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ポンコツ貴族令嬢が最強スキルをゲットしたので、自由を求めて家出する。~家出令嬢の冒険譚?~  作者: 十目 イチ
大都市で新生活編

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第57話 これ、解けてますか?

 アイシャがクウネの体を揺すって起こす。


「クウネ。そろそろ夜明けです。起きてください」


「う、うーん。分かった」


 クウネは目をこすりながら、体を起こす。



 ナヴィは立ち上がり、私に話し掛ける。


「もうすぐ夜明けだから…。ラフィーネさん。お願いします」


「うん。わかった。念のため、この部屋の扉の鍵はかけておくね」


 私がそう言うと、イスネリが立ち上がり、扉の方に行って鍵をかけてくれた。



 ナヴィはベッドの上に移動して、私達は扉の方に集まって、それぞれの武器を手に持った。



 できれば武器は使いたくないんだけど…



 窓を見ると、空がどんどん明るくなってきていた。

 そして朝日が部屋に差し込んでくる。


 やがてその朝の陽の光が、ベッドで横たわるナヴィを照らしていく。


「そろそろだよ。みんな」


 私はナヴィを見つめながら、三人に声を掛けた。



 陽の光を浴びたナヴィの体から白い光が全身から放たれる。

 一瞬、部屋の中がその光で満たされ、視界が奪われた。


 視界が戻った次の瞬間、ナヴィがいるはずのベッドを見ると誰もいなくなっていた。


「ナヴィちゃん?」


 私が問い掛けるが、部屋のどこにもいない。

 私達は部屋の中を警戒しながら移動する。


「フゥーーっ!」


 ベッドの向こう側から唸り声が聞こえた。


 私達がその声の主が見える所に移動すると、ベッドの横には全身が白く、尻尾が五本ある、あの時見た猫が牙を剥き出して、私達を威嚇していた。



 やっぱりあの時の白猫だ。

 私は内心ナヴィちゃんが恐ろしい怪物になっていない事に安堵した。


 だけど、白猫になってしまって、しかもめちゃくちゃ警戒されて威嚇されている。



 私はクウネに声を掛ける。


「クウネ。アレをこの猫ちゃんにあげてみよう」


「分かった。ちょっと待ってね」



 クウネは鞄をごそごそと探して、鞄から魚の干物を取り出した。


「私があげるね」


 私はそう言うと、その干物をクウネから受け取り、猫に差し出しながら近付いていく。


「ほらほら、お魚だよ。何もしないから。怖くないよ」



 私は白猫にそう話し掛けながら、近付いていくが、白猫は全身の毛を逆立てて、一向に威嚇を止めようとしない。


「フゥーー! みゃーっ!!」


「痛っ!」


 すぐ側まで近付けたが、猫は干物ではなく、私の指に噛みついて私は思わず声を上げた。


 私は白猫に噛みつかれた反対の手で、白猫の頭を撫でながら話し掛ける。


「ほら、怖くない…。大丈夫だよ」


 私は落とした干物を拾ってもう一度、白猫の前に干物を持ってくる。

 すると白猫は噛みつくのを止めて、私の指を舐めた後、干物にかじりついて、警戒を解いたようだ。



 私はイスネリの方を向いて、お願いする。


「じゃあ、イスネリ。解呪(ディスペル)をお願い」


「畏まりましたですの」


 イスネリは白猫に向かって、手をかざし小声で何かを詠唱した。

 イスネリの手が淡い緑の光を帯び、その光が白猫に向かって伸びていく。


 緑の光に包まれて、私の目の前で干物をかじっていた白猫は静かに目を閉じて、そのまま床に寝そべった。


 私はイスネリに尋ねた。


「どうだった? イスネリ」


解呪(ディスペル)は成功して呪いは解けたはずですの…。ですが、元の姿に戻りませんの…」


 表情を暗く落として、イスネリは答えた。



 白猫は何事もなかったようにスヤスヤと眠っている。

 私は白猫を抱き上げ、ベッドの上に寝かせた。



 そしてアイシャが私に話し掛ける。


「お嬢様。どうされますか?」


「うーん。人間に戻らないってことは、呪いは解けてないのかな?」


「ひとまず、様子を見ますか?」


「そうだね。とりあえず猫ちゃんが目覚めるまで様子見よっか」



 私達は様子を見る為、この部屋に留まる事にした。


 ひとまず、怪物になったナビィとの戦闘は避けられたし、私達は少し安心した。


 私はイスネリに指を治癒してもらい、私達はソファに腰掛けた。



 数分後、ベッドの上で白猫がもぞもぞと動き出し、クウネが声を上げる。


「ラフィーネ。猫ちゃんが起きるよ!」


 私達はベッドの周りに集まった。



 白猫は頭を上げ、目を開くと周りにいる私達を見回して、窓から差す陽の光を眩しそうに見た。



 次の瞬間…


「ああ、ラフィーネさん。私、呪いが解けたにゃ?」



 にゃ?…。


 白猫がしゃべった…。



「えっ? ナビィちゃんなの?」


「え? そうにゃんですけど、にゃにか?」


 私達四人はキョトンとして、ベッドにいるしゃべる白猫を見ている。


 白猫もまた不思議そうに私達を見ている。


 そして白猫は自分の手(前足)を見て、飛び上がって驚いた。


「にゃ、にゃ、にゃに? これ?」


「ナ、ナビィちゃん! 落ち着いて! えっと…どう説明していいかわかんないんだけど…」


 と私がオロオロしていると、アイシャが落ち着いて白猫に話し掛ける。


「ナビィちゃん。あなたは猫です。しかもしゃべる猫になっています」



 冷静っ! アイシャ冷静すぎっ!



 ナビィと思われる白猫は驚いた顔をしたが、はっと思い出したようにベッドから飛び降りて、部屋の隅に置いてある鏡台の上に移動して、その鏡を覗き込む。



 そして私達の方に振り返り、私達に聞いてきた。


「これって、呪いが解けたのかにゃ?」



 …んー。分かんない。でも、可愛いよナビィちゃん。そのしゃべり方。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!感謝感謝です m(_ _)m


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