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星使いの勇者  作者: 星宮 燦
第三章 星と悪童
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3ー59 異彩を放つ者

星ありがとうございますっ!!

 王女・アルメフィアは賢い。


 ただ、天才ではない。

 スキルを貰ったという点においては、確かにナニカを生まれ持っていたのかもしれないが、少なくとも勉学において、天才と呼べる資質は持ち合わせていなかった。




 しかし。


 活動すべき昼間を呪いによって縛られ、夜は身分が邪魔して動けなかったアルメフィアには勉強しかなかった。

 昼間を勉学に費やし、夜も勉学に費やした者が賢くならないわけがない。


 運がいいのか悪いのか、【三頭霊獣(サーベラス)】を持つ彼女は睡眠が不要だった。



 眠たくても眠れない。


 そんな、ステータス低下よりも呪いらしい効果によって、時間を持て余した彼女は24時間全てを勉強と読書に費やした。


 誰よりも知識をつけた彼女は誰よりも賢かった。



 そのうちアルメフィアは昼は秀才として、夜は覇者として生きるようになった。




 家庭教師を雇っても家庭教師が教えられる始末。

 夕方に、暇な騎士が指南のつもりで手合わせするとなす術もなく打ち負かされる。


 そこでようやく貴族たちはアルメフィアの才に気がついた。

 そして、圧倒的な知識と、夜間の武に畏れを抱いた。



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 恐ろしかった。

 彼女の成長が。


 今はまだ嘲ることができる。

 異天児の出来損ないと声高に馬鹿にできる。


 でももし彼女が成長したら。

 もし弱点を克服して、アルトムートを超えた完全無欠な王となれば。


 その時は自分たちが危うい。


 そう理解した。



 たかが真獣種程度。

 されどその真価を発揮すれば天獣種でさえ殺す。


 その異常を恐れた。

 その異質を嫌悪した。



 だからより一層強く、アルメフィアを潰しにかかった。

 王になるなど言えぬよう。

 立ち上がることがあらぬよう。


 心を折ろうとした。



 いくら本人に力があろうとも、彼女が権力を(ほっ)さなければ意味はない。

 彼らは手を取り合って、アルメフィアという異質の排除にかかった。


 時間はない。

 学園でその力が日の目を見れば全てが無駄。


 どれだけ過去をちらつかせても、築いたものは崩れないだろう。



 だが。


 妬みという感情を持つ人間という生き物であるが故に。


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 どれだけ彼女が功績を積んでも、昔は呪いの姫君だったという事実が影となり、積み上げたものを曇らせる。

 結果、いつまでもアルメフィアは認められない。


 一部の反アルメフィアの貴族はその展開を心から望んだ。





 そして()()()()()()()()()()()()()()


 各国の貴族はすでに知っている。

 王女アルメフィアは呪いをもった不幸な子だと。

 出来損ないの異天児だと。





 さあ。


 残る計画は後一つ。

 これで王女を終わらせる。

 各国の貴族が見る中で王女に恥をかかせてやろう。




 王女が醜態を晒した瞬間、計画は終わり、彼らの未来に光が灯る。

 反アルメフィア派の貴族の思惑が一つに重なった。


 


 ーーしかし、彼らにその日が訪れることは永遠になかった。


【三頭霊獣】は『闇を歩むもの』の効果さえなければ、【創造】や【進化】と同じ最上位スキルに名を連ねてました。

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