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星使いの勇者  作者: 星宮 燦
第二章 幻帝戴天
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2ー29 冒険者になろう

「さっきはお騒がせして申し訳ない」


 僕らは今、さっきのギルドマスターから謝罪を受けている。

 場所は受付ではなく2回にある小会議室らしき部屋。


 僕らの前にはガラスコップに注がれたオレンジジュースっぽい味の水色の飲み物が置かれている。

 果物も日本にはないものばかりなので召喚されてはや一ヶ月が経とうとしているにも関わらず違和感しかない。


 だってこれだって見た目はソーダ、味はオレンジの不思議なファンタジーなドリンクだもん。



 話を戻して、



「でもギルドの規則上、彼らからすぐに冒険者資格を剥奪することはできない。彼らが君たちに怪我でも負わせてたら話は別なんだけどねぇ」



 ギルドの規則ではギルド内で起こした武力を行使して誰かを傷つけた場合や殺害した場合は、場合によっては即冒険者資格剥奪で、武力を用いようとしたけど途中で誰かに止められたり、結果的に怪我しなかったりしたら警告が行われる。




 さっきの酔っ払いの場合はギルドマスターに運よく止められたので警告で終わった。

 ギルドマスターも資格剥奪がしたかったらしいが、立場上、見えているのに傍観することは許されない。


 残念ながら酔っ払いの男は警告で終わった。




「別に気にしてませんよ。ああいうのもいるとは思ってたんで。ましてや僕らみたいなガキがきたらああいうこともありますよ」


「はい。私も気にしてませんので処分は警告だけでいいですよ。剥奪はかわいそうですし」


「私も姉さんがいいならいいぞ」


「うん、そう言ってもらえると助かるね」



 そうして小さく笑みを漏らすと本題に入る。


「え〜……冒険者資格についてだけど登録料が小銀貨1枚ほどいるんだけど大丈夫かな」



「あ〜………それなんですけど後払いでもいいですか?」


「後払い?ん?」


 どうやらここには後払いの概念がないらしい。


「とりあえず冒険者になった後でお金が集まったらその分を支払うってことですよ」


「なる……ほ…ど。うん。でも担保がいるんじゃない?小銀貨一枚だから大した損失じゃないけど、ルールを破られるのは困るからね」


「それについては考えてますよ。実はここに来る前にたまたま迷い込んだ迷宮で魔物を狩ったんですよ。だからその素材を冒険者になった後で売ろうかと思っています。ギルドの素材受け取りは冒険者限定ですからね」


「迷宮に行ったのか?君たち3人で?それで何を倒したんだい?スライムとかゴブリンとかかな?」


「狼とか蠍とかドラゴンですね」


「はぁ!?」


「僕らエルリア王国の勇者なんです。スキルのゴリ押しで勝っただけですよ」


 実際のところ、ゴリ押しではない。

 ゴリ押しで勝てたら苦労ないのだが。


 とはいえ本当のことを話す義理もない。

 この程度の嘘、別に問題ないだろう。


「勇者!?君らが!?あ〜いや、ダメだ。頭がおかしくなりそう。ハハッ。…………………………はぁ……もういい。ドラゴンの素材なら間違いなく担保になる。いや、素材の価値の方が高すぎて担保にはならないかもなハハッ。でもわかった。ギルドカードは発行できる。そこは安心してくれ」


「「「ありがとうございます」」」


「それから……受付ではなんの説明もまだ受けてないかい?」


「はい、そうですね」


「まず、冒険者にはランクがある。最下位からアンバー、ヘリオドール、エメラルド、サファイア、パール、トパーズ、アメジストそれからオパールだ。でもオパールなんて聞いたことないからあってないようなもんだけど……と言いたいけど君たちならなれそうだからなんとも言えないね、うん。……で、君たちが言ったドラゴンはエメラルドからオパールまで色々だね、大体。ワイバーンとかならエメラルドだし、エンペラードラゴンならパールだからなんとも言えないけど。まあ、つまり、ランク分けされてるってことだ。で、本来はアンバーからなんだけど、一応飛び級制ってのがあるから君たちならそれを受けてもいいかもしれない。ドラゴン倒せるヤツなら普通にやれば受かるでしょ。……ってことで今から飛び級試験ね。説明は試験場に行きながら話すから」



「……受けない選択肢ないんですね……まあ、受けますけど……」


「いいんだよ、行き当たりばったりで。まだ子供なんだから」



 それからゆっくり立ち上がると扉に向かって歩を進める。


「ところで試験の内容ってなんなんですか?決闘とか?それとも試験官同伴で魔物討伐とか?」


「良さげな冒険者捕まえて戦ってもらう。互いに何かを賭けるわけじゃないから決闘とは言わないね。でも内容自体は決闘と同じだよ」


「良さげな冒険者って……そんな簡単に見つかりますか?」


 今日の宿代のためにも今日中に試験に受かりたい。


「見つかるよ。協力したら勝っても負けても礼金が出るからね。それも結構な額の。そもそも飛び級自体が滅多にないから頼んだらほとんどの人が協力してくれるよ。貴族冒険者とかなら別だけど」



 そんな話をしていると会場に着いたようでギルドマスターの足が止まる。



「すぐに相手連れてくるから」


 そう言い残して彼は受付の方に戻って行った。











 およそ10分後。

 対戦相手が用意できたようでギルドマスターが魔法使いっぽい人と剣士っぽい人を連れてコロシアムみたいな試験場に戻ってきた。



ギルドマスターはそこまで強くないです。

イモータル・キング・ウルフといい勝負でしょうか。

スキルなしなら優人相手に、5回に1回なら勝てると思います。

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