第24話 告白?したんですよね?
ジーノさんが宣言した事により、グレイベアのボス討伐に変わった今回のクエスト。
その場にいる私達にジーノさんが話し出した。
「それでは、ここにいる皆さんとこのまま討伐についての作戦会議をさせていただきますが、よろしいですか?」
すると、作業員の一人がジーノさんに尋ねた。
「俺達もまだここにいても大丈夫なんでしょうか?」
「ええ、ここに残ってください。恐らくこの作戦にはあなた達も無関係ではありませんから」
バスクさんが手を挙げて、それを見たジーノさんがどうぞと声を掛け、バスクさんが話し出した。
「一つ聞きたいんだが、新たにクエスト依頼をギルドに出して討伐隊を募るんじゃなくて、ここにいる嬢ちゃん達と俺の四人で行くのか?」
「私はまず、有効な作戦を立てて、それから人員が必要であれば募る、という形で進めようと思っていましたが」
「なるほど、だったらベアのボスを討つのを最優先にするんなら、この四人の他は索敵が出来る奴が一人いれば問題ねえ」
そう言ってバスクさんはジーノさんを見た。
ジーノさんはそれに対して
「では索敵出来るメンバーを一人加えて、五人で討伐ができると?」
「ああ、普段からそういう訓練をしてる集団だったら統率も取れるが、寄せ集めを何人も集めた所で、森の中で戦闘をするんなら上手く連携ができなければ、怪我人が増えるだけだ」
確かに。
もし、人数が多くても皆がバラバラに動いたりしたら、確かに危ない気がする。
さらにバスクさんが続ける。
「索敵の出来るヤツなら、俺のチームメンバーに一人いる。そいつを入れて五人で討伐隊を組んでも構わないか?」
「そうなんですか?今回の護衛クエストには参加してないんですか?」
「ああ、そいつは斥候だからな。戦闘力はそれほど強くないから、今回の護衛クエストには参加してねえ。だけど目的が討伐に変わったんなら、そいつは戦力になる」
ジーノさんはバスクさんにさらに尋ねる。
「その人をすぐに連れて来れますか?」
「いる所は分かってる。一時間もあれば連れて来れるぜ」
「それでは、バスクさん。その人を連れて来て貰いますか?じゃあ、すいません。皆さん。その人が来るまで、もう少し休憩にしましょう」
私達はバスクさんがその人を連れて来るまで、トサレタ商店の中で待たせてもらう事にした。
しばらくしてバスクさんは一人の男を連れて商店に戻って来た。
「俺のチームメンバーで、スカウトのザージンだ」
「ザージンっす。話はバスクさんから聞いてるっす。クエストに参加させてもらいます。よろしくお願いします!」
ザージンさんは皆に向かってお辞儀した。
「では、早速始めましょうか」
ジーノさんはそう言って、他のみんなを集めた。
話し合いは一時間もかからず終わった。
今日の採掘作業は中止にして、討伐は明日から開始する事になった。
私、アイシャ、クウネ、バスクさん、そしてザージンさんが今回の討伐隊となる。
作戦はいたってシンプルだ。
グレイベアの縄張りの森の中に入り、ザージンさんが周りを警戒しながら、余計な戦闘を避けて、グレイベアのボスのみを狙う。
グレイベアを避けて進んで行く事は可能なのかと、ジーノさんから聞かれたザージンさんは
「楽勝っす。あんな臭いモンスター、百メートル先にいても分かるっすから。目隠ししてても、一匹も遭遇せずに歩き回れるっすよ」
どうやらすごく鼻が良いらしい。
更にジーノさんがザージンさんに聞く。
「匂いでボスを探す事も出来ますか?」
「やった事ないっすけど、そのボスが他のベアと違う匂いだったら、たぶん分かるっすね」
「それなら最短ルートでボスまでたどり着く事も出来ますね」
こんな感じで作戦は決まり、ジーノさんは改めて私達への指名クエストということで、今日中にギルドに依頼を出すと言ってくれた。
そして明日の朝、私達はその依頼の受注をギルドで済ませてから、またこの店に集合するという事に決まり、今日は解散となった。
話し合いの最中、少し気になった事があった。
それはザージンさんがアイシャをチラチラと見ていた事だ。
もしかしたら、アイシャが知ってる人かもしれないと思い、ジーノさんの店を出た後、アイシャに聞いた。
「アイシャ、さっきのザージンさんって人、知ってる?」
「?いえ、初対面ですよ。どうしてですか?」
「話し合いしてる時、アイシャの事をずっと見てたんだよね。だから知り合いかなと思って」
「うーん、見覚えないですけどね…」
「そっか。ならいいや」
私達はクウネの手甲を買い換える為、武器屋さんに向かっていた。
その買い換えの後、今日のクエスト報酬が出てるとの事なので、ギルドに寄ってから家に帰る事にした。
そして武器屋さんまであと少しという所で、アイシャが私に耳打ちをした。
「お嬢様。誰かが私達をつけて来ています。そのまま前を向いたまま、次の角の所で待ち伏せしましょう」
私は無言で頷き、私達三人は角を曲がった所ですぐに壁際にへばりつき、尾行者を待ち伏せた。
すると尾行してた人はその角まで来て、私達の姿を見ると、わっと驚いて目を見開いた。
「?ザージンさん?」
私達を尾行していたのは、さっきまで商店に一緒にいたザージンさんだった。
「どうしてここに?」
「あ、いや、その、なんて言うか…」
するとアイシャが腰の短剣に手を添えて、一歩前に出てザージンさんに尋ねる。
「答えてください。なぜ私達をつけて来たんですか?」
「……んん~」
ザージンさんは顔を伏せて、言い淀んだ。
顔も赤くなっているようだ。
更にアイシャが聞く。
「どうして答えられないんですか?」
するとザージンさんはガバッと顔を上げた。
その瞬間、アイシャはザージンさんから少し距離を取った。
そして顔を真っ赤にしたザージンさんがアイシャに向かって言った。
「ア、アイシャさん!ほ、惚れましたっす!さっき店で見た瞬間からっ!ひ、一目惚れっす!」
……ん。……ん?えーっ!?何っ!?
この人、今、アイシャに告白したーっ!?
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