おてんば少女と監視部
仕晴は、零に頼まれて監視部の部屋に来ていた。
防衛監視部隊(略して監視部)とは、街の防犯系、カメラの管理、武器や何かの実験など研究が主で部隊全員の健康管理もしている。
そのせいなのか、触ってはいけないようなものが多く、部屋のありゆる所にモニターが置いてある。
「・・・ん?仕晴じゃない。どうしたの?」
「あ、これ零から頼まれたやつ」
仕晴に声をかけたのは此処の副班長、藍だ。
藍色のショートヘアーにタイトスカートと黒タイツが白衣によく似合っている。
「またか。わざわざ、ありがとうね。これ、お礼」
仕晴は分厚い包み紙を藍に渡し変わりにキャンディーを貰った。
「あれれれれれれ?ソコにいるのは天使じゃないかい~?」
「うげ・・・歩誀」
「ぐふふふ、いい顔で見ないでよwww」
「・・・どこがいい顔だ。仕晴の顔がめちゃ歪んでるぞ」
藍の後ろからお化けのように出てきたのは、歩誀だ。
女のように長い銀髪で前髪も頬ぐらいまで伸びており藍同様、白衣を着ている。
頭おかしいほどの変人で変態だ。これでも責任者なのだから残念な人なのだろう。
「ぐふふふ、我にとってはいい顔だよ?そうだ、さっき完成した薬があるけど使う?」
「部屋にこもって何してると思えば・・・はぁ」
「ちなみに何の薬?」
「ぐふふふ、どんな頑固者でも素直になれる薬だよ」
「「・・・うわ~」」
「いいね~その顔」
「あ、仕晴」
「あ、シオン。検査終わった?」
「うん。」
「あー剣くんは異常なかったよ。でもちょっと血が足りないかな」
「ねぇ、その剣くんってやめてよ。僕にはシオンっていう名前があるんだけど」
「いやいや、あだ名みたいでいいじゃないか。名前は縛りみたいなものだからね~」
「・・・それってどういうk「あ、そうそうこれを正義くんに渡してくれないか?」・・・人の話きけよおっさん」
シオンの話をスルーし、歩誀は資料らしき物を仕晴に渡した。
「えー私、あのメガネ苦手なんだけど・・・」
「大丈夫だよ。正義くんに{桜音}っていえばわかるよ」
「ちょっと班長!?」
「サクラネ?」
「はよ、行かないと薬、試そうかな~」
「行ってくればいいんでしょ!行こシオン!」
にやにや笑う歩誀に仕晴は寒気を感じ逃げるようにシオンを引っ張りながら部屋を出た。
「班長、いいのか?」
「ん~?・・・気付かないといけないこともあるんだよ」
「いや、それもそうなんだけど読み方あれ、違うような・・・」
「ぐふふふ、いやあれはいんだよあとは正義くんに任せよう。我たちはあくまできっかけを作っただけなのさ・・・はやく華を咲かせないと器が壊れちゃうからね・・・」
モニターに映る紅色の髪をした男性を指で撫でながら歩誀は深い椅子に腰を掛けた。
皆様、疾走騒華 3部を読んで頂きありがとうございます。更新は相変わらず亀ですがこれからも新キャラや部隊の名前も増える予定です。も、もちろん過去やいろいろストーリーを進めたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします!