第100話 雷撃、再び
イスネリの背中に乗って飛んだ私達はまだ夜明け前の薄暗い森の上空にいた。
森の上空からほのかに光る聖樹に向かって飛んで行く。
イスネリはあの鞭のような枝の攻撃を警戒しながら、少し高く飛んで、聖樹に近付いていく。
そして徐々に高度を下げて、聖樹に近付いていくと、イスネリが叫んだ。
「来ましたの!」
聖樹の手前の森の中から無数の鞭枝がこっちにすごい速度で一直線に向かって伸びてくるのが見えた。
この高さで振り落とされたら、ひとたまりもない!
私はイスネリに叫んだ。
「イスネリ! ここで降りるよ!」
「はいですの!」
イスネリは鞭枝を避けるように一気に高度を下げて、森の中に降り立った。
私達は素早くイスネリの背中から降りると、すぐに周囲を警戒する。
ズシンッ。ズシンッ。…。
ちょうど聖樹のある方向から大きな人型ゴーレムが三体、目の前の木をなぎ倒しながら、私達の前に現れた。
私は背中の剣を抜き、三日月も周りに展開した。
全員が武器を構える。
イスネリは人の姿になり、槍を構えた。
ミレニアさんも既に二本の剣を両手に構えていた。
「ゴォォォーッ!」
三体の人型ゴーレムが一斉に私達に向かって、凶悪な赤黒い両目を光らせて、突進してきた。
私が先頭の人型ゴーレムの足めがけて、全力で回転させた三日月を放つ。
カンッ! ザクッ!…
乾いた音が響き、無数の三日月が人型ゴーレムの両足に刺さり、人型ゴーレムがバランスを崩した。
ミレニアさんが一瞬でその人型ゴーレムとの距離を詰めて、両手に持つ二本の剣が黄色く光り、人型ゴーレムの前で二つの弧を描く。
キィーーンッ! ドンッ! ドンッ!
ミレニアさんがその人型ゴーレムの前で回転した瞬間、そのゴーレムの首と片腕が地面に落ちた。
ミレニアさんはその勢いのまま、次に突進してくるゴーレムに向かう。
そのゴーレムが立ち止まり、ミレニアさんに向かって拳で突きを出す。
ミレニアさんがその突きを紙一重でかわして、両手に持った剣を振りながら回転した。
キィーーンッ! ドンッ!
突き出したゴーレムの腕が地面に落ちた。
そのままそのゴーレムの足元でミレニアさんが華麗に回転したかと思うと、再びキレイな金属音が響く。
キィーーンッ! ドッシーンッ!
両足を切断されたゴーレムの体が大きな音を立てて、地面に崩れ落ちた。
まるでミレニアさんは舞いを舞うかのように一瞬で、鮮やかに二体のゴーレムを撃退した。
残った一体が、私達めがけて突進してくる。
私とアイシャ、クウネとイスネリがそのゴーレムの方に向き直り武器を構えると、ミレニアさんが叫んだ。
「…みんなの横にもいる!」
私達の両側に挟み込むようにいつの間にか、大木型ゴーレムが私達の左右に一体づつ姿を現していた。
それを見たアイシャが叫んだ。
「お嬢様! 大木の方をお願いします!」
私は三日月を自分の周りに展開させながら、大木型ゴーレムに向かって駆け出した。
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