第41話 皆で飛んでみました
私達はスネアさんとダイタスさんと別れて、森の中をセヌタ村に向かって歩いていた。
ダイタスさんはまだ寝てたけど、スネアさんが目を覚ます前に立ち去った方がいいと言うので、立ち去る事にした。
ダイタスが私にベタ惚れだと、スネアさんが言ったのにはビックリしたけど、理由をスネアさんに聞いたら、
「彼はよく『彼女は今の自分にはもったいない女性だ。だが自分の責務を果たした時には、堂々と彼女を迎えに行く』と言ってますから」
「で、でも、さっき私の事を見ても気付いてなかったんじゃ…」
「さっきはあまり顔を見られないように、アイシャさんの後ろに隠れてたでしょ?僕がすぐに気付いたんで、彼もちゃんとラフィーネ令嬢の顔を見ればすぐに気付いてたと思いますよ」
と、ともかく結婚は破談にはなっていないようだし、それにすぐ結婚というのもなさそうだな…。
それと去り際に、スネアさんにはこの辺りで目撃されているワイバーンの事を追わないで欲しいと念押ししておいた。
理由は話さなかったが、あのワイバーンは絶対に人を襲ったりしないと言っておいた。
スネアさんは不思議そうにしながらも、
「ラフィーネ令嬢がそう仰るのなら、あえて理由は聞かないでおきます。ダイタスにも追わないように、なんとか説得しておきますので、安心してください」
そう約束してくれて、イスネリも少し安心したようだった。
森を抜けて私達がセヌタ村に着く頃には、陽は傾いてすっかり夕方になっていた。
村長さんにポイズンリザードの巣穴の場所を教えて、村の人達で確認に行ってもらっている間、私達は村の集会場で待たせてもらう事にした。
皆で座って待っていると、アイシャが私に聞いてきた。
「お嬢様、この後はどうされますか?」
「どう?って?」
「この村で一泊してから帰りますか?この時間からだとモーネサウラまで馬車を出してくれるか微妙だと思いますが」
「あー。そうだねー。ちょっと難しいかな?」
するとイスネリが手を挙げて、私達に話し出した。
「暗くなってからでもよければ、わたくしが皆を乗せてモーネサウラまで飛びますの。ここからですと一時間ぐらいで着くと思いますの」
皆がイスネリの方に振り返り、私が驚いて聞き直す。
「えっ?イスネリ、私達を乗せて飛べるの?」
「ええ。三人ぐらいでしたら、問題ありませんの」
「ええ!?ホントに?クウネ、飛んでみたい!」
「私も!私も!飛んでみたい!いいの?」
「ええ。構いませんの」
こうして私達は、日が沈んで暗くなってからワイバーンの姿になったイスネリに乗せてもらって、モーネサウラまで帰る事にした。
そして村の人達からポイズンリザードの全滅を確認したと返事がきたので、私達は村を出ることした。
村の中からだとイスネリの正体がバレちゃうので、少し離れた所から飛んでもらう事にした。
2,30分ほど歩いて、完全に辺りも暗くなったので、イスネリはワイバーンの姿になった。
「皆さん。どうぞ乗ってくださいですの」
「わーい!」
クウネが一番に乗り込み、その後に私とアイシャが続く。
「では、しっかり捕まってくださいですの」
そう言って、イスネリは羽ばたいて、その大きな体がどんどん高く上がっていく。
「でもイスネリ。夜っていっても姿を見られたりしないの?」
私はイスネリの背中から聞いた。
「大丈夫ですの。飛んでいる間は姿を見えにくくする不可視のスキルを使いますの」
「でも最近、何人にも飛んでる所を見られたんだよね?」
「う…、それは疲れてきていたので、体力温存の為にそのスキルを使ってなかった時に見られたんですの。今は大丈夫ですの」
「分かったよ!じゃあ、しっかり隠れて飛んでね!」
「畏まりましたですの!では、行きますの!」
そう言うと、イスネリは大きく羽を羽ばたかせ、速度がどんどん加速していく。
夜の暗闇の中、イスネリは私達を背中に乗せ、爽快に空を駆け抜けて行った。
イスネリの背中で私達三人は、初めて感じるこの爽快な体験に興奮した。
そうしてあっという間にモーネサウラの近くまでやって来た。
「ラフィーネ!見て見て!街が見えてきたっ!」
クウネの指差す先に、夜に浮かび上がるキレイな街の光を放つ、街壁に囲まれたモーネサウラが見えてきた。
モーネサウラの街の上空まで来ると、イスネリは大きく旋回して、私達の家の裏庭に静かに降り立った。
無事に私達が背中から降りたのを確認すると、イスネリは人間の姿に戻り、私達に言った。
「いかがでしたの?初めての空の旅は?」
「気持ち良かったー!また乗せてね!イスネリ!」
クウネがイスネリに抱き付いて、おねだりする。
「ええ。いつでも乗せてあげますの」
私も興奮して、イスネリに言った。
「私も楽しかったよー!イスネリ!ありがとうね!」
ふとアイシャを見ると顔が少し青くなっていた。
「どうしたの?アイシャ?大丈夫?」
「はい…。最初は暗くてあまり見えなかったから、問題なかったんですが、街が見えた時にとんでもなく高い所にいると分かってしまって…。ちょっと…」
ああー。アイシャ、高い所がダメだったんだね…。
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