2ー47 属性
戦いに向けて強化していきます。
「色は皆様の魔力適性を表しています。優人様は黒に近い灰色ですので闇属性と氷属性が強いようですね。その中でも特に闇属性が強いようです」
……つまり、なんだ?強いってことか?それとも普通なのか?
「さすが勇者様ですねここまで強い属性反応は久しぶりですよ。遥香様も純恋様も素晴らしいです。遥香様は雷属性が強く、純恋様は光属性と水属性が強いです。御三方ともとても強い反応です」
強いのは分かった。
分かったけど分からない。
「えっと……属性がなんなのか分からないんですけど……」
さも知っていて当然みたいな口調で淡々と言われるので気まずくなるが、分からないまま流すのもまずい案件だとわかるので、取り敢えず聞いてみる。
「え?あっ、申し訳ございません。説明不足でした。えぇっと、まずですね、魔力には属性があるんです。種類は8種類で、光、闇、水、火、風、氷、雷、土です。皆さん、この中から適正属性が選ばれるんですが、それが魔力適性と言われるものです。ギルドでわかるのは特に強い属性のみなので幾つの属性を皆様が持たれているのかは分からないんですが、強さは染まった面積の広さでわかります」
話によるとどうやら、その人の特に強い属性の強さによってカードの色の染まる面積が変化するらしい。
3人とも全部染まっているので分からなかった。
弱い人だと中心部分のみが染まって、強くなればなるほど色が中心から同心円状に広がるらしい。
それで、全部染まってしまえばそれ以上、属性の強さはカードでは測れない。
それから色について。
簡単に言うと、
光が金
闇が黒
水が緑
風が青
火が黄
氷が白
雷が紫
土が赤
みたいに分かれているらしい。
僕らの色は黒と白、輝く緑、紫なので闇と氷、光と水、雷の属性の貴色が現れているとわかる。
でも、ここで分かったのはそれだけ。
詳しいことは分からない。
魔力については神殿で聞けるらしい。
途中で説明が面倒になったのか、見事にバレバレなポーカーフェイスで、さっさと神殿に行けと言われた。
因みに、属性は神々の加護によって現れるらしい。
簡単に言うと、神様には3種類あるらしい。
まず、主神
それから眷属神
それから外神
主神はさっき言った8つの属性を司る神様。
眷属神は主神の眷属で、主神が司るものに関連する何かを司る神様。
眷属神には序列があるらしく、大体、第5神までが上級神でそれ以下の序列の神様は下級神と呼ばれる。
例を挙げると、始まりの洞窟にいたラツィエルは光の女神の第3神の神秘を司る神秘の女神だ。
第3神だから彼女は上級神。
ついでに言うと、光、水、風、土の神様が女神で、闇、火、氷、雷の神様が男神らしい。
眷属神の性別はそれぞれの上司である主神と同じ。
最後に、外神は主神でも眷属神でもない神様たちのこと。
堕天使みたいな感じ。
天使のくせして天使じゃないヤツら。
トランプでいうジョーカー。
そんな立ち位置の神様。
数は1番少ないらしい。
無駄に神話が細かくて『こんな知識いる?』ってなるけど、実際に神様に会ったら覚えないわけにもいかないよなぁ……
話を戻す。
一言で言うなら、属性とは『神々の加護』。
神々の加護を得ると、それが適正属性がとなって現れる。
適性がある属性の魔法は扱いが楽になり、消費魔力が減り、出力が上がる。
当然、神の加護とは言っても主神と下級神の加護では術者に与える力の強さは段違いなのだが、それでも加護(適正)有りと無しとでは強さに差が出る。
僕らの場合、カードが完全に染まるということは加護は間違いなく上級神か主神のものだそうだ。
つまり、かなり強い。
正直、勇者補正があった気がしないでもないが、それでも僕らは運がいい。
特に遥香。
まさか幸運値0.1以下でここまでの加護を得られるとは思わなかった。
もしかしたら一生分の幸運使い果たしたかもな、遥香。
予定ではこれから近くの迷宮に行こうかと思っていたが、神殿に行くのも悪くないかもしれない。
少なくとも僕は自分の魔力に興味がある。
それに、神様についてももっと知りたい。
どうせ2、3日でクラスメイト達が着く。
それまでは神殿に行って、宿でのんびりして、それから3人で街の観光ないし、デートでもすればいい。
ここ暫くずっと戦い漬けの毎日だった。
少しはのんびりしてもいいかもしれない。
ダラダラ話は続きません。強化が進んだらすぐに戦いが始まります。まだ序章の序章なので、書くこと書いてできるだけサクサク進めたいと思います。