第85話 礼儀を知る猫
ミレニアさんはキャラバン隊のカナンちゃんと二人で武器屋の店内にいた。
声を掛けられた私が答える。
「あー、ミレニアさん! ミレニアさん達もこの武器屋さんに来てたんですね」
「…うん。ラフィーネさん達も武器の修理に?」
「はい。クウネの手甲のへこみを直してもらいに来てたんです。お二人は?」
ミレニアさんの隣にいるカナンちゃんが答える。
「私はキャプテンからお使いを頼まれて。ミレニアは武器の調整だね。それでミレニアと二人でね」
「そうなんですね。もうキャラバンのお店は開けてるんですか?」
「うん。もう今朝から開けてるよ。良かったら、また寄ってってよ」
「はい。またぜひ近々、行かせてもらいます」
すると、さっきの男性店員が私達の所にやって来て、
「すいません。さっきの修理の件ですけど、二、三時間って言ったんですけど、工房が混みあってて、夕方ぐらいまでかかるんですけど、よろしいですか?」
私はアイシャとクウネと顔を見合せて、二人とも無言で頷く。
夕方だったら、夜の出発には間に合うからいいよね。
「分かりました。じゃあ、また夕方頃に取りに来ますので、よろしくお願いします」
そう言うと、店員さんはお辞儀しながら、カウンターの方に消えて行った。
そのやり取りを見ていたミレニアさんが不思議そうな顔をして私に聞いてくる。
「…今日取りに来るの? 急ぎなんだね?」
「えっ? ああ、ちょっとね…」
ちょっと戸惑った私にアイシャが助け船を出した。
「クウネがお気に入りの手甲だから、早く直したいってうるさいんですよ。困ったものです」
クウネが急に話を振られて、ぶんぶんと首を縦に振る。
「…そうなんだ。お気に入りの武器は早く直したいもんね。分かる」
すると、カナンちゃんが何かを思い出して私達に聞いてくる。
「そういえばキャプテンから今夜の事聞いてる?」
「今夜? いや、何も聞いてないよ」
「今夜、ランシーア到着の打ち上げをするってなったの。ラフィーネ達はまだ何も聞いてない?」
私はアイシャ達を見たが、もちろん誰も聞いてないって反応をした。
ミレニアさんがそれを見て話す。
「…アルメダさんはさっき思いついたみたいに私達に言ったから、後でラフィーネさん達に知らせに行くんじゃないかな?」
カナンちゃんが手を叩いて言う。
「あー、そうかもね。さっき開店前にバタバタしてて、確かに『忘れてたっ!』 みたいな感じだったもんね」
それを聞いて私が話す。
「もしかしたら、私達に気を使って誘わないかもしれないし、とりあえずお誘い待ってみるよ」
「…そんな事ないよ。絶対アルメダさんはラフィーネさん達に声掛けるよ」
私はアイシャと少し困った顔をして、顔を見合わせた。
ミレニアさん、カナンちゃんと別れた私達は武器屋を出て、食材などの買い出しをした後、一度リズシーレさんの家に戻る事にした。
その途中、アイシャが私に聞いてくる。
「もし、今晩アルメダさんから打ち上げに誘われたら、聖樹を取りに行くのは延期ですか?」
「そうだよねー。どうしよっかな?」
「まだ誘われたわけではないですし、もし打ち上げに出ても、その後に決めてもいいんじゃないですか?」
すると、ナヴィが話に入ってくる。
「そうだにゃ。私は一日くらい延期になっても別にいいし、アルメダさんのお誘いを断る方が失礼だと思うにゃ」
…精霊獣に人間界のマナーを教えられてしまった…。
私達はこの後、町で食材を調達してからリズシーレさんの家に戻ってきた。
すると、リズシーレさんの家にいる黒い服の女性が私達に、ミレニアさんの予想通りさっきジャーバさんがこの家に来て、今夜の打ち上げの事を伝えて欲しいと言い残して、帰って行ったそうだ…。
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