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ポンコツ貴族令嬢が最強スキルをゲットしたので、自由を求めて家出する。~家出令嬢の冒険譚?~  作者: 十目 イチ
大都市で新生活編

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第52話 古城の噂

 私達を乗せた馬車はお店からプルメイの町の反対側にある古城に向かって、ゆっくりと町中を進んで行った。


 モーネサウラと同じように賑わっているが、モーネサウラのような都会っぽい賑わいと違った雰囲気で、人々の活気などが溢れているように感じた。



 やがて馬車は古城の近くまで来て、私達は馬車を降りて歩いて古城の方へ向かった。


 近くで見る古城は所々、朽ちている所もあったが、威厳と風格を残す、立派な建物だった。



 私達はジーノさんの案内で古城の中に入って行った。


 古城の中の廊下は広く、立ち入り禁止と書かれた場所も多かったが、観光する人も多いからか、私達が歩いている所は綺麗に掃除もされていて、石造りの古城の雰囲気を楽しむ事が出来た。



 中を案内しながら、ジーノさんが私達に話し掛ける。


「この古城にはプルメイの町では有名な噂、というか、いわくがあるんですよ」



 アイシャが問い掛ける。


「いわく、ですか?」


「ええ、夜に町からこの古城を見ると、時々女の子が窓の所に立っているのが見えるらしいですよ」



 私がジーノさんに尋ねる。


「夜に女の子ですか?」



 ジーノさんが真剣な顔つきで答える。


「もう百年以上前の話ですが、当時の領主の娘さんが何かの呪いにかかって亡くなっていて、その亡霊が今もこの古城に取り憑いていて、時々そうやって姿を現すんじゃないかっていうのが、プルメイでは有名な話なんです」



 クウネの体がびくっと動き、尻尾もピーンってなった。


 クウネがジーノさんの方に振り返り、完全に怯えた様子で聞いてくる。


「ゆ、幽霊が出るの? このお城」


「どうだろうね? でも、何人も見た人がいるらしいから、もしかしたら誰かが忍び込んでいるかもしれないけど、町ではそう噂されてるんだよ」


 クウネの顔が青ざめる。

 この手の話は苦手みたいだ。



 そんな話をしている間に私達は階段を昇り、古城の最上階に到着した。


 その部屋の窓から見えるプルメイの町並みと海は確かに絶景だった。



 昔、この町を治めていた領主はいつもこの絶景を眺めていたんだろうな。



 私達は古城の中を一回りして、表に出た。

 そして馬車に乗り、再びプルメイの町の中に向かって走り出す。



 馬車の中でロザミーさんが私達に尋ねる。


「では、私達はこのままゲートに行ってモーネサウラに帰りますが、ラフィーネお嬢様達はどうされますか? まだ町を観光されますよね?」



 私とアイシャは顔を見合せ、私が答える。


「はい。せっかくですし、もう少し見て回ろうと思います」


「そうですね。それが良いと思います。宿泊先は私達が手配しても構いませんか?」



 私がちょっと考えて、皆の顔を見てみると、クウネとイスネリが無言で首を何度も縦に振っていたので、


「はい。じゃあ、お言葉に甘えてお願いしてもいいですか?」


「もちろんですよ。それでは宿までご案内させていただきますね」



 そうして馬車は町中を走り、一軒の宿屋の前に停まった。


 ジーノさんが素早く馬車を降りて、宿屋の方に入って行き、私達もその後に馬車を降りた。



 宿屋から出て来たジーノさんが馬車の前にいる私達に声を掛ける。


「こちらの宿を予約いたしましたので、今晩はこちらをお使いください」


「すいません。ありがとうございます」



 私がジーノさんにお礼を言うと、皆も頭を下げた。


 そしてロザミーさんが話し掛ける。


「では、皆さん。私達はここで失礼させていただきますが、気にせずにプルメイ観光を楽しんでくださいね」


「ロザミーさん、ジーノさん。本当にありがとうございました」


「いえ、また今度ご一緒にゆっくり観光いたしましょう」



 ジーノさんも私達の顔を見回して声を掛ける。


「ゆっくり楽しんでください。またモーネサウラで土産話を聞かせてください」



 二人はそう言って、馬車に乗って走り出し、私達はその馬車が見えなくなるまで手を振って見送った。



 私は皆の方に振り返り、


「さて、この後だけど、どうしよっか?」


「クウネ、海、もっと近くで見たい!」


「わたくしも見て見たいですの」


「アイシャは?」


「私は皆さんに付いて行きますので、気にせず行き先を決めてください」


「よしっ! じゃあ次は港の方を見に行こっか!」



 私達は徒歩で港の方へ行くことにして、歩き出した。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!感謝感謝です m(。≧Д≦。)m


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