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in ムゲン

「なるほどね…つまり、アンタはこことは違う世界…地球ってとこにいて、そんで男だったと」


「そうそう」


「それで気づいたらこの世界に飛ばされてて、変な怪物に襲われて命からがら逃げ出したけど壁にぶつかって、で気づいたら今に至った…というわけね?」


「そうなんだよ。いやぁ、お前理解がはや……」


「信じられるわけないでしょっ!」


さっきまでふむふむとうなづいていた少女が急に椅子から立ち上がってテーブルにバン、と手を叩きつけた。


ちなみに少女はニーナというらしい。


「なんでだよ。この世界……シェルムソーヌ、だったっけ?には魔法がやら何やらあるんだろ?なら俺みたいなことだって不可能じゃないだろ」


「不可能よ!」


ムキーッと反論してくるニーナ。なんだこいつめっちゃ突っかかってくるやん。


「アンタみたいなちびっ子はまだ習ってないんだろうけどね。性別転換の魔法なんてないし見た目を変える魔法だって意識がない時は効果が消えるの。それに召喚にしたって人間はできないし、それにそんな長時間行うのは無理なのよ!」


「何だとちびっ子だと?少なくともお前よりは年上……」


「それに!年齢変化の魔法もない!」


「むむ……。じゃあ俺は一体…」


「ふん。おおかた記憶錯乱の魔法でもかけられてるんじゃないの?」


はん、と鼻で笑うニーナ。そう結論づけるのはともかく見た目年下の女の子にそんな態度はどうなんだ。



あ、そうそう…見た目で思い出したが、あの後鏡を見せてもらって確認したが…完全に俺は俺ではなかった。銀髪で青い瞳、それでどう見ても12、3歳のロリへと変貌していた。


「あ、そうだ服。俺が最初に着てた服は?たぶんこの世界とは違う感じの…」



「服ぅ?アンタボロ切れみたいなのしか体に巻いてなかったわよ?」


なんだと。そうだっけか?あん時は極限状態だったからまったく見てなかったかもしれない。


しかし…それならもう俺が異世界の住人であることはどうにも証明できない。完全に頭の痛い、身寄りのないロリということになってしまう…。



う〜んと頭を抱えていると、ニーナは見かねたようにため息をついた。


「はあ、分かったわよ。アンタの言ってること、ちょっとなら信じてあげるわ」


「!本当か!」


「ちょっとだからね。それに、普通の女の子がアンタみたいに生意気だなんて思いたくないだけだから。勘違いしないでよね」


「お、おう…。なんだお前いい奴だな」


「馬鹿にすんな!それに考えてみれば、まだ探索が完了してない遺跡の隠し迷宮を武器も持ってない小さな女の子が発見して中に入るだなんて普通なら無理な話だしね」


そういうもんなのか…。まあたしかにあの怪物がいると分かってたら丸腰では入らんよな…。



ん?なんか今の発言に違和感を感じるぞ?


「迷、宮?」


「?ああ、そういや異世界産のアンタなら知らないかもしんないけどね。この世界には迷宮ってのがあるのよ。不規則に現れて、不規則に消えていく。中には古代の魔具だとかレアな宝物とかがたくさん眠ってるの。それを冒険者って職業の人が探すのを生業にしてるのよ。かく言うアタシも見習いとして…」



それなら、知ってる。


そう、俺はその設定を知っている。


ニーナの言っていることは紛れもなく俺の知っている設定と酷似している。



つまり、俺の予想が正しいならば……。





ここはアクションRPGーーー『ムゲン』の世界なのか………!?

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