表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星使いの勇者  作者: 星宮 燦
第三章 星と悪童
132/247

3ー21 隅っこ4人暮らし

最近エピソード番号がしょっちゅうずれててすみません。閑話を本編に組み込んだ関係でズレています。気づき次第修正を入れていきます。

 すーすー、と規則正しい寝息を立てて眠る少女が隣に1人。

 1人の男としては、もう少し警戒してくれと言ってやりたいくらい無防備に眠る少女を横目に見て、重いため息を吐き出す。

 もう既に色々あったあとなんだけど、僕の目的はデートについての助言を得ることなんだよね。

 デートの助言を得るという点だけで考えたら、僕はただ1時間も浪費したことになる。



 だからまずそれを考えないといけないんだけど、残念ながら何も浮かばない。

 気分が乗らないものは仕方ないから紗夜を寝かせた後1人で街をぶらぶらする。


 適当に大通りを通り、裏路地を抜け、街から出て、近くの山に転移してそのまま気が向くままに魔物を狩った。

 魔物からしたら悪夢でしかないが、まあ仕方がない。

 魔物として生まれたその身を恨め。



 因みに、魔物は自我が無い獣で、身体が望むままに周りの生物を喰らう生き物だ。

 例えたら……欲望が全ての猛獣みたいなものかな?

 ライオンやらトラやらが更に凶暴になって、暴れ回っているようなもの。


優人、お前は猛獣に謝れ。

猛獣にも理性と知性があるのだ。



 さて、殺さずに捕まえれば……と思うかもしれないが、基本的に魔物は捕獲できない。

 捕獲できないと言うより、魔物を管理できるだけの機能を備えた建物を建てられないのだ。


 別に技術が足りないのではない。

 お金が足りないのだ。



 この世界って平民の生活水準が結構低いんだよね。

 そんなこの国で動物園ならぬ魔物園を作ろうものなら市民の暴動が起きるんだよ。

 で、暴動の最中に檻が壊れて貴族街に魔物が溢れて、魔窟が出来上がる、って話。





 例えば、ライオンが自力で檻を壊せる力を持っていたら人間はどうするだろうか。

 トラが檻から自力で脱出して気が向くままに人間を食いだしたら政府はどう対処するだろうか。


 果たして政府は逃げ出した猛獣を捕まえて新型の檻に閉じ込めろと言うだろうか。

 しかもその猛獣の力が未知数で、次に開発する特別性の檻でも捕獲が確実じゃなかったらどうだろう?

 多分、動物を殺せって言うだろうね。

 人間が動物園を訪れて生み出す利益と新型の檻を開発して設置するための出費を天秤にかけて、更に出費の方の天秤に入園者の命の危険を上乗せして考えればどうするべきかは考えるまでもない。


 ゴジラやがその生存を認められなかったのと同じように、魔物もその生存を認められない。

 そういうものだ。




 ***




 死んだ魔物は【星】の亜空間に放り込む。

 これが超便利で容量はほぼ無限、中で物理的に距離が離れているので大切なものと汚いものを一緒に突っ込んでも汚れる心配はない。

 何より、死体が腐敗しない。


 だから、今までマジックバックに入れていたものを全部亜空間にぶち込んで持ち運んでいる。


 死体をそのまま持ち運んでいるわけだからギルドからの報酬もいい。

 僕は無理なく労せず、多めに金をもらっているわけだ。


 ……最近はギルドに行けてないんだけどね。


 特別講習の間に行けたらいいなと思っている。




 転移で山から直接城の部屋に戻ると、時間になったので軽く服装を整えて返り血とかがついてないか確認した上で城の食堂向かう。


 客人ではあるが礼儀作法がなってないので王族や宰相、フェルテを含む王族の親族だけが集まる夕食会には誘われず、勇者だけで食事を摂ることになっている。

 夕食会場で無作法をされたらたまったもんじゃないからね。


 貴族の威厳が保てて、尚且つ勇者を軽んじてないアピールが出来るラインがここだったというわけさ。


 僕らにしても、堅苦しい会話の応酬が続いて喋って良いのか分からずに黙って黙々と食べるよりは、よく知ったクラスメイトだけの方が気が楽なので問題なく決まった。


 というわけで言われた通り食堂に来たのだが、なぜか空気が堅い。

 まだ全員揃っているわけではないし、夕食の予定時刻よりもまだ早いので別に来るのが遅いと言われる筈はない。

 他に何があるのだろうかと見回すと、部屋の壁際にに4人の人が並んでいた。


 服装からしてこの城の側仕えの人だと思う。


 仮に側仕えだと考えたところで、次の疑問が湧き上がる。


ん〜……なんでいるんだろ?


 勇者の監視……とかではないだろう。

 もしそれをやるにしてもここまであからさまに監視はしないだろうし。

 だって監視したら勇者を信用してないってことになって、勇者が他のもっといい国に逃げるかもしれないし。


 そんなバカなことをアルトムートはしないと思う。


 だからつまり………どういう事だ?


 結局考えはまとまらなかった。

もうちょっと退屈な話が続きます。でも三章自体は結構波乱の章なので作者的には退屈しない内容だと思います。ちなみに現在執筆では、三章最後のイベントを書いています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ