ディアナ
『ようやく呼んでくれましたね。退屈で死にそうだったのです!』
相変わらず子供のような性格の天使。背中の光輪をくるくると回しながら、俺たちの周りをふわふわと飛び回っている。
「ようやくって、お前ずっと待ってたのかよ!なら消える時言っとけよ!」
『言うヒマなかったのです。あのままいたらワタシも見つかってたのです。それはイヤなのです』
「まあ、たしかにそうだったけど…」
蝋燭の灯りだけで仄暗かった部屋の中が、天使の出す鱗粉できらきらと輝いていた。それは地面に落ちる前に、溶けるように消えていってはまた新たに流れている。
その美しさは、この馬鹿をやはり天使と認めてしまう程のものだった。
『それで、ヨウケンは何なんですか?ココロやさしいワタシはあえてみなさんのコトバを待ってあげます』
「……。まあいいけどさ。それで話ってのは、文字通り最初から最後まで教えて欲しいんだよ。俺がここにいる理由をさ」
『……それに関しては、やっぱりワタシには大したコトは言えないです。ゴメンです。前にも言ったように、記憶が消えているのです』
好き勝手に浮かんでいた天使だが、やがて俺の頭の上にちょこんと座った。
そして、やはり覚えていないらしい。これではなぜ俺がここにいるのかも、何をしたら戻れるのかも分かったものではない。
認めたくなかった事実を再確認したせいでより気分が重くなったが、
『ですが、分かったこともあるのです。記憶がないのはどうやら奪われているからなようなのです』
「…て、え!?」
奪われているだって?誰に?どうして?
俺の疑問に答えるように、天使は口を開く。
「まだダンゲンはできないのですが、記憶と共にワタシの本来の力がごっそり抜け落ちてるのです。ワタシの体は物理的なものではなく精神的なものですので、たぶん、力を奪うにあたってその精神体にナイホウされた記憶も一緒に取られたのです」
「な、なるほど…?」
『どうして奪われたのかは分かりません。でも、襲われたからこそ、ワタシとタイチは迷宮に閉じ込められ、離れ離れにされ、あまつさえワタシだけ用意した魔法具と一緒にせっまい箱にバタンと閉じ込められたのです!!ムキー!』
急に頭上で怒り出す天使。光る鱗粉が余計に出てきて目の前が眩しい。
「それで天使ちゃん?…その奪った張本人は何者か知ってるの?奪われて尚あんな完璧な回復魔法を使うアナタにそんなことをできる奴がいるとも思えないんだけど…」
『天使じゃなくてディアナと呼ぶがいいです。ワタシの名前です。…たしかにそんなヤツはそうそういないのです。ですが……ちょっと心当たりはあります。ただ、まだはっきりとは言えないです』
「そっか…」
『ワタシは準備でき次第、他の天使に会いに行こうと思うのです。まだ開放されたてて体力も回復してないので、もうちょっと先になるですけど』
「ふーん。天使…ディアナちゃんの何かのたくらみをまっさきに潰しにかかるなんてなー。こりゃ、やばそうな雰囲気がぷんぷんするぜー。リサちゃんよかったなー」
「いやよくねえよ」
どう考えても死の香り含んでるんだけど。初っ端からミノタウロスとか出てきちゃう相手なんだぞ?
底知れない強大な相手になんで立ち向かわなきゃならないんだ。そもそも俺怖いのとか苦手って言っただろ。初期設定忘れてんじゃねえぞ。
「結局どうなるか分かんないし、まだ何とも言えないわね。とりあえずリサはその怖がり直しときなさいよ」
「直せるもんでもないんだけど…」
できるならとっくにやってます。
『まあそんなことはとりあえず置いておくのです!まずタイチのためにがんばって用意したコレを見るのです!最初からこっち優先してほしいのです!』
と、空気を一転してまた天使改めディアナが元気よく飛び回り出した。何のこっちゃ、と思ったがディアナのだす鱗粉の軌跡が魔法陣のような紋様を描き出し、そこからゴトン!と重そうな音と共に何かが出てきた。
その塊をよく見てみると……それは宝石や貴金属だった。しかもただの宝石なんかではない。それらは微弱に光を放っていた。しかもいくらか見覚えがある。すなわち、
「魔法具か!」
『そうでーす!コレは全部タイチに褒められたくて作ったのです!なんでだったかは忘れましたが、心を込めて念入りに作ったのだけは覚えてます!』
えっへん!とない胸を張りうれしそうな顔をするディアナ。
「全部俺のためにか…そんなお膳立てされるほどすごい奴ではないんだけどなぁ」
『そんなの関係ないのです。ワタシに選ばれたのは必然なのです。それはすごいのです!』
そううれしそうに笑い、ディアナは俺の頬にくっついてきた。ちょっとむず痒いが、悪い気分ではない。
「でも結局、全部俺が持ってても意味ないからなぁ。どうせならみんなで山分けしようぜ」
「おお、いいのかー?これ全部つけたらたぶん大抵の奴は敵なしだぜー?」
「元々俺一人の力で手に入ったわけじゃやないだろ。みんなでとったんだからさ。ディアナも別にいいだろ?」
『ワタシはタイチがいいなら何でも大丈夫なのです。助けてくれたしモーマンタイです』
「そう?なら遠慮なくもらうからね」
「わたしもー。さんきゅーな」
などと言うやすぐさま物色し始めるニーナとキリ。最初からもらう気満々だったんだろうが、半分は俺のために生死を彷徨わせたんだからあげるのも当たり前だろう。というか俺のものってするのも心苦しい話だ。
ふと見ると、魔法具をガチャガチャと漁るニーナ達の後ろで、アニスがそれに参加せず静観に徹していることに気づいた。
気になったので聞いてみた。
「アニス、どうしたんだ?お前こそいろいろ助けてくれたんだし、遠慮することないぞ」
「いえ、私はその言葉だけで満足です。ありがとうございます」
「いや、満足ったって」
「そもそも私は魔法を使えないので、魔法具を使う事ができないのです。申し訳ありません」
と、アニスはふっと笑いながらそう言った。しかし、その顔はどこか寂しそうに見える。
「魔法使えないって、俺だってそうだぜ?でも魔法具使えたっぽいから大丈夫じゃないか?」
「いえ、リサ様は魔法を使えないのではなく、学んでいないから知らないだけなのです。私は文字通りの意味で、魔法を使えません」
「……?それって……」
この世界の常識レベルの知識すらもたない俺には、それがどういう意味を持つのかすら理解できなかった。そういう奴はこの世界でもさほど珍しくないのか…?
もっと質問したかったが、これ以上アニスに聞くのは彼女を傷つけてしまいそうな気がしたので、なんとなく躊躇ってしまった。
他のみんなも同じ心情だったのか、部屋の中が妙に気まずい空気に包まれる。
『よくわかんないですけど、この世界に存在する以上魔力は少なからず持ってるのです!だったらこれを使うといいです』
と、パッと明るい声で空気を変えるディアナ。そのおかげでちょっと居心地の悪さがなくなってくれた。こいつは子供というか馬鹿なだけかと思っていたが、空気を読むできる奴なのかもしれない。
そしてディアナが取り出したのは、一個のごついブレスレットだった。
見る角度によって輝く漆黒とサファイア色に変化する不思議な材質。無機質な印象を受けながら、まるで生きているかのような強烈な存在感を同時に放っている。これまたただものではなさそうな雰囲気だった。
「これは…?」
『これをつけてみるです!魔法を使えなくても発動できる優れものの上に、アニスにピッタリなのです!』
その声に促され、半信半疑のまま右腕にそれをつけるアニス。(喋らなければ)金髪の絶世の美女にシンプルながらも美しいアクセサリーを合わせたものだから、(見てるだけなら)非常に絵になる。
「つけましたが、これといった変化は感じられません」
『まあそう急かすなです!そもそも全ての生物には、生命エネルギーとして魔力が体内に流れているのです!"魔法が使えない"という状態は、魔力を体外に出す方法を知らないか、魔力を体外に出す方法がないか、のどちらかです。その魔法具は体内の魔力の流れから思考をキャッチし、瞬時に変化してくれる優れものなのです!』
「なるほど…。では具体的にはどうすれば?」
『体内の魔力のリュウドウを意図的に操るのです。具体的には、それをつけてる右腕全体を巡る感じで……』
「こうでしょうか」
話の途中でアニスがそう言った瞬間。いきなりブレスレットが一瞬光を放ち、ガシャン!という音と共に瞬時に展開して、右手首から肩まで覆った。
それをよく見てみると、右腕全体を守る鎧のようなものだった。色はブレスレットと同じで、質感的には金属でありながらも全体的に流線型で女性らしいデザイン。関節部などの一部にごつい装飾が施されている。
『わあ、話を最後まで聞かないのはハラたちますけど飲み込みが早くて助かるのです。あと、追加の能力もあります。その魔法具でもっともしたいコト、すべきことを思考するとそれを反映させることができます』
「もっともしたいこと。そうですね、リサ様に甘美な鳴き声をあげさせるのに適切なモノがあれば」
「息するように俺の貞操を奪おうとするんじゃない!」
『ダメです!タイチはワタシのです!』
いきなりやばいのが飛んできて焦ったが、天使という心強い味方が出来ていたのは素晴らしい。…だがよく考えたら、昨日の夜はまったく助けてくれなかったし、肝心な時には来てくれないぞこいつ。
「まあ冗談は置いといて、そうですね……私がすべきなのは、みなさんをお守りすることのみです」
そうアニスが言うと……腕の部分から瞬く間に新たに形成され始めた。それは円を描くように形作られ、ものの数秒で丸い盾が生み出された。
『そういうことです。ただの盾じゃなくて、ある程度の魔法も防ぐことができるのです。すごいのですよ。ワタシを褒めるのです!』
またも偉そうに胸を張るディアナ。
「なるほど…。たしかに、私にぴったりの魔法具です。ディアナさん、ありがとうございます」
『よいよい…って敬称がワタシだけ"さん"なのです!許せないのです!』
照れたり怒ったり忙しい奴だった。
まあ、アニスのからかいを全力で受けてたらそうなるだろう。標的が移ったのはよいことである。
アニスにしばらく全力でつっこんでいたディアナはぜーぜーと息を吐き、
『そ、そういえば今タイチが持ってるヤツも同じようなセイシツを持ってるのです。出してみるです』
「え?あのアンクレットのことか」
同じような性質とは、足全体を覆う鎧になったりするんだろうか。でも普通に使ってても形変わらなかったんだけどなと思いつつも、鞄から二つの白とエメラルドに輝くリングを取り出す。
ちなみに使わない時しまっているのは、これが付けているだけで発動してしまうからだ。歩くだけで飛び上がられてしまい、日常生活に支障が起きてしまう。
ディアナに付けるよう促され、下手に足裏を床に付けて発動しないように慎重に足首に通す。
「なんでアンタそんなにぎこちないのよ」
「いや、勝手に反応しちまうんだって」
『それはタイチが魔力を放出しっぱなしだからです。これはアニスのとは違って、放出された魔力を得て発動するものなのです』
「え?でも俺そんなことしてないぞ?それに、魔力を受けてんなら展開するんじゃないのか?」
『まず、タイチは魔力の扱い方を知らないからムイシキに垂れ流しにしてしまってるのです。抑えたら別にいちいち外さなくても大丈夫になるのです。モノは試しです。こう、ドーってなってるのを、キューってして、シューなのです!』
「急に説明が雑になった!?」
こいつ、意外とっていうか普通に説明が肉体派だぞ。理論派を出してくれ。
俺の呼びかけに応えたのか理論派が助け船を出してきてくれた。
「そんな難しいものでもないわよ。まず必要なのは魔力の認識。…そうね、今リサは自分の魔力がどうなってるか分かる?」
「え?さあ、垂れ流しになってるってことか?」
「そうじゃなくて、本当に自分が認識できているもののこと」
そういうことか。それなら全く分からない。まあ、分からないから景気よく垂れ流しちゃっている(らしい)わけなのだが。
そう言うとニーナは頷きながら、
「じゃあ、アタシの手触って見てくれる?」
そう言って俺に手を差し出してきた。よく分からないまま、俺はそれをおそるおそる握ってみる。真面目に見えて手の触り方であなたがMかSが分かりますみたいなこと言ったら怒るぞ。
触ってみると、じんわり温かく感じた。
「どう感じる?」
「あったかいかな」
「そうよね。なら、これは?」
とニーナが言うと、今度は急に冷たくなってきた。まるで生きてる人の感じがしなくてちょっと怖い。
俺はそう伝えると、ニーナはまた頷いた。
「つまり、これが魔力を出してるってこと。魔力っていうのはディアナが言ったように生命エネルギーの一種なの。それを自在に操ることができるっていうのが、魔力の最大の性質なの。放出に際して熱を持つんだけど、それを過剰にしたら熱くなるし、逆に極度に抑えたら冷たくもなる」
「へえ。じゃあ俺今めっちゃ熱いのか?自分じゃ気づかないんだけど…」
「熱いっていうか、出力が安定してない感じね。熱くなったり冷たくなったり、だからアタシも気づかなかったのかしら…。まあ、あんまり気にしてなかったのが原因なんだけど。……とにかく、魔力をコントロールするのが重要ね。まず、目を瞑って深呼吸して」
なんか難しいなぁ。とはいえ、言われるままに目を瞑って、深呼吸してみる。うん、なんとなく清々しい。
「そしたら、うーん…そうね。熱い部屋を想像して。できたら次に、その部屋に氷が置いてみて」
ふむ。熱い部屋。サウナとかでいいんだろうか。頭の中で無駄に水をかけて温度をあげてから、その中心に冷蔵庫で作った感じの小さい氷をイメージする。一瞬で解けた。
「普通だったらすぐに解けるわよね。でもそれを、解けないようにしてみて」
慌てて氷を復活させる。今度は解けないぞ。うん、解けてない解けてない…。
どうだ?
「ちょ、ちょっと熱い部屋イメージが強すぎるかな…部屋と氷の感覚を、同じくらいのバランスで…」
急にニーナが辛そうな声をあげるもんだから、え?と目を開けてしまった。すると、なぜか汗をだらだらかきながらぐだっている面々。
「おいー…。リサちゃん、垂れ流しがきつくなってんじゃねえのー…」
な、なんと。ちょっとイメージした程度でここまでになるとは、魔力恐るべし。
「アンタが加減知らないからそうなってんのよ!ていうかアンタそこまで魔力多い訳じゃないんだから真面目にやりなさい!」
いや、一応真面目にやってるんだけど…。
仕方なく、もう一度最初からやってみる。目を閉じて、深呼吸。熱い部屋を用意して、今度はもっとでかい氷を用意してみる。温度もそこそこに抑えておく。集中、集中。
普段ならば解けてしまう氷が、解けない。これはつまり部屋の熱を魔力の放出に、氷の融解を魔力の抑圧に例えているんだろうか。うむむ。よく分からないが、今イメージの中では立方体の氷が高速回転している。
「……うん、まあ大体そんな感じね。目を開けていいわよ」
そう声がかかったので、ゆっくりと目を開ける。試しに体を見回してみたが、別段変わった様子はなかった。
「魔力を熱として捉えるのは初歩の初歩で、魔法を使うとなるともっと複雑な構造とか計算式とか必要になってくるんだけど、それはまだいいでしょ。とりあえず今は、暑くもなく、寒くもないって状態を常にイメージしときなさい」
ふむ、魔法はできる気がしないが、イメージくらいならなんとかなりそうな気がする。とりあえず今はできてるそんなんだし。
『むむむ、なかなか上出来です。仕方ないですが認めてやるです。……じゃあ、改めて魔法具について教えるのです。今魔力抑えられてるので、一回歩いてみるのです』
そういえば忘れていたが、今は俺の魔法具の話だった。そう、俺の足には脚力を超増大させるアンクレットが付いている。前までは強制発動だったが…。
おそるおそる一歩を踏み出してみたが、……普通に歩けた。
「お、おお!ほんとだ、発動しない!」
『ちゃんとできてるのです!タイチさすがです!』
俺だけ他の奴らより褒められるハードルが低い気もするが、初心者なので許してほしい。
あと気を抜いた瞬間体が吹っ飛ぶとかないよね?
「まあ、アンタ土壇場のコントロールとかは割とできてたし、筋はいいんじゃないの?ほら、ミノタウロスの時も最初以外できてたし、昼のシャルルの時なんて思い通りやってたじゃない」
そういえば。焦ってたから全然考えてなかったが、あれは中々使いこなせていたように感じる。魔力垂れ流しを全く知らない内からやれてたというのは、案外俺すごいのでは?
「魔力コントロールできない奴の方が珍しいんだけどね」
急に落とされた。
『じゃあ今度は、魔力を一箇所に集めるのです。さっきの話よりワンランクアップです。熱を魔法具だけに向けて放出するのです』
ほう。今度は例えでイメージしにくいが、要は足首あたりに魔力と言う名の熱が集まるようにすればいいんだろう。やってみよう。
むむ、むむむ。じんわりと温かくなるような感じでやってみるが、うまくいかない。じっくり見ているが、何の変化も生まれなかった。
温かくなる程度ではいけないのか?じゃあもっと熱くなるようにしよう。いや、どうせなら熱いとかレベルより燃えているくらいの方が丁度良いのかもしれないな。
よし、やってみるぞ。放出するだけなら人に汗をかかせるくらいやってみせたのだ。これくらいできるはずだ。
足首のリングを睨みつけ、いっそ炎を巻いているようにイメージした時……今度こそ、ガシャガシャン!!と展開に成功した音が響いた!
「「「おお!」」」
固唾を飲んで見守ってくれていたみんなと同時に声をあげた。思わず拍手をされたが悪い気分ではない。むしろ胴上げされても構わないくらいだ。
いつの間にか書いていた額の汗を拭い、そのアンクレットが起こした変化を眺めてみた。
膝の少し上から足先まで覆う、ニーソックスくらいの長さの脚甲。見る角度によって純白と翡翠色に輝きが変わる不思議な金属。デザインはアニスのとは少し異なり、鎧の性能を重視したような無骨なデザインだったが、その色の美しさと俺の小学生的足の細さで相殺されて、むしろ女の子らしさすら出ているようだった。あと、なぜかピンヒールとは言わないまでも結構な細さと高さのハイヒールになっている。思わずよろめいてしまった。
いつもよりちょっと視界が高い。…しかし、小学生がハイヒールって似合うものなんだろうか。ちょっと背伸びしたおませな子みたいな評価受けるのは嫌なんだけど。
『すごい、すごいのですタイチ!これで以前よりもより思い通りに扱えるはずです!あと、攻撃能力も備わってるです。意思を乗せることで、蹴りに風の属性を加えられます。放つこともできるです』
「へえ、そりゃすごいな」
『えへん。元々、この魔法具は空気を掴む脚甲です。だから空を蹴り、空を飛ばせるのです。天翔る馬がコンセプトなのです』
「記憶ないのにそういうことは覚えてるのね」
『やかましいです!』
しれっとすごいことを言ってるような気もするが、天使にとってそれくらい簡単なんだろうか。
『さらに!このオプション魔法具をふくらはぎ部分につけたら雷ゾクセイも付加!蹴りに二ゾクセイどちらかもしくは両方を同時に出せるのです!』
「すげえ!」
『しかも未発動時にはアンクレット内に収納されるので持ち運びもラクチン!白と翡翠のリングに黄金色のスリットがとってもクールなのです!』
「かっこいい!」
『もっとです!もっと褒めるのですー!』
どんどん高く舞い上がって天井にめり込みそうなディアナ。段々返しがてきとうになっている気もするが、ディアナが満足そうなのでたぶん大丈夫だろう。




