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星使いの勇者  作者: 星宮 燦
第三章 星と悪童
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3ー18 自星の燈

 あの後しばらく2人してぼけーっと……はしてないけど、静かに仲良くしているうちにパーティーは一旦終わったらしい。


 アルトムートは今日はこのまま城の客室で休むように言って、なんと1人一部屋与えてくれた。

 フェルテは2人で一部屋だったのに。

 これが王族と一貴族の差である。


 当たり前だが僕らは別々の部屋に入り、一夜を過ごした。

 純恋も部屋に訪ねてくることはなく、そのまま別れた。


 ……キスはまだにしても……抱きしめるくらいはしたほうが良かったのかな?


 ……まあいっか。


 付き合いだしたのに今までと何も変わってないのはどうかと思ったが、わざわざこれから会ってするほどのことでもないので後日の予定に回しておく。

 ちなみに付き合い始めたことは遥香と蒼弥だけに伝えて、残りの人には秘密にすることにした。

 奏に言ったら絶対からかわれるからだ。

 蒼弥も揶揄うだろうが、でもまあこうなった以上話しておこうと思った。


 伝えたら予想通り軽く揶揄われて祝福してくれた。



 遥香の説明純恋に任せた。

 どこからともなく奇声が聞こえたということは、もう言い終わったんだろう。

 明日がちょっと怖い。






 それから、アルトムートによる学園に関する説明はいつの間にかフェルテの仕事に移っていたらしく、明日の昼頃に各部屋に使いを出すらしい。

 予定を空けておくように言われた。

 また仕事増えてやんの。


 遅めに来た意味なかったな。


 そして翌日。

 ご飯の時以外、特に部屋から出ずに中で色々試していた。

 しばらく止めていたガオカティアの卵にも魔力を注いでおいた。


 もう既に半分は超えており、6割近くに至っている。


 それから、【小宇宙(コスモス)】内で色々試したりもした。

 途中で純恋が来て、一緒に実験をした。


小宇宙(コスモス)】内、もしくは晴れた夜にしか使えない技というのがあり、それを実際に使ったり万が一窮地に陥った時の仕掛けも施したりしておいた。


「付き合ってから目標が増えたからな」


「なんですか?」


「純恋を守る」


「優人くん……大好きです」


「僕も大好きだ」


「ふふっ」


 静かだけど和やかで落ち着くこの時間が好きだった。

 これがいつまでも続けばいいのにといつも思う。


 でも、何もせずに平和の恩恵を受けれるとは思っていない。

 いつも平和に代償は不可欠だ。

 それが今回は努力だという話。


「それで、さっきから見てる技はなんなんですか?」


「まあ……いっか。【自星の燈(エトワール)】」


 別に問題ないだろう。


 それに、何も起こらない。

 具現化したらわかるのだろうが、今はする意味がない。




 まあこれが今の奥の手だ。




 因みにだが、これは以前言った残り二つの術式には含まれない。

 ◯◯関連技、みたいに一つにまとめているうちの一つだ。


 ◯◯関連技みたいなのまで数えたら未使用のものはまだ10近くある。


「もっと頑張らないと優人くんの役に立てなくなります」


「純恋は十分頑張ってるだろ」


「私が納得いかないんですよ」


「じゃあ強くならないとな」


 学園入りしたら少しはゆっくりできるだろう。

 そうしたらやりたいことがいっぱいある。


 せっかく恋人同士になれたんだ。

 学生らしく青春を謳歌するのも悪くない。


 2人で少しずつやっていこう。



「さ、もうすぐ時間だ。そろそろ部屋に戻らないといけないだろ」


「準備とかはないので早めに戻る必要はないと思いますけど……勝手に部屋に来てたことがバレたらいけないのでもう戻りますね」


 純恋に手を翳して【空間転移】を発動する。


 そして自分1人になった【小宇宙(コスモス)】を閉じて部屋に戻る。



 起きてから今までずっと誰かが側にいたので、自分一人で取り残された自室が少し空虚に感じられた。


「んッ……」


 軽く伸びをして体をほぐした後はソファーに座る。

 高級素材でできた柔らかい座面は疲れた体を優しく受け止める。


 さて、もう集合までに大した時間はない。

 何をしようか。




 しばらく考えるも、大した案は浮かばない。

 結局、特にすることも見つからないので使いがくるまでずっと【自星の燈】とガオカティアの卵に魔力を注ぎ続けた。


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