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ポンコツ貴族令嬢が最強スキルをゲットしたので、自由を求めて家出する。~家出令嬢の冒険譚?~  作者: 十目 イチ
キャラバン編

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第80話 ランシーアの魔女

 宿屋に一泊した私達は翌朝、再び宿屋まで迎えに来たアルメダさん、ジャーバさんと合流した。


 アルメダさんの知り合いの所に行く為だ。



 宿屋から歩いて、その人の家に向かう途中、ジャーバさんが背負う大きな革袋が気になったので、聞いてみる。


「アルメダさん。ジャーバさんが背負ってるその袋って、何が入ってるんですか?」


「ああ、これはラフィーネ達が取ってくれたヘルバッファローの角だね。これから行くおじ様の知り合いのリズシーレっていうエルフのババアに納品するんだよ」


 ジャーバさんが苦笑いしながら、アルメダさんに話す。


「キャプテン…。ババアとか言ったらまた怒られますよ」


「いいんだよ。あっしの何倍も生きてるんだから、ババアだろ?」


「まあ、そうですけど…」



 私がアルメダさんに尋ねる。


「私達はそのリズシーレさんの所にアルメダさんが出発するまでお世話になるんですよね?」


「そうだな。ラフィーネ達が寝る所を提供してくれるんだ。前にあっしも何度か泊めてもらったけど、部屋は問題ないから心配すんな」


「そのリズシーレさんって何をされてる人なんですか?」


 んーっと、アルメダさんは上を向いて考えた後、私に答える。


「あっしもよく分かんねえけど、色々と研究したり、作ったりしてるみたい。この角も研究に使うからって、おじ様に依頼したみたいだし」



 魔界のモンスターの角を使って研究するって、何なんだろう?



 そうして歩いていると、町並みから外れて、森のような景色の所にやって来た。



 アルメダさんが私達に説明してくれる。


「このランシーアは外壁がぐるっと全部を囲んでる訳じゃなくて、壁があるのは前面の方だけなんだ。町の周りのほとんどはこんな森に囲まれてるからな」


「へぇー、それでモンスターとか入ってきたりしないんですか?」


「何か町の周りの森には結界が張ってあって、それでモンスターは寄ってこれないようにしてるらしいぜ」


 私は感心しながら、森を見渡したが特別な結界のような物は目につかなかった。


 森の中を少し歩くと、目の前に大きな古い家が見えてきた。



 アルメダさんが私達に話し掛ける。


「あれがリズシーレさんの家だ」


 私達はその家の前まで来ると、家の中から黒い服を着た綺麗な女性が出てきた。


「アルメダ様。お待ちしておりました。中でリズシーレ様がお待ちです」



 私達は家の中に通されて、奥の方に案内された。


 大きな扉のある部屋の前まで案内されると、黒い服の女性がその扉をノックして、呼び掛ける。


「リズシーレ様。アルメダ様がお見えになりました」


 中から女性の返事が聞こえて、扉が開いた。



 部屋の中は沢山の照明器具と本棚が壁にあり、部屋の真ん中には何やらよく分からない器具が沢山乗った大きなテーブルがあった。


 部屋の一番奥にもテーブルがあり、その手前の椅子に座っている女性が振り返って私達の方を見た。


 そしてその女性に向かってアルメダさんが挨拶をする。


「おう! 久しぶりだな。リズシーレばあさん」


「誰がばあさんだよ? 私はまだ適齢期だよ! 相変わらず口が悪いヤツだ」


「何が適齢期だ。『ランシーアの魔女リズシーレ』が婚期なんか気にすんなよ」


「その不名誉なアダ名をつけたヤツをぶっ飛ばしてやりたいよ」


 そう言いながら振り返ったその女性はとてもキレイなエルフだった。

 見た目はどう見ても三十代前半ぐらいにしか見えなかった。



 アルメダさんの後ろにいる私達に気付いたリズシーレさんが、アルメダさんに尋ねる。


「アルメダ。その娘さん達がウチで寝泊まりする護衛の人達かい?」


「ああ、そうだ」


「あ、こんにちは。ラフィーネって言います。今日からお世話になります」


 私に続いて、アイシャ達他の三人も挨拶した。



 リズシーレさんが私達を見回して、話し出す。


「これは面白い組み合わせの娘さん達だね。ああ、私はリズシーレ。よろしく」


 リズシーレさんは優しく微笑みながら挨拶してくれた。


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