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ポンコツ貴族令嬢が最強スキルをゲットしたので、自由を求めて家出する。~家出令嬢の冒険譚?~  作者: 十目 イチ
キャラバン編 ~聖樹の森~

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第101話 たまたま倒せたそうです

 駆け出した私に向かって、大木型ゴーレムが鞭枝を繰り出してきた。


 三日月を最大出力で回転させ、向かってくる鞭枝を私は斬り刻んでく。


 シュンッ! ヒュンッ! ザクッ! ヒュンッ!


 手に持った剣の刀身と持ち手を取り外し、刀身を念動で操り、身を屈めた姿勢で大木型ゴーレムに私は全速力で迫った。


 三日月を駆使して、無数の鞭枝をかいくぐり、大木型の幹の根元に向かって、斬撃を入れた。


「やぁーー!」


 ザシュ!


 大木型ゴーレムはバランスを崩し、体が大きく傾いた。

 幹の部分にいくつもある赤黒い目が私の方に向く。


 その中でも一際大きな目に向かって、私は跳んで突きを放つ。


「はぁーー!」


グサァッ!


 それと同時に三日月を他の目にも突き刺していく。


 ザクッ! ザクッ!……

「ホォォーーン!」


 ドッシーン!


 断末魔のような声を上げながら、ゴーレムが倒れた。

 私はゴーレムから剣を引き抜き、振り返る。


「やぁーー!」


 クウネがその高い身体能力で人型ゴーレムの拳をかわしながら、ククリナイフという大型の短剣で細かい斬撃を入れていた。


 素早い動きで何度も斬撃を入れるクウネと、そのゴーレムの周りには木の屑が舞い散っていく。


 ザシュッ! ザシュッ!……


 …キィーーン!


 その人型ゴーレムの背後で黄色い光が丸い円を描いた。


 ミレニアさんだ。


 クウネに襲いかかっていた人型ゴーレムは背後からミレニアさんに袈裟懸けに両断され、地面に崩れ落ちる。


 ドッシーン!


 すごっ!

 あんなの真っ二つに斬れるの?



 華麗に着地したミレニアさんがクウネに声を掛ける。


「…クウネちゃん。大丈夫だった?」


「う、うん。大丈夫。すごいね。ミレニア」


「…ありがとう。でも、まだ終わってないよ」



 二人は私が見ているのに気付いて、こっちに走り出した。


 私もアイシャ達の方を指差して、走り出して声を出した。


「あっちの大木の方!」


 アイシャとイスネリの方を見ると、無数の鞭枝を捌くので精一杯で大木型ゴーレムに二人はなかなか近付けないでいた。


 私がその大木型に向かって、数枚の三日月を放つ。


 ヒュンッ! ヒュンッ!…


 風切り音を出して回転する三日月が、鞭枝を次々に切り落としていった。


 鞭枝が減ってできた隙に、アイシャが一気に大木型との距離を詰めて斬りかかる。


 ザシュッ!


 アイシャに少し遅れて大木型に近付いたイスネリが、ものすごい速度で槍を何度も突き、大木型の目を破壊していった。


 ザシュッ! ガシュッ! カァン!…


 大木型ゴーレムの枝が力なく垂れ下がり、そのまま後ろに向かってゆっくりと倒れていった。



 ドッシーンッ!



 アイシャとイスネリが振り返り、近付いて来た私達に気付く。


「お嬢様。大丈夫でしたか?」


「うん。私は大丈夫。みんなは?」



 みんな怪我もなく、ゴーレム達を撃退する事ができて安堵した。


 私はミレニアさんに声を掛ける。


「ミレニアさん。すごいね。あっという間に三体も倒したよ!」


「…いや、たまたま、だよ…」


 そう言ってミレニアさんは赤くなって照れた。



『たまたま』では私達が倒せなかったあの人型ゴーレムを三体も倒せませんっ!


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