3ー82 お茶会の招待
最後にお知らせがのっています。気が向いたら読んでください。
変わり映えのない日々を過ごすこと2週間。
2度目の休日が訪れる。
しかし、僕ら側近衆はアルメフィアの部屋に集められていた。
「レインミル」
アルメフィアが名前を呼ぶと、すぐに2年文官で側近のレインミルが報告を始める。
耳にかきあげた金の長髪が、サラサラとなめらかな音を立てて背中で揺れた。
「報告はアルメフィア様のお茶会への招待についての話です。昨日、アルメフィア様宛に手紙が届き、お茶会に招待されました。主催国はルーンゼイト神聖国の王子であるレクルクス様です。優人と純恋のために説明しておくと、ルーンゼイト神聖国は神に好かれていることを鼻にかけた国で、光属性の者が多く、闇属性を嫌う国です」
聞いたところによると、ルーンゼイト神聖国を理不尽に追い出された勇者のせいでラツィエルは倒れたらしい。
碌なことしないな。
続いての報告はヴィユノーク。
「私の調査によると、レクルクスは……おっと失礼、レクルクス様は器は凡人以下……間違えました凡人並み、頭脳も同じく、そして力も同様に。しかし高位の光属性を保持して尚且つ美しい女性限定で見る目があるようです。とどのつまり、思考回路が典型的なルーンゼイト貴族の恥知らずです。そして、闇属性持ちを嫌悪しているため、全てが劣っているにも関わらず、アルメフィア様をとにかく嫌っています。生まれだけが取り柄のくせに見下すことしか脳がない男です。取るに足らない人間ですがこれでも一応、王子です。失礼のないようになさってください」
「わたくしは貴方の方が心配なのですけど」
「ご安心ください。人前ではちゃんと取り繕います」
「頼みますよ?」
そう言うアルメフィアの顔に心配の色は大して見られない。
まあ大丈夫だろう、という一定の信頼があるからだ。
ここまでヴィユノークを観察して自分なりに分析した結果を話すと、普通に優秀な男、である。
アルメフィアへの極度な傾倒を見せているが、それを除けば普通の優秀な男だ。
実のところ、もっと何かあると思っていた。
たとえば薄情だとか。
たとえば無慈悲だとか。
もっと何かあると思っていた。
が、蓋を開けてみるとこうである。
特別薄情なわけでもなく、普通に忠誠心もある。
無慈悲かどうかはわからないが、目立って悪い点はない。
ただただアルメフィアに心酔しただけの狂人だった。
『ただの狂人』が褒め言葉かどうかは置いておいて。
「同行するメンバーの指定はありませんから、基本に沿って護衛2人と文官と側仕え1人ずつでよろしいかと。文官はわたくし、レインミルが同行いたします。側仕えはどうされますか、アルメフィア様」
ってことは僕らは決定か。
まあアルメフィアは王族だしな。
万が一があってはいけない。
「側仕えはルーナを連れて行きます。レインミル以外全員一年生だと困ることもあるでしょうから」
「かしこまりました」
「レインミル、お茶会の日時はいつになったんだ?」
参加が決定事項ならその日を空けておかなければならない。
「日時は7日後。来週のこの日ですわ。場所は中央棟のお茶会室です。大勢の上級貴族及び王族の方を集めたようで、1番大きいお茶会室を押さえているようです」
中央棟とは文字通り学園の中央にある棟で、僕らが授業を受けている大講義室などもある棟だ。
この学園において最も大切な棟であり、地下には学園を生み出した創造魔法を維持する巨大魔石もあると言われている。
この学園の根幹である。
その中央棟で僕らはお茶会をする。
どうせ僕は多分見ているだけだが、お茶会に同行する。
「報告ありがとう存じます。では、皆はそれに向けて各々の準備をしておいてくださいませ」
アルメフィアの締めの言葉にその場にいた全員が了承の返事を返した。
僕と純恋も同じように返事をする。
まあ、護衛騎士の準備なんて強くなることくらいなんだけど。
お知らせです!そろそろストックが厳しいので3ー88で毎日投稿を区切ろうと思います。ちょうど200エピソードでしかもストーリー的にもキリがいいしということで、切るならここでしょって感じで決めました。
その後に関しては週一投稿って感じで進めようと思っています。ま、ストックができるまでの辛抱っすよ。増え次第毎日投稿も再開するのでしばらくは週一投稿でやっていこうと思いまーす。
あ、毎日投稿終了記念のつもりで星が欲しいです。
勉強に励みつつ執筆する作者を応援するつもりで、まあ、ね?一人当たり星5コ欲しいですね。ついでにブクマも。
ということでこれからも本作をよろしくお願いします!!