第62話 打ち合わせ、始まります。
アルメダさんと別れた私達は家に戻ってきた。
とりあえず家でお留守番をしている三人にラドズさんの指名クエストを受けた事を伝えないとと思い、家の中に入ったが誰もおらず、裏庭から声が聞こえるので、裏庭に回った。
すると、クウネは手甲をつけ、イスネリは木の槍で組手をしている真っ最中だった。
クウネは私が裏庭に来たのに気付いて、
「あ、ラフィーネ。おかえりー」
と声を掛けた瞬間、イスネリの槍がクウネの頭を捉えた。
ゴキーン!
クウネの頭に槍がキレイに入り、これまたキレイな音が裏庭に響いた。
「いたいー!」
「ご、ごめんなさいですの」
クウネは頭を抱えてその場でうずくまった。
すぐさまイスネリはクウネの頭に治癒をかけて、裏庭の隅で見ていたナヴィがお腹を抱えて笑いころげていた。
私は三人の元に行くと、
「クウネ、大丈夫? とりあえず新しいクエストが決まったよ。説明するから、みんな一回家に入ろっか」
家の居間で四人でテーブルを囲み、ナヴィはテーブルの上の定位置に座った。
そして、私とアイシャでさっきラドズさんから引き受けた、アルメダさんのキャラバン隊護衛のクエストを伝えた。
三人は驚いていたが、初めて長旅になるクエストを楽しみにしてくれた。
今回の目的地のランシーアだけど、私は名前は聞いた事あるけど、詳しく知らないので、アイシャに聞いてみた。
「ねえ、アイシャはランシーアって町知ってる?」
「私もそれほど詳しくありませんが、知栄都市と呼ばれ、多くの学問や、建築や工業などの技術が優れた町という事しか存じません。昔は、今では廃れてしまった魔法の研究や開発も盛んに行われていたと聞いた事もありますね」
「ふーん。たしかブレデオン公国内の都市だったよね?」
「そうですね。モーネサウラほどではありませんが、大きな町であるのは間違いありませんね」
他の三人も私達の話を聞きながら、ふんふん頷いていた。
クエストの内容を話し終わったところで、アイシャが私達に話す。
「明日、アルメダさんのキャラバン隊との顔合わせと打ち合わせなので、今日のうちに旅に必要な物を買い揃えておいた方が良いと思います。なので今からみんなで買い出しに参りましょう」
お子ちゃま三人とナヴィは、揃っておーっと手を挙げて返事をして、私達は町に買い出しに出掛けた。
ー◇◇◇◇◇◇ー
翌朝、私達五人で家を出て、武器屋に行って加工してもらった剣を受け取った。
ラドズさんの屋敷に向かいながら、私がその加工してもらった剣の感触を確かめていると、アイシャが私に聞いてきた。
「お嬢様。その剣をいきなり実戦で使えるんですか?」
「うん。ずっと朝の鍛練の時は同じ形にした木剣を念動で振ってて使いやすいかったから、大丈夫だよ。もし使いにくかったら、三日月だけ使うし」
私が武器屋のおじさんにお願いしたのは、私の剣の持ち手の部分を取り外せるよう加工してもらう事だった。
今、私の剣はぐっと捻ると、刀身と持ち手の部分が取り外せるようになっている。
そうする事で、刀身は私の体から離れた状態になるので、念動で動かせるようになる。
剣を振る時は持ち手を持った状態で、持ち手から指一本分離れた所に念動でその刀身を固定する。
感覚としては刀身と持ち手の間に念動で隙間を作る感覚で、最近の朝の鍛練はずっとそれの練習をしていた。
遠目で見れば、鍛練をしている時の私は普通の木剣を振っているようにしか見えなかったと思う。
おそらく実戦ではまだ三日月の方がやり易いと思うけど、いつかこの剣の使い方もしっかり身に付けたいなーとは思っている。
そんな話をしているうちに、私達はラドズさんのお屋敷近くまでやって来た。
お屋敷の方を見ると、アルメダさんが手を振っているのが見えたので、私達は門を入り、お屋敷の入口にいるアルメダさんの所まで行った。
私達を見たアルメダさんが私達に話し掛ける。
「おう! ラフィーネ! やっと来たか」
「おはようございます。アルメダさん」
「そっちも全員いるな。もうあっしらのメンバーは中で集まってっから、早速中に入るか」
私達はアルメダさんに連れられて、お屋敷の中に入って行く。
お屋敷の一室に案内され、そこにはアルメダさんのキャラバン隊のメンバー十数人がテーブルを囲んで、立っていた。
アルメダさんはそのテーブルの上座に行くと、全員の顔を見ながら話し出した。
「よし! これで全員集まったな」
部屋にいる全員がアルメダさんの方に向く。
そしてアルメダさんが
「じゃあ、これよりあっしらの初長期遠征、ランシーア行商の行程打ち合わせを始める!」
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