第63話 キャラバン隊と顔合わせ
アルメダさんは大きな地図を取り出し、テーブルに広げた。
その地図にはモーネサウラからランシーアまでの道のりが矢印と線で記され、その線上にはいくつかバツ印と数字が記入されていた。
テーブルを囲った全員がその地図を覗き込み、アルメダさんが声を発した。
「いいか? 今回のランシーアまでの行程は七日間の予定だ。バツがついている所は夜営、もしくは宿泊予定の場所になっている」
私も地図を覗き込み、見てみると、モーネサウラからランシーアまでの線上には六個のバツが記されていた。
更にアルメダさんが地図上のバツの一つを指差して続ける。
「この四日目のペグナットの町で露店を出して、補給も同時に行う予定だ」
その後もアルメダさんは行商メンバーに細かく、行程の説明をしていく。
そして砂漠地帯の説明に入ったところで、アルメダさんが私達の方へ目線を向けて、話を続ける。
「で、今回の行程で一番の難所になるのが恐らくこの砂漠地帯だ。知っての通り、ここの砂漠地帯はモンスターの出現が多い」
その場にいる全員に緊張感が走る。
そしてアルメダさんがニヤリと笑い、話を続ける。
「その為に、護衛を依頼したのがラフィーネ達だ」
部屋にいる全員の視線が私達に集まる。
四人を代表して私が挨拶した。
「よ、よろしくお願いします」
ちょっと緊張してしまった…。
アルメダさんがそんな様子の私を見て、大きな声で笑いながら言った。
「ははは! 固いなー! ラフィーネ! もっと気楽に頼むよー!」
部屋にいるメンバーがみんな、アルメダさんに釣られてどっと笑う。
アルメダさんは続けて、
「こんな感じだけど、ラフィーネ達はヘルバッファローの角を折ってきた凄腕冒険者だから、護衛は安心して任せられると思うんで、みんなよろしく頼むよ」
私達を見る皆の目が一気に羨望の眼差しに変わったのを感じた。
中でもアルメダさんの隣にいる金髪で腰の両側に二本の剣を下げた女性は、目をキラキラさせて私達を見ていた。
その後もアルメダさんは、説明を続けて一通りの打ち合わせが終わったところで、私達の自己紹介をさせてもらった。
そして、明日の日の出と共に出発する事がアルメダさんから告げられて、今日の打ち合わせは解散となった。
部屋にいたほとんどの人は、出発準備のために部屋を出て行く中、アルメダさんが一人の男性と女性を連れて私達の所にやって来た。
「ラフィーネ。ちょっと時間いいか?」
「はい。大丈夫ですよ」
アルメダさんは男性を指差して、
「コイツはジャーバ。あっしのキャラバン隊のキャラマスで、見ての通り唯一の男だ」
キャラマスというのはキャラバンマスターの略で、キャラバン隊全体の指揮を取る人のことだ。
ちなみにアルメダさんはキャラバンのキャプテンという位置づけになるそうだ。
ジャーバさんは私達に人懐っこい笑顔を見せて挨拶してきた。
「よろしくお願いしますね。ラフィーネさん。皆さん。こんなキャプテンだから、ちょっと野蛮な女連中しかいませんが、皆いい奴なんで」
「余計なこと言わなくていいんだよ。挨拶が済んだら、さっさと皆の出発準備を監督してこい!」
「はいはーい。じゃあ、皆さん。明日からよろしくでーす」
ジャーバさんはそう言いながら、手を振って小走りで部屋から出ていった。
アルメダさんはジャーバさんが出ていった方を睨みながら、ぶつぶつ呟いていたが、私達の方へ向き直り、一緒に連れてきていたもう一人の女性を紹介する。
「コイツはミレニアだ。このキャラバン隊の専属護衛をしてもらってる。ウチで戦闘が出来るのは、あっしとさっきのジャーバとこのミレニアだけなんだ。だからよろしく頼むな。ラフィーネ」
さっきの打ち合わせの時にキラキラ目で私達を見てた女性だった。
その女性は私達を見回して挨拶する。
「…ミレニアです。明日からよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくね。ミレニアさん」
その様子を見ていたアルメダさんが話し掛ける。
「ミレニアもウチに入ってまだ一ヶ月ぐらいだし、ラフィーネとも歳も近そうだし、仲良くしてやってな」
一応、打ち合わせと顔合わせも終わり、キャラバン隊の人達は明日の出発準備があるので、恐らく荷物の積み込みとかに行ったと思うんだけど、私達護衛担当は明日の出発の時に集合ということになった。
お屋敷を出ると、五台の馬車が庭に停まっていて、キャラバン隊が馬車の中で荷物の確認をしたり、お屋敷から荷物を積み込んだりしていた。
私はふと馬車の前方にいる馬ではない、違う生き物に気付いて思わず覗きこんだ。
それを見てアルメダさんが私に声を掛けた。
「そうそう、今回は砂漠を通るのに、馬だと潰れちゃうから、丈夫な駝竜を十頭手配したんだ」
へー、あれが駝竜か。名前は聞いた事あるけど、本物を見るのは初めてだ。
駝竜とは馬よりも二回りほど大きく、二足歩行で馬よりも力と体力が優れているが、数があまり多くない上に、人に懐かせるのも馬よりも大変らしい。
竜と名前がついていて、一応ドラゴン族らしいけど、どちらかというと二足で歩くトカゲのような印象だった。
私達が近づくと駝竜たちが一斉に私達の方に向き、驚いた様子でこちらの方をずっと見てくる。
アルメダさんが
「んー? どうしたんだ? なんかいつもと違って様子が変だな」
私はふと横を見た。
イスネリがいる。
あー。アルメダさん。ウチの仲間に飛竜がいました…。
たぶん、それが原因だと思います…。
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