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ポンコツ貴族令嬢が最強スキルをゲットしたので、自由を求めて家出する。~家出令嬢の冒険譚?~  作者: 十目 イチ
キャラバン編

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第74話 見ただけで出来たそうです

 まだ道の両側を崖で囲まれている道を走る馬車は野盗の追撃があるかもしれないから、停めることが出来ない。


 アルメダさんは馬車に飛び乗って来たミレニアさんから離れ、身を乗り出して最後方の馬車にいるジャーバさんに合図を送る。


 するとジャーバさんの乗った馬車が最後方から速度を上げ、先頭の私達の馬車の隣に並んだ。



 アルメダさんがジャーバさんに大きな声で確認する。


「後ろは何も被害はなかったか?」


「はい。大丈夫です。全員無傷で、積み荷も無事です」


「ヤツらは追撃してきそうか?」


「いや、ヤツら地べたにも人を置いてたみたいっすけど、馬はなかったんで、このまま行けば追いつけないと思います」



 私は弓を放ってくる野盗に気を取られていて気付かなかったが、道の脇にも野盗が待ち伏せをしていたそうだ。



 アルメダさんがジャーバさんに指示を出す。


「分かった。今の速度のまま、この渓谷を抜ける。お前は後方を警戒しといてくれ!」


 そう言われてジャーバさんの乗った馬車は速度を落とし、再び五台の最後方まで下がった。



 少し落ち着いた速度で走る馬車の上で、アルメダさんが私達に叫ぶ。


「渓谷を抜けるまで、この速度を維持する! まだしっかり周りを警戒してくれ!」



 私達は再び、御者台の上から周りを見回しながら、馬車は少し速度を落とした状態で進んでいく。


 しばらく走ると両側の崖が開けて、見通しがよくなった。

 相変わらず道はゴツゴツとしているが、どうやら渓谷地帯を抜けたようだ。



 岩などが転がった荒野に周りの景色が変わり、アルメダさんが警笛を数回吹いて、やがて私達の乗った馬車が停まった。


 後ろから続く四台の馬車もその周りに停まる。



 アルメダさんが全ての馬車に聞こえるぐらい大きな声を出す。


「全員無事かー?」


 周りの馬車から、はいとか大丈夫ですとか返事が返ってくる。


「このまま少し休憩したら、すぐ出発する。その間に全員もう一度積み荷の確認してくれ!」



 アルメダさんはそう言った後、私達に振り返り声を掛ける。


「助かったよ。お前ら。皆、ケガはないか?」



 少し落ち着いた私達は皆、首を縦に振って頷く。


 クウネが手を上げて、話し出す。


「また手甲がヘコんじゃった…」


 見るとクウネの手甲の拳部分がベッコリとヘコんでいた。



 そりゃ、岩が割れるぐらいの力で殴ったらそうなるよね。



 アルメダさんもクウネのその手甲を見ると、大きく笑い、


「でも、おかげで助かったよ! クウネ! ありがとな」



 私もクウネに声を掛ける。


「モーネサウラに帰ったら、また修理しなきゃだね。次はもっと丈夫にしてもらおうよ」


「うん。もっと可愛いくしてもらおっとー」


 クウネはケロッと答えた。



 そして私はミレニアさんに振り返り、声を掛ける。


「ミレニアさんも剣であの岩を砕くって、すごいですね」


「…あ、うん。ありがと」


 ミレニアさんは少し顔を赤くして答えた。


 クウネも声を掛ける。


「クウネも後ろから急に、避けてーって言われてびっくりしたよー。見たらミレニアがすぐ後ろに来て剣を構えてたから、斬られるーと思って、必死に逃げたー」



 クウネは自分が巻き込まれると思って逃げたのね。


 ミレニアさんは両手をぶんぶん振って、更に顔を赤くして答える。


「…ご、ごめん! 私も足を踏み外さないように必死だったから…」



 それを聞いていたアルメダさんが話す。


「いい連携だったじゃん! 上手くいって良かったよ。なっ! ミレニア」


「…急に呼ぶから、ホントにびっくりしました…」



 私もミレニアさんに声を掛ける。


「普通、あのバックラーの上を跳んで行くなんて、初めて見ただけじゃ出来ないですよ、ミレニアさん」


「…クウネちゃんが跳んでるの見てたから…。でも必死だったよ」



 いや、それでもすごいって!

 私とクウネは結構練習したからできるけどっ!



 アルメダさんが全員に声を掛ける。


「そろそろ出発するぞ! ペグナットまではあと少しだ! 頑張ろう!」


 皆がおーっと声を出し、五台の馬車は再び走り出した。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


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よろしくお願いします!m(_ _)m


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