第97話 打ち明けますね
私とイスネリはミレニアさんを連れて、さっきアイシャと別れた森の所まで帰ってきた。
もう辺りはすっかり暗くなっていたが、私達が森の中を進んでいると、少し奥の方からクウネの声が聞こえてきた。
「ラフィーネー! こっちだよー!」
私達はクウネの声が聞こえた方に向かった。
そこにはアイシャと、湾曲した大きめの短剣を腰に下げたクウネがいた。
私達は二人の所に行くと、私が二人に声を掛ける。
「もう戻ってきてたんだね。私達もミレニアさんを連れて来たよ」
アイシャが私の後ろにいるミレニアさんに会釈して話し掛ける。
「ミレニアさん。急にお呼び立てして、申し訳ございません。何しろ時間があまりなかったもので…」
「…ううん、別に大丈夫だから。それでここからまた移動するの?」
私とアイシャとクウネとイスネリは顔を見合わせた後、私がミレニアさんに話す。
「えっと、まずミレニアさんに知ってもらいたい事があってね。イスネリ。いいかな?」
「はいですの」
ミレニアさんは不思議そうに私とイスネリの顔を交互に見た。
ボンッ!
そしてイスネリがワイバーンの姿になった。
ミレニアさんが驚いた表情をして、腰の剣に手が伸びる。
「ミレニアさん! 大丈夫! 襲ってきたりしないから!」
私が慌てて、ミレニアさんの手を止めて声を掛けた。
ミレニアさんが驚いた表情のまま、私に聞いてくる。
「…えっ!? イスネリさんはドラゴンなの?」
「はいですの。正確にはワイバーンですの」
そこはやっぱりちゃんと訂正するのね…。
私がミレニアさんの手を握りながら、話す。
「イスネリは神竜なの。隠すつもりはなかったんだけど、怖がられるといけないから」
「…そうだよね。普通の人が見たら、怖がるよね」
「うん。だから、この事はキャラバンの人達には秘密にして欲しいんだ」
「…うん。いいよ。秘密にしておく」
「ありがとう。ミレニアさん」
「ありがとうございますの」
ミレニアさんは、また私の方を見て聞いてくる。
「…それで、ラフィーネさんが勝てないモンスターって、どこにいるの?」
「聖樹の森って所にいるの。で、そこにはこのイスネリに乗って連れて行ってもらうの」
「…聖樹の森…?」
「知ってる? ミレニアさん」
「…ううん。初めて聞いた」
「その聖樹の森にこれから行って、そこにある聖樹を取りに行きたいの。でもそこにはトレントゴーレムっていうモンスターがいてね…」
「…そのトレントゴーレムがラフィーネさん達が勝てないモンスター?」
「そうなの。硬くて、数も多いんだ。私達だけじゃ、かなり不安なの。それでミレニアさんに助っ人をお願いしたいの」
私の後ろでアイシャとクウネが頭を下げた。
それを見て、ミレニアさんがぶんぶんと両手を振って答える。
「…そんな…。私で良かったら、いつでも協力するよ」
「ホントに? 一緒に戦ってくれるの?」
「…うん。でも、私もラフィーネさんに一つだけお願いがあるんだけど…」
「何なに? 何でも言ってみて!」
「…あの、モーネサウラに帰っても、また私と一緒にクエストとかしてくれないかな?」
意外なお願いに、ちょっとビックリした私が聞き返す。
「えっ? 私達と一緒に?」
「…うん。アルメダさん達といるのも楽しいんだけど、ラフィーネさん達を見てたら、やっぱり冒険者は楽しそうだなって思って…。べ、別にチームに入れてってわけじゃなくて、たまに私をクエストに誘ってくれるだけでもいいから…」
私はアイシャの方を見た後、アイシャが笑顔になったのでミレニアさんに言う。
「そんなの大歓迎だよ! 全然いいよ! 帰っても一緒にクエストとかやろうよ!」
「…ありがとう」
そして私はアイシャとイスネリの方を向いて、乗り込もうとしたが、一つミレニアさんに伝えるのを忘れていた事を思い出した。
「あっ、そうだった! ミレニアさんにもう一つあるんだった」
「…ん? なに?」
私はクウネの方を向いて声を掛ける。
「ナヴィ。出ておいで」
クウネの横で宙に浮かんだナヴィが現れた。
えっ? ナヴィ…。今、透明になってなかった?
そしてナヴィがミレニアさんに話し掛ける。
「こんばんは。白猫のナヴィです」
フワフワ浮きながら、ナヴィはちょっと照れたように挨拶した。
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