第68話 告げ口する白猫
静かな夜は何も起きないまま過ぎていった。
私はずっと草原を眺めて、時々流れる流れ星を見ているだけだったけど、何故か退屈だとは思わなかった。
「…ラフィーネさん。交代の時間です」
ふいにミレニアさんから声を掛けられて、私はビクッとなり、後ろを見たら、ジャーバさんとミレニアさんがニコニコしながら立っていた。
ジャーバさんも私に声を掛ける。
「ラフィーネさん。大丈夫でした?」
「はい。なんか、あっという間でした」
「そうっすか。じゃあ、もうここは俺が見ますんで、ミレニアと二人で朝まで休んでてください」
私とミレニアさんはテントの方へ向かった。
テントに入る前にアイシャの方へ寄って、ミレニアさんと手を振ると、フードを被って地面に座ったアイシャが私達に会釈していた。
護衛担当の中でジャーバさんだけ男性なので、見張りの時間以外はジャーバさんは馬車の荷台で眠るが、私達は護衛担当用のテントがあるので、そのテントに入っていった。
中ではクウネとイスネリがスヤスヤと眠っていた。
私とミレニアさんはその隣で横になり、そのまま眠りについた。
翌朝、私は起き上がると、テントの中には誰もいなかった。
テントの外に出てみると、アイシャとミレニアさんがいたので、声を掛ける。
「おはよー。アイシャ。ミレニアさん」
「おはようございます。お嬢様」
「…おはよう。ラフィーネさん」
私達は三人でまだ見張りをしているクウネとイスネリの所に行った。
クウネの横にはナヴィがいて、私達が近付くと、クウネとナヴィが私達に気付いた。
「あ、おはよー! ラフィーネー」
ナヴィが私の所に駆け寄ってきたので、私はナヴィを抱っこする。
ミレニアさんが
「…ちょっとジャーバさんの所に行ってきます」
そう言って私達から離れたので、ナヴィが私に話し掛ける。
「聞いてにゃ。ラフィーネ。クウネが何回か寝て、私がその度に起こしたにゃ」
「あー! ナヴィ! 言っちゃダメだよー」
ナヴィがいたずらっぽく、ニヒヒと笑った。
「ダメじゃない! クウネ! ちゃんと見張りしなきゃ」
「んー、ごめんなさいー」
そこへイスネリがやって来て、
「ラフィーネさん。大丈夫ですの。寝てたといっても数秒ですし、私もナヴィもしっかり見張っておりましたの」
「そう。それならいいんだけど、しっかりしなきゃダメだよ。クウネ」
「はい。ごめんなさいー」
私はナヴィの頭を撫でながら、
「今晩も見張りがあるから、ナヴィはクウネが寝てたら噛んじゃってもいいからね」
「分かったにゃ」
「えー、クウネ、噛まれるのイヤー」
「じゃあ、しっかり見張りしようね」
「うん、分かったー」
するとそのやり取りを聞いていたアイシャが口を開く。
「お嬢様は甘すぎます。クウネ。そんな事ではせっかく私達に仕事を任せてくれた、アルメダさんに申し訳がたちません。次に見張り中に寝たら、イスネリは槍でクウネを叩いてください。そしてご飯も抜きにします! いいですか? クウネ」
お…お、こわっ! アイシャ。マジだ…。
半泣きになったクウネは、しょんぼりしながら返事をする。
「…うー、分かりましたー。頑張りますー」
テントの方へ振り返ると、キャラバン隊の人達が次々とテントから出て来て、朝ごはんの用意を始めていた。
するとアイシャがクウネの肩に手を置いて、
「話はこれで終わりです。いつまでも落ち込んでないで、朝ごはんの用意をお手伝いに行きますよ」
「そうだね。行くよ、クウネ!」
私はクウネの手を引いて、キャラバン隊の人達の所に向かった。
ー◇◇ー
朝ごはんを食べ終えた私達とキャラバン隊の人達は、テントの撤収作業をして、全員で集まって簡単に今日の行程の打ち合わせをする。
二日目の今日も、道のりの大半は街道で平坦な草原地帯が続く予定になっている。
私は昨日、アルメダさんと約束した通り、アイシャと一緒に一番後ろの馬車に乗り込んだ。
こうして遠征の二日目が始まった。
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