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ポンコツ貴族令嬢が最強スキルをゲットしたので、自由を求めて家出する。~家出令嬢の冒険譚?~  作者: 十目 イチ
大都市で新生活編

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第29話 アイシャが見たグレリオン

 私達はジーノさんとの食事を終えて、家に帰ることにした。


 クウネは腕とか背中も痛めているし、アイシャも肩は万全じゃないので、この後はゆっくり体を休めようとなった。



 ジーノさんと別れて、家に向かう途中にアイシャが私に


「お嬢様。私はちょっと薬を買ってから家に戻りますので、先にクウネと帰っていてもらえますか?」


「あれっ?さっきザージンさんから薬もらってなかった?」


「ええ、彼から貰った薬も使いますが、足りなくなったら困りますので、一応買い足しておこうかと思いまして」


「だったら、私が行くよ」


「私でしたら大丈夫ですよ。少し食材も買いに行きますので」


「そうなの?ホントに大丈夫?」


「ええ、それではクウネをよろしくお願いします。終わりましたら、すぐに戻りますので」



 そう言って、アイシャは私とクウネとは別の道の方へ歩いて行った。




   ー〈アイシャ視点〉ー


 モンスター討伐、しかもグレイベアボスが相手のクエストを無事に終えることができて本当に良かった。



 ほとんど戦闘経験のないお嬢様とクウネ。


 私も対人の実戦経験はあるものの、モンスター相手はほとんどなかったので、不安が大きかった。


 お嬢様のスキルはお嬢様の非力という欠点を補う以上に強く、それまでの戦闘でも十分に戦えるとは思っていたのですが…。



 グレイベアボスに向かってお嬢様が走り出した時は、本当にダメかと思いました。



 あの流れるような回避からの突き。


 グレリオンの屋敷で何度も見たユイミー様にそっくりな動きには驚かされました。



 思わずユイミー様みたいだと言ってしまいましたが、ラフィーネお嬢様は以前からその動きはユイミー様にそっくりでした。




 ただ剣を持つと、その非力な体では上手く剣を扱えず、思い通りに動けなかったのですが。



 そんな事を考えながら、私はあと少しで薬屋という所で一人の男に声を掛けられた。



「アイシャ・ミリオルさん、ですね」


 !?


 ふいに名前を呼ばれて、私はその男に対して身構えた。



 男は両手の平を私に見せ、何も持ってませんとアピールしながら、言葉を続けた。


「私はニーセンと申します。怪しい者ではありませんよ。ガイゼル・グレリオンの使いで参りました」




 …ガイゼル様!?



 もうお嬢様の居場所がバレてしまったのかと、私はそう思った。


 そして私は覚悟を決めて、ニーセンと名乗る男に尋ねた。



「…お嬢様を、連れ戻しに来たのですか?」


「いいえ、私はガイゼルさんから手紙と伝言を貴女に、アイシャさんに届けるように言われただけです」



 手紙?伝言?



 更にニーセンが続ける。


「ここだとなんですので、場所を変えましょうか?」




 私とニーセンは近くの酒場に入り、一番奥のテーブル席に座る。


 時間はまだ夕方にもなっていないので、他の客はほとんどいなかった。


 ニーセン…。グレリオンの屋敷にいた時には聞いた事のない名前ですが、向こうは私の顔も本名も知っている。

 ガイゼル様の使いというのは本当だろう。



 飲み物を注文して、ウエイトレスが飲み物を運んできた後、男は懐から一通の手紙をテーブルに置いた。


「ガイゼルさんからの手紙です。受け取ってください」


「これは間違いなく、お嬢様宛てではなくて、私宛てなのですか?」


「ええ、間違いありません」



 私はその手紙を開け、中に入った二枚の紙の中身を読んだ。


 内容は、私に対して今回はラフィーネが迷惑を掛けて申し訳ないという謝罪の言葉から、始まっていた。


 そしてラフィーネが人に迷惑を掛けないように、しっかりと見張っていてて欲しいとあった。


 また、然るべき時が来れば、ガイゼル様がラフィーネお嬢様を迎えに行くので、それまでよろしく頼むと締められていた。



 そして、もう一枚の紙はユイミー様からだった。


 そちらもガイゼル様と同じように謝罪から始まり、母親の私に代わって、ラフィーネが間違っている時はしっかりと叱って欲しい、と記されていた。




 どうやらお嬢様の家出は両親公認となっているようだ。



 グレリオン家に来て、五年以上経っているが、いつも思っていた事だった。




 ラフィーネお嬢様は、本当にご両親から愛されている。




 この二枚の手紙を見て、また私はそう思った。



 私は手紙をしまうと、ニーセンに話す。


「届けていただき、ありがとうございます」


「いえ、大した事ではありませんよ」


「それと伝言というのは?」


「ああ、じゃあ、そのまま伝えますね」



 ニーセンはゴホンと軽く咳払いをして、


「この手紙を受け取った事はラフィーネには絶対に内緒だぞ。あと時々、目の前の男がラフィーネの様子を聞きに来るから教えてやってくれ。が伝言です」


「…それはガイゼル様のマネ…ですか?」



 ニーセンはおかしいなと、首を傾げながら


「あれ?似てませんでした?結構自信あったんですけどね」


「まあ特徴は捉えていたと思いますが…」



 それにしても屋敷を出て、一週間ほどで居場所を突き止め、人を寄越して来るとは…。



 さすがは王国随一の名家グレリオン家です…。いや、ガイゼル様だからでしょうか?



 そしてニーセンはこれで用事は済みましたのでと言って、立ち去ろうとしたので、私はニーセンを呼び止めた。


「あの、ガイゼル様にお伝えして欲しい事があります」


「何でしょう?」


「お嬢様は強いです。ご心配なく。と」


「わかりました。確かにお伝え致します」


 ニーセンは酒場から出ていき、私はもう一度、手紙に目を通す。



 お嬢様が剣一本でグレイベアボスを討ち取ったなんて聞いたら、お二人ともさぞ驚くだろうな…。



 私は手紙を懐になおし、酒場を出た。




 目的の薬と食材を買い、家に戻って来た。



 家の居間には、お嬢様だけがソファで寛いでいた。


「あ、アイシャ。お帰りー!遅かったね」


「ええ、すいません。初めて行った薬屋でしたので、勝手が分からなくて」


「アイシャでもそんな事あるんだねー」


「クウネは部屋で休んでいますか?」


「あー、クウネは今、お風呂の準備してるよ」


「えっ?怪我してるのに?」


「うん、皆でお風呂入るーっ、て言って張り切ってたよ」


「何やってるんですか?お嬢様!止めないと!クウネは怪我人ですよ!」


「えー?だってすごい元気だったし、気付いたら居なかったもん」


「バカですか?お嬢様!あなたバカなのですか?」


「バカじゃないよぅ!」


「早くクウネを止めに行きますよ!ほらっ!」



 ソファで寛ぐお嬢様の手を引っ張り、私は無理やりお風呂場の方へ連れて行った。




 するとクウネがちょうどお風呂の準備を終えた所だった。


「あ、アイシャちゃん。お帰りー!お風呂用意できたよ!」


「クウネ、あなたは怪我人なんですよ!ゆっくり体を休めないと…」



 私がそう言っている間に、クウネは服を脱ぎ出して


「ほら!皆で入ろう!アイシャちゃん!ラフィーネも!」



 結局クウネの勢いに負けて、そのまま三人でお風呂に入らされました。



 そしてお風呂の中で、二人をたくさん説教してやりました。





最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


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よろしくお願いします!(。-人-。)

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