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ポンコツ貴族令嬢が最強スキルをゲットしたので、自由を求めて家出する。~家出令嬢の冒険譚?~  作者: 十目 イチ
キャラバン編

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第83話 聖樹の森へ行くにあたって

 リズシーレさんは棚から大きな紙を出して、テーブルの上に広げた。


 それは古い地図でいろいろと書き込みがされていた。

 それを私達に見せながら、リズシーレさんが話す。


「聖樹は私も研究に必要だから、以前はたまに取りに行ってたんだけどね…。遠いうえにその森が厄介な事になったから、最近は全然行ってなかったんだよ」


 私が尋ねる。


「厄介な事ですか…。それでその森はどこなんですか?」


 リズシーレさんは地図を指差しながら、私達に話す。


「ここがランシーアで、聖樹がある森はここだよ。普通に馬車で行くなら三、四日はかかる距離だね」


 リズシーレさんが指差した所を動かしながら続ける。


「貴方達はそこの神竜さんで飛んで行くでしょうから、半日から丸一日ぐらいで着くかしら?」


「おそらく、そのくらいですの」


 イスネリが答える。



 そしてリズシーレさんが続ける。


「問題はこの森の中なの。今、この森はたくさんの樹人形(トレントゴーレム)が守っているの」


「トレントゴーレム?」


「ええ、そのゴーレム達が森への侵入者を遠ざけているのよ」


「どうしてゴーレムが森を守ってるんですか?」


「その森にいる精霊が森と聖樹を守る為に作ったゴーレムなんだけどね。その精霊の命令は聞くんだけど、今はその精霊の力が弱まっていて、ゴーレム達を制御できなくなっているのよ」


「今もその精霊は森にいるんですか?」


「たぶんまだいると思う。私も何十年と森には行ってないからね。適当な事は言えないけれど」


「それで、そのゴーレムは強いんですか?」


「結論から言うと、強くて丈夫。しかも数が多い」



 私達は黙って考えこむ。

 するとナヴィが私達に話し掛けてくる。


「ラフィーネ。もし危険だったら、止めようにゃ。私は別に今のままでも大丈夫にゃ」


「大丈夫だよ。ナヴィ。私達は強いから」


 私はリズシーレさんに尋ねる。


「それでその森に着いたら、すぐに聖樹は見つかるんでしょうか?」


「ああ、それは容易に見つける事ができる。聖樹はほのかに光を放つ習性があるから、この森の中で光る樹木を見つけたら間違いなく、それが聖樹だ」


「だったら、ゴーレムとの戦闘を避けて、空からその聖樹を探して採取するっていう方法だったら、安全に行けますよね?」


「そうだね。私が神竜に乗って聖樹を取りに行くんだったら、その方法を選ぶね」



 私はナヴィに話す。


「ほら。私達ならそのゴーレムとの戦闘を避けて安全に取りにいけるよ」


 ナヴィはホッとした表情を浮かべる。

 だが、リズシーレさんがまた話し出す。


「だけど、それは誰もやった事がないからね。安全かどうかは保証できないよ。何しろこの森全体が生きていて、その一部であるトレントゴーレムは侵入者を見境なく攻撃してくるからね。森にいる精霊もアテにはならないし、私も昔、それで痛い目に遭ったからね…」


「痛い目ですか…」


「ああ、結論から言うと、私とその森の精霊は昔からの顔馴染みで、彼がそのゴーレムを制御出来ないのを目の前で見てしまったからね。それがさっき私が言った厄介な事だね」



 私達は再び黙って、顔を見合せる。


 そんな私達を見て、リズシーレさんが話し掛ける。


「取りに行く方法は貴方達でじっくり話し合うといいだろうね。まだ時間はあるのだから。とりあえず、貴方達が寝泊まりする部屋へ案内するよ。そこでじっくり話し合うといい」



 リズシーレさんはそう言うと、黒い服の女性を呼び寄せ、私達を部屋に案内するように伝える。


 私達がその女性に連れられて、部屋を出ようとすると、リズシーレさんが私達に声をかけた。


「何か聞きたいことがあったら、聞きに来るといいよ。貴方達も私も聖樹が必要なのは同じなのだから、協力は惜しまないよ」


「ありがとうございます」


 私達はリズシーレさんの部屋を出て、案内されるまま私達が寝泊まりする部屋へと向かった。


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