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星使いの勇者  作者: 星宮 燦
第三章 星と悪童
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3ー51 欠席の理由

そろそろ会議に移ります。

【雫】の詳細は後日!

 予定通りの2日後、私はラフィカノー公国の宮殿を訪れていた。

 言うまでもなく、九王会議のためである。


 会議が行われる小広間に着くまでの移動中、どこかの王と会うかと思っていたがそんなこともなく、結局誰とも会うことなく小広間に着いた。


 既に半分ほどの王が席に着いていて、それぞれ1人ずつ護衛騎士と文官を後ろに待機させていた。


 護衛騎士と文官1人ずつ。

 それは高位の貴族が人と公的な話し合いの場で会う時の基本的な付き人である。

 学園で全員が学ぶことなので、誰もが3人で会議に臨む。


 私の場合はクロウとヴァイス。

 ヴァイスは王国騎士団長で異天児の男だ。



 ちなみにメイドルファスは何もしない。

 屋敷で待機だ。


 宰相や、それと同等の位置にいる貴族が来るのは、王が急な何かで会議に出席できなくなった時の予備。

 基本的にただ待つだけだ。




 しかし。



「申し訳ありませんが、我がレディプティオ帝国の皇帝であられるブラスフェミー様は突然の病により、ご欠席されます」


 その立場を悪用する国も当然ある。


 大臣らしき男は慇懃に礼をして謝罪の意を示すが、病というのは嘘だろう。

 前回の通信の魔術具を用いた緊急会議の時も何か用事があるとかなんとか言って代理の者が出席していた。

 今回もただの嘘っぱちだろう。


 何が言いたいのか深掘りすると、『大陸最大の勢力を誇る我々の(あるじ)がなぜ下位の者どもの集まりに行かねばならないのだ。下の者たちで勝手にやってろ』といったところだろう。



「残念ながら我々の王も急な用事により、ご欠席されます。どうか寛大なお心でお赦しください」


 1人不作法な輩がいれば2人目もいる。

 今度はモスターサの王の代理がそう告げる。


 名前は昨日思い出したばかりのタイラント。

 2日前の神代の間で私に話しかけた男だ。


「御二方にに非常に残念だという(むね)をお伝えください。ブラスフェミー様には後で見舞いの品でも持って行かせましょう。本当は私が直接持っていきたいところですが、今回はそのようにするわけには参りませんので側仕えに届けさせます」


 訳すと『お前らの無礼を私は寛大な心で許してやろう。それから、ブラスフェミーの弱った面を拝んでやりたいところだが今回は勘弁してやる。お前には部下の持っていく適当な見舞いで十分だろうから、部下に適当なやつを持っていかせるな?』となる。


 馬鹿にされたら必ず煽る。

 それが貴族の鉄則だ。


 こんな失礼な奴らに丁寧な言葉は使いたくないが、君主が欠席することになったため奴らは君主の代理となり、全権を委任された。

 奴らの言葉は君主と同じ重みを持つのだ。


 故に私も対等な者として扱わなければならない。

 最悪だ。



 その時になってようやく最後のグループが部屋に入る。


「遅くなって申し訳ない」


 全く申し訳なさそうではない、謝罪の『し』の字すら籠ってないような口調で3人の男が入室する。


 この国の君主である大公マグナルス。

 それからオマケの2人。



 人を待たせるということはその相手を見下しているというふうにとって差し支えない。

 レディプティオ帝国代理よりも遅く来るということはレディプティオでさえ自分より下だと思っているらしい。

 毎年この場を提供しているから王に足を運ばせていることを自分の力だと思っているのだろう。


 やはり、自分を最上の存在と信じて疑っていないようだ。



 だが、誰も指摘はしない。


 どうせ指摘しても適当に躱されるだけだからだ。

 ならば、あえて何も感じないフリをする。


 皆同じことを考えて、結果誰も何も言わなかった。



「レディプティオ帝とモスターサ王はご欠席のようですな。ではこれにて九王ーーいや、七王会議を始めるとしましょう」




 マグナルスの掛け声で頭の痛くなるような会議は始まった。

始まるまでに一話使うのは作者も予想外だった……。

予定ではこのエピソードで会議が終わるはずだったのに。www



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