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第12話 悪魔の子
健斗はゆなにそれとなく質問をしてみた。
「もし俺がいなかったら、あいつらをどうやって止めるつもりだったんだ?」
「1人でも彼らを止めただけよ。」
「でも君が言うには、彼らの行動は感染するんだろ。そうなったら、どうしてたんだい?」
「私は、悪魔の子なの。だから、死なない!」
「それ、どういう意味?」
「私はね、生まれた時から今の病気と付き合ってるの。赤ちゃんの頃から自分の手首を傷つけたり、高い場所に立って下を見つめたり、深夜徘徊したりしてたから、私の両親は私のことを気味悪がって一家心中を図った。家族は全員死んだけど、なぜか私だけ生き残っちゃって。その後、義理の親に引き取られたんだけど、これはこれでまた辛い毎日でね。いじめられてたから学校に行きたくなかったんだけど、無理やり殴りつけられたりして行かされた。普通の人間なら死んでいるような暴行を加えられても、私は死ななかった。だから、私は不気味で死ぬことがない悪魔の子。」
「それは、君の病状に理解を示さなかった親が悪いよ。君は悪魔の子なんかじゃない、精神科医として多くの人の命を救ってきたじゃないか。」