それぞれの歩み
「おい、亜科、充、これから金を稼ぐためにどっか働く先見つけるぞ」
「「...............はい?」」
藍と世間話をしている亜科達の前に急に現れたかと思ったらいきなりそんなことを言い出した
「ここから帰るためには金が必要なんだが............その金は今、手元にない」
「てゆうか帰るためにお金が必要って.............私達、ここに無理やり連れてこられたんだよね?」
「ああ、ムカつく話だがここから外界に出るためには紫の『スキマ』を使うか、または博麗の巫女ーー霊夢に金払って外に出してもらうしかないんだよ、それで、紫はここから出すつもりは多分ない。
あとで一応聞いてみるが多分出してはくれない、だからここで働いて金を集めて帰るしかないんだ」
亜科はポカンとしているがここのことを以前から知っていた充は
「オッケー、働いて金稼げばいいんだろ?ここの観光も兼ねて一石二鳥じゃないか!」」
かなりハイテンションな様子で喜んでいた
「はあ............なんでこうも最近私ってついてないんだろう」
「ついているついていない以前の問題として、大体充が何か突飛なことをすると何か起こるじゃん、今回もそれだと思ってやるしかない」
亜科はすごく疲れた様子でため息をついていた
「とりあえず、人里まで送ってくからそこからは各自仕事を探してくれ」
「え!今日から探しに行くの?!」
「今日の宿代どうするつもりだ」
「あ.........」
すっかり忘れていたようだが俺たちは今一文なしってことを改めて自覚したようだ
「別にここに泊まっていってもいいんだぞ?私たちはいくらいてもらっても構わないからな」
藍はそう言ってくれるが、申し訳ないし、何せ紫が何をいたずらしてくるかわからない
「大丈夫だよ、まだここは早朝だし、探せば仕事くらい見つかるだろ」
俺は藍の申し出を断り、亜科と充を連れて人里へと向かっていった