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ポンコツ貴族令嬢が最強スキルをゲットしたので、自由を求めて家出する。~家出令嬢の冒険譚?~  作者: 十目 イチ
キャラバン編 ~聖樹の森~

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第90話 謎の男の子

 人型トレントゴーレムは腕を地面から引き抜くと、ズシンズシンと大きな足音を立てて、私達の方に向かって歩いて来る。



 イスネリが私達の所に飛んでくる。


「ごめんなさいですの。皆さんを落としてしまって…」


「大丈夫だよ。イスネリ。攻撃されたんだから仕方ないよ」



 アイシャもイスネリに話す。


「そうです。それよりもまず目の前の敵をどうにかしましょう」


「分かりましたですの」



 私達は向かって来る人型ゴーレムに身構える。


 私は三日月を展開しながら、剣を構えた。


「グアーー!」


 唸り声のような不気味な音を出しながら、人型ゴーレムが向かって来る。


「行くよ! みんな!」


 私の掛け声と同時にアイシャとクウネが走り出し、人型ゴーレムを左右から挟み込む。


 イスネリが正面から人型ゴーレムに向かって飛び出した。


「ゴォー!」


 ブンッ!


 人型ゴーレムが向かって来るイスネリに向かって声を上げて、腕を振り下ろす。



 それをすんでの所でイスネリがかわした。


 ドゴォンッ!


 人型ゴーレムの腕が地面にめり込む。

 動きの止まった人型ゴーレムにアイシャとクウネが左右から一斉に攻撃し、私も三日月を人型ゴーレムめがけて放った。


 バキィ!

 バシュッ!

 ザクッ! ザクッ! …


 三人の攻撃が同時に人型ゴーレムに当たる。

 しかし、何もなかったように人型ゴーレムは腕を地面から引き抜き、アイシャとクウネが人型ゴーレムから離れる。


 イスネリが正面から人型ゴーレムに向かって蹴りを放った。


 ゴォンッ!


 蹴りは人型ゴーレムの顔面に綺麗に当たり、体が大きく揺らいだが、人型ゴーレムはイスネリを殴ろうとして再び大きく腕を振る。


 イスネリはそれをかわし、人型ゴーレムの腕は空を切った。



 私達は再び距離を取り、同じ場所に集まって私が話す。


「硬いね。効いてる感じがしないよ」


 アイシャもそれに同意する。


「はい。確かにあまり効いてる感じがしませんね。イスネリと合流出来ましたし、ここは戦闘は避けて上に離脱した方がいいと思います」


「そうだね。イスネリ。お願い出来る?」


「分かりましたですの」



 人型ゴーレムが近付いて来るが、イスネリの背中に私が乗り込み、続いてアイシャとクウネが乗り込もうすると、


「キャー!」


 クウネが悲鳴を上げて倒れこみ、そのまま地面を引きずられていく。


 クウネの足にさっきの鞭のような枝が絡まり、クウネの体を引きずって行く。

 引きずられて行く先に大木ゴーレムが見えた。


「クウネーッ!」


 私が叫ぶと同時にアイシャがクウネに向かって駆け出した。


 アイシャが素早くクウネの足に絡まった枝を断ち斬ると、立ち上がったクウネとアイシャがこっちに向かって走り出す。


「お嬢様! 前です!」



 アイシャに言われて前を向くと、私とイスネリのすぐ近くまで人型ゴーレムが来て、腕を振り回そうとしていた。


「ぐっ! 飛びますの!」


 イスネリが私を乗せたまま、人型ゴーレムの一撃を飛んでかわした。


 私は落ちないよう、イスネリの背中に必死にしがみついていた。


 イスネリはすぐに地面に降り立ち、


「アイシャさん! クウネさん! 今ですの!」


 アイシャとクウネがイスネリに向かって走る。



「君達! ここで何してるんだ!?」


 ふいに森の中から声が聞こえ、私はイスネリの背中からそっちを見た。


 木陰から男の子がこちらを見ていた。



 ?こんな森の中に男の子?



 再び、私達に向かって人型ゴーレムが歩きだし、アイシャとクウネの背後から大木ゴーレムの鞭が向かって来る。


 ダメだ! アイシャ達が間に合わないっ!



 私がそう思った瞬間、男の子が私達に向かって叫んだ。


「僕が動きを止める! その間に逃げて!」


 男の子が両手を前に突き出すと、二体のゴーレムの動きが鈍った。



 イスネリの背中にアイシャとクウネが飛び乗り、イスネリが私達に叫ぶ。


「飛びますの!」


 イスネリは真上に飛んだ。

 それと同時に再び、二体のゴーレムが動き出した。


 私が下を見ると、さっきの男の子が地面に倒れこみ、ゴーレムの攻撃目標がその男の子になっている事に気付いた。



 咄嗟に私が叫ぶ。


「ダメッ! イスネリ! あの子を助けるよ!」


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