこちらの存在に気を配ってもいいだろうに、その辺りは真面目で丁寧な人当たりの良い市花が、自分や梓など気にも留めないで公浩という少年にすがり付く姿を晒している。
女の子に好かれるだけならまだ良いのだ。ただ、公浩に抱く好意、その度合いが半端ではない。それだけの、気迫とでも言うような感情の奔流が見えた。
少なくとも葉の知る市花からは想像しにくい姿だ。
こうなると、未来夜に懸想していた頃がまるで夢幻のようではないか。市花から寄せられる好意だけでもこれだけの差が付くと、紗枝と付き合って万々歳であろう未来夜が、ともすれば憐れにも思えてしまう。
(ここまで来ると魅了とか催眠のレベルだわ。黒沼公浩……この子の何がそうさせるのかしらね)
葉の視線は市花に遅れて部屋に入ってきた鶫へと向けられる。
鶫の公浩を見る目が実に複雑そうだ。
無事で良かった。けど、目の前でイチャつかれるのはちょっと………
そんな表情だった。
と、そこで公浩も漸く鶫の存在に意識を向ける。こちらの表情も複雑そうだ。
なにやらあったのだろうと推測できる二人。
公浩が平静を装いつつ、おずおずと口を開いて鶫に声を掛けようとした、その時。
「鶫ちゃん!」
「え………? わぷっ!?」
突如、部屋に入ってきた男が鶫を抱き締め、鶫の顔をその胸に埋めてしまったのだ。
「ぅえ!? ちょっ、え……ヒカル……さん?」
「久しぶり鶫ちゃん」
鶫が抱擁から脱出してその眼に映したのは、良く知る人物だった。いきなりの馴れ馴れしい行動に湧き上がった嫌悪と怒気は瞬く間に霧散し、逆に久しぶりの再会に歓びが鶫を占めていく。
男……幸円光は鶫の両肩に置いた手を滑らせるように動かし、鶫の体をペタペタと触りはじめた。
「良かった、元気そうで。ここに居るってことは、鶫ちゃんも戦いに参加していたんだよね? 怪我しなかった? あまり無理はしちゃダメだよ? ただでさえ実家で大変な事があったのに。本当に……話を聞いてすごく心配したよ。すぐに駆け付けてあげられなくてごめん。あぁ、でも………君だけでも無事で良かった」
幸円は鶫の手を取り、優しく包むように握った。
鶫としても幸円と会えて嬉しいのだが、この勢いには若干困惑させられる。
苦笑を浮かべながら興奮気味の幸円を宥めていると、全く予想外……思わぬ人物が乱入してきた。
「痛―――っつ!」
「!?」
鶫の手を握っていた幸円の手を、公浩が掴み上げていたのだ。
その顔は無感情であるのに、なんと言うか………恐かった。
かなりの力を込めて幸円の手を捻り、今にも腕を砕きかねない気配。
その場にいた全員が公浩の様子にはっとし、息を飲む。
鶫と梓などは特にだ。ある程度知っているからこそ、見たことも無い公浩の様子に、呆気に取られる。
「いたたっ―――ちょっ、君!? これは流石に洒落にならないよ! なんのつもりで――――」
「僕のです。気安く触らないでください」
「~~~~!?」
僕の………公浩から飛び出したたっあ3文字の言葉に、幸福感が鶫の全身を駆け抜ける。
確かに自分たちは形だけとは言え、そういう関係だ。
仮だろうがなんだろうが、鶫にとっては最大のチャンスでありアドバンテージ。そして幸せな日々である事に変わりはない。
なのに、今の言葉だけでそれまでの生活で得てきた幸せが霞んでしまう程の想いが押し寄せてくる。
それは心臓と、そして下腹部に響く一撃だった。
「っ………? 君は鶫ちゃんの――――っぐ!」
グググッ
公浩の手にさらに力が入る。
鶫ちゃん鶫ちゃんと、馴れ馴れしい。それが、どうしようもなくイラついてしまう。
なんだろう、この感覚は。
士緒は理解の出来ない感情に流され振り回される。
コントロールの利かない自分。今の自分はどんな眼をしているだろうか。きっと目の前の男に醜い感情を向けているのだろう。
実際、かなりの威圧感をその瞳は伝えていた。
だからこそ、それに脅威を覚えた者が公浩に武器を向けたのは当然の結果と言えよう。
『その手を放せ』
三方向からそれぞれの“神託”を公浩に突き付ける3人の祓魔師を誰も責められない。
長剣、短杖、短槍を構える個性豊かな3人の異邦人を公浩は鋭い目付きで睨み返す。
『試してみますか?』
英語で言葉を返す公浩から明らかな敵意を受け、3人の祓魔師はその闘気に呑まれないように歯を食い縛る。
なんて少年だ。3人の率直な感想だった。
『あなた方が僕を撃つのが早いか。僕が彼の手を砕き、ついでにあなた方に一発ずつ蹴りを入れてから態勢を整えるのが早いか』
――――!!
ただでさえ不安定だったところに3人の腕利きから中々の殺気をぶつけられたのだ。売り言葉に買い言葉のようなもので、こうなると公浩としても引くに引けない。
一触即発の緊張感に祓魔師たちの肌を冷や汗が伝い落ちる。
岩が坂道を転がり落ちるように、もう誰にも止められない………かに見えた。
「先輩っ、落ち着いてください」
「――――っ」
鶫がたまらず公浩の手に自分の手を添えた。
幸円を掴み上げていた手を包み、ゆっくりと下ろさせる。
『いてて………君らもだよ。大丈夫、彼は敵じゃない』
幸円も仲間たちに落ち着くよう声を掛ける。
公浩も、強張る手から鶫の体温を感じて、漸く冷静さを取り戻していく。いや、それどころか冷静になるに留まらず、血の気がサァーーッと引いてくるようでさえあった。
「ぁ………えっと………」
幸円の手をパッと放し、いまだ突き付けられている“神託”に対して両手を上げて見せた。
やってしまった。そんな思いがこれでもかと表情に出ている。
『カイム、ラリー、アンナも。“神託”を下ろすんだ』
『『『……………』』』
緊張は残ったままだが、それでも最初に“神託”を下ろしたのは冒険者風の男。それに続くように派手な髪色のピアス男が短槍をしまう。
『……アンナ』
中々短杖を下ろそうとしない黒いドレスの妙齢の女に、再度幸円が促す。
アンナと呼ばれた女は幸円を見やると、納得いかないような……拗ねたみたいに顔を逸らして武器を納めた。
ふぅ………
なんとか緊張が和らぎ、収まり始めた場を見て、部屋にいた数人は息をつく。
「勘弁してよ。何がどうなってるのよ」
葉が愚痴るのも仕方ない。
さっきまでラブラブ光線が飛び交っていた部屋に、一転して殺気が飛び交い始めたのだから。
葉は巻き込まれただけ。居合わせただけだというのに、こんな殺気まみれの部屋で自分にどうしろと?
もはや公浩に文句を言う気すら起きない。
「その………すみません。どうかしていたようです」
公浩が英語でも謝罪の言葉を口にし、素直に頭を下げた。幸円、それからカイム、ラリー、アンナと呼ばれた3人へと。
先程までの威圧感が嘘のように消え去り、現れたのは丁寧な物腰の学生だ。祓魔師3人からしたら、あまりのギャップに少しの戸惑いを覚える程。
そんな彼らを代表して幸円が柔らかい表情で公浩に語りかける。
「いや、こちらこそゴメン。そっか、鶫ちゃんの彼氏さんか。なら怒るのも当然だ」
幸円は人の良さそうな笑顔で公浩を許した。
公浩は恐縮して、どんどん小さくなっていくようだ。その姿を見てカワイイと思える鶫や市花などは、間違いなく惚れて弱味を握られた状態と言えよう。
「僕は幸円光。鶫ちゃんと同じ村の出身で、幼馴染みみたいなものなんだ。四宮家にはとてもお世話になっていてね」
「そうでしたか。重ね重ね、申し訳ありません」
「いや、僕も無神経だった。年頃の女の子に少し馴れ馴れし過ぎたと思う。鶫ちゃんも、ごめんね」
「あ、いえ。私はいいんですけど………」
鶫は公浩を見る。
公浩のアレは、もしかしなくても………嫉妬というやつだろうか。
いや、そうに違いない。そうであってほしい。それ以外は認めない。
テレテレと締まりのない顔になっていく鶫。
何度思い出しても幸せになる光景だった。あの公浩の表情ときたら………
「えへへ………」
それを考えると、幸円に対しては感謝の気持ちしかない。
自惚れるつもりは無いが、恐らく公浩は自分に対する執着、独占欲らしきものを持ってくれているのだろう。それが分かっただけでも大収穫。今後に希望が持てるというものだ。
「………むぅ」
当然ながら市花にとっては面白くない事態だ。
市花の鶫を見る目が険しさを増していく。
「あ、それとですね先輩。ヒカルさんは2年くらい前に海外に移って祓魔師になったんですけど、その…………その際に結婚されてて………」
「!!」
公浩はいよいよ立つ瀬が無くなった気がした。
あまりの恥ずかしさに目元を覆うように手を添え、うつ向いて紅潮していく顔を隠す。
穴があったら入りたい。顔から火が出る。もうなんと言って良いのやら。
「ホントウニ………スミマセン」
「ちなみに、そちらの女性です」
鶫が示したのは先ほど公浩に短杖を向けていたドレスの女性、アンナ。オーノーだずら。
「あの、せめてこのナイフで僕を………グサッと………」
公浩がアンナに差し出しているのは果物ナイフだ。額に手を当てながらプルプル震えて手渡そうとしている。勿論、アンナとしてはノーサンキューだ。
数分前には、「会長の方がリンゴみたいですよ」なんて言っていたというのに。
……………どの口が言うか。
いい加減に泣きそうだった。
というか、さっき幸円に短杖を下ろすように言われて拗ねていたのは、なるほど……公浩のように手を添えて優しく下ろして欲しかったからですねなるほど良くわかります。
「………………」
公浩は気付いていないが、それらの羞恥心は全て、鶫への好意があってこそなのだと市花は理解していた。
未来夜が紗枝を好きだと気付いた時には、こんなにドロドロとした感情は湧かなかった。
それでも必死に抑え込む。こんな自分では、公浩が見てくれないと思ったから。ただその一心で。
「………………」
もう一つ、モヤモヤとした想いで鶫と公浩を見る視線があった。
その視線……梓からのそれにどんな意味が込められているのか、本人も含めてまだ誰も知らない。
またフラグだと!?
まじスンマセン。あの、ほんとに願望とかそんなんじゃ全くないんです。そこだけは分かってやってくだせぇ。
将来の夢? それはもちろん、美少女だらけの三國志世界に召喚されて50人以上の嫁を貰う事に決まってるじゃないですかHa―Ha―Ha!




